瀬頭 順平写真展
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コミュニケーション
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1/27 (火)
~2/2 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
作者は街中を歩き回ってスナップを撮っていたが、最近は直感的に共感できると感じた人に、その場で写真を撮らせてもらうようになった。
相手には「ただレンズをじっと見て欲しい」とお願いし、撮影中も無言でただお互い向き合っているだけだが、全力で相手を見ると相手も全力で見返してくれる。
初対面の人と無言で向き合うのでお互いに緊張するが、それでも余計な先入観が無く相手の視覚的な個性をストレートに感じることができるように思う。また、お互いに向き合っている短い時間、会話は無くても作者と被写体との間には連帯感のような不思議さが生まれてくる。凝視することで何かしらの発見があり、その度に感動してシャッターを切る。
写真を見返すと、無言の時間に被写体に浮かんだ表情には「何か」が写っているように見える。言葉の無いコミュニケーションを、表情が代行しているのだろうか。われわれが気付かずに遣り過ごしている表情の断片を、カメラは偶然切り取ったのだろうか。
写真は人間のどんな感情を表しているのか。作者はその容易に分からない部分を見てもらい、何かを感じ取ってもらいたいと思っている。
作者のプロフィール
瀬頭 順平(セトウ ジュンペイ)
1978年埼玉県生まれ。2004年神戸学院大学薬学部卒業。12年大阪ビジュアルアーツ専門学校写真学科夜間部卒業。
写真展に、13年「西海岸」、14年「2013年度 コニカミノルタ フォト・プレミオ 年度賞受賞写真展」(以上コニカミノルタプラザ)などがある。
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第14回フォトシティさがみはら 2014 プロの部入賞作品展
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2/3 (火)
~2/16 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
休館:2/11(水)・12(木)
写真展内容・受賞作品について
<相模原市総合写真祭「フォトシティさがみはら」について>
写真は、芸術写真から家族写真まで広い地盤を持ち、その卓越した記録性と豊かな表現機能により、多くの人に感動を与えるものであるとともに、私たちの生活にとても身近な存在である。
相模原市では、豊かな精神文化が求められる新しい世紀の幕開けにあたり、写真文化にスポットをあて、これを「新たなさがみはら文化」として全国、世界に発信することを目指して、総合写真祭「フォトシティさがみはら」を2001年(平成13年)にスタートさせた。
この写真祭は、新たな時代を担うプロ写真家の顕彰と、写真に親しむアマチュアに作品の発表の場を設けるとともに、市民が優れた芸術文化に触れたり、それぞれの場に参加できたりする市民参加型の事業で、写真をキーワードとして、時代と社会を考え語り合うことで、新世紀における精神文化の育成に貢献することを基本理念にしている。
また、2006年日本写真協会より「日本写真協会賞・文化振興賞」、2011年日本写真家協会より「日本写真家協会賞」に、写真文化の振興と発展に貢献したとして、相模原市総合写真祭フォトシティさがみはら実行委員会が選定された。
<受賞作品について>
本写真展では、2014年(平成26年)10月に開催された第14回写真祭プロの部において、広義の記録性の分野で活躍している中堅写真家の中から選出された「さがみはら写真賞」1名、新人写真家の中から選出された「さがみはら写真新人奨励賞」2名、また、アジア地域で活躍している写真家を対象にした「さがみはら写真アジア賞」1名の受賞作品を展示する。
「さがみはら写真賞」には、太平洋戦争末期の沖縄戦で使われたガマ(自然洞窟)をテーマとしたオサム・ジェームス・中川氏の『GAMA CAVES』が選出された。
ガマは、沖縄戦で緊急避難所や野戦病院として使われ、人々が逃げ込んだが、彼らは味方の日本軍から追い出されたり自決を迫られるなどの迫害を受け、目を覆うような惨劇が繰り広げられた。そのためガマは、阿鼻叫喚のもとで逝った人々の霊魂の宿る場所となった。作者は、懐中電灯でその地肌を照らしながら長時間露光で撮影した厖大なデジタルデータをPC上で精密に彫琢し、漆黒の闇の向こうの世界を湧出させている。
「さがみはら写真新人奨励賞」には、自分が空中に浮遊する姿を撮影し、WEB上で毎日日記のように発表した林ナツミ氏の『本日の浮遊』と、中央アジアの小国キルギスの誘拐結婚をテーマとした林 典子氏の『キルギスの誘拐結婚』が選出された。
前者は、五百分の一秒のシャッタースピードで切り取られた「瞬間のジャンプ」が、写真という次元で息を吹き返し、脱力と浮力と重力の融合した不思議な瞬間をあぶり出しており、後者は、作者がキルギスの村々を訪れ、誘拐結婚した10代から80代の夫婦を撮影し、彼女たちの現在と未来を独特のセンスと距離で凝視している。
13回目を迎えた「さがみはら写真アジア賞」には、ネパールのキショール・シャルマ氏の『霧とともに暮らす・ネパール最後のノマド』が選出された。
本作品は、ネパールの少数部族ラウテ族を取材したもので、彼らは、自分たちが家を持たず、テントで山々を移動しながら暮らす最後の部族になることを覚悟している。作者は、死期を悟ったかのようなその部族の営みを、霧に消えゆく神秘的な集団の詩情として写しとめている。
さがみはら写真賞
オサム・ジェームス・中川(オサム・ジェームス・ナカガワ)
1962年ニューヨーク生まれ。1963-77年、1986-88年東京在住。86年セントトーマス大学スタジオアート学士号卒。93年ヒューストン大学写真学修士号卒。ヒューストン大学芸術学部写
真学科講師。1994-96年ラマー大学講師(ボーモント・テキサス・アメリカ)、96-2014年インディアナ大学准教授。現在インディアナ大学教授(写真学科長)。米国インディアナ在住。
小川隆之氏に師事。マイケル・ヤマシタ氏のアシスタント。95年第1回東京国際写真ビエンナーレ2位受賞(東京都写真美術館)、クエンカビエンナーレ’98佳作(クエンカ 近代美術館、エクワドル)、2001年2001サンタフェアートセンター プロジェクト部門1位受賞、02年ライトワーク・レジデンシー受賞(アメリカ)、アンダーソンランチ・アートセンター・レジデンシー受賞(アメリカ)、05年ノーダーリヒト・フォトフェスティバル出展(オランダ)、06年沖縄長期滞在、09年グッゲンハイム フェローシップ受賞(アメリカ)、2009-10 沖縄長期滞在、10年第26回東川賞新人賞受賞、ノーダーリヒト・フォトフェスティバル出展(オランダ)、11年バララット・フォト・ビエンナーレ出展(オーストラリア)、12年アルル国際写真祭 ディスカバリー賞 ノミネート、個展(フランス)、13年メトロポリタン美術館 アフター・フォトショップ展 出展(アメリカ)、ヒューストン美術館・ブルックリン美術館 戦争写真展 アメリカ展出展。
さがみはら写真アジア賞
Kishor Sharma(キショール・シャルマ)
1983年生まれ。独学のドキュメンタリー写真家としてカトマンズで活動している。写真というメディアを通して、人間社会を探索し、そして理解する道を探っている。2005年からフリーランスの写真家として活動。08年から09年にかけてカルカッタのメディア機関Drik Indiaで働き、11年から13年にかけてはカトマンズの新進プロ写真家のための写真団体にて活動している。
13年にデンマーク教育省から奨学金を受け、デンマークのDanish School of Media and Journalism in AarhusのAdvanced Visual Storytelling courseを修了した。
作品は国際的なメディアに採用されているほか、ネパール、インド、バングラデシュ、カンボジア、フィンランド、フランス、イギリスなど多くの場所で展示されている。
さがみはら写真新人奨励賞
林 ナツミ(ハヤシ ナツミ)
1982年埼玉県生まれ。大分県在住。現代美術作家。2005年立教大学文学部卒業。07年立教大学大学院コミュニティ福祉学研究科博士課程前期課程修了。
11年よりウェブサイト「よわよわカメラウーマン日記」にてセルフポートレート日記プロジェクト『本日の浮遊』を更新中。12年、東京・恵比寿の現代美術ギャラリーMEMにて個展。同年、写真集『本日の浮遊』(青幻舎)を刊行。13年、青山・スパイラルガーデンにて個展、6×9mの巨大プリントを展示。同年、東京都写真美術館「日本の新進作家vol.12路上から世界を変えていく」に選出される。14年、フランス・メイマックにあるAbbaye Saint André Centred' art contemporain Meymacで開催されたグループ展「JAPON」出展。
さがみはら写真新人奨励賞
林 典子(ハヤシ ノリコ)
1983年生まれ。イギリスのフォト・エージェンシー、Panos Pictures所属。国政政治学、紛争・平和構築学を専攻していた大学時代に西アフリカのガンビア共和国新聞社「The Point」紙で写真を撮り始める。
「ニュースにならない人々の物語」を国内外で取材。2011年名取洋之助写真賞、12年DAYS国際フォトジャーナリズム大賞、13年フランス世界報道写真祭Visa Pour L’Image報道写真特集部門「Visa d’Or」金賞、14年NPPA全米報道写真家協会賞Best of Photojournalism 現代社会問題組写真部門1位受賞。清里フォトアートミュージアム作品収蔵。ワシントンポスト紙、デア・シュピーゲル誌、ル・モンド紙、米ニューズウィーク、マリ・クレール誌(イギリス版)、DAYS JAPAN、ナショナル ジオグラフィック日本版など国内外のメディアで発表。
オカダ・キサラ写真展
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ⓒTOKYO 出会い頭の点動刹(てんどうせつ)
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2/17 (火)
~2/23 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
作品に写っている人物は市井の人たちである。
昨今問題になっている肖像権やプライバシー権の問題に抵触する恐れもあり、だからこそ「ただ面白い一瞬がありました」という理由だけでの発表ではない。“決定的瞬間”以上の“なにか”を観てもらうためにはどうしたらいいのか、作者は日々模索している。
これからスナップ写真は難しい境地に立たせられていくと作者は考えている。秘密保護法、表現の自由の抑制、インターネットの普及によるプライバシー権と肖像権の侵害の恐れなど、さまざまな問題があり、作者たちスナップ写真家は情勢を見て、少しずつ発表の仕方を調整しなければならない時代になった。作者が一番恐れていることは、世間がスナップ写真を許さなくなってしまうことだ。
今あるこの瞬間を見返すのはずっと将来の人たちである。だからこそ作者は、歴史的価値のある写真を目指しているわけではないが、ここにあったという事実の、ほんの小さな小さな証明の1枚でありたいと撮影している。カラー28点。
作者のプロフィール
オカダ・キサラ
1988年東京生まれ。2010年武蔵野美術大学映像科卒業。12年東京綜合写真専門学校研究科卒業。11年第4回「1_WALL」ファイナリスト。11~12年Count Down Gallery桃園画廊運営・代表。
主な写真展に、09年「PhototacticBee」、10年「Count ZERO@Birthday」、12年「ぎざぎざら」、14年「©TOKYO -無限の東京ダンジョン-」などがある。
日本カメラ社
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2014 日本カメラフォトコンテスト展
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2/24 (火)
~3/2 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
本コンテストは、1950年(昭和25年)創刊の『日本カメラ』における、誌上月例コンテストがはじまりで、著名な写真家が1年間を通じて審査を担当し、毎月誌上で発表、さらに毎月の入賞得点を年間集計して、年度賞(「ビギナーズ」は年間優秀作品賞)を競うところに特長がある。
部門は、「モノクロプリント」「カラースライド」「カラープリント」「ビギナーズ」の4部門で、2014年度の審査員は、モノクロプリントの部を田村彰英、カラースライドの部を米 美知子、カラープリントの部を横木安良夫、ビギナーズの部を小澤太一の4氏が務め、総応募点数は約6万6千点以上にのぼった。
日本カメラ社
1948年7月7日東京・銀座に光芸社として創立。同年10月隔月刊誌『アマチュア写真双書』を創刊。51年3月『日本カメラ』に改題。51年7月月刊とする。71年に港区西久保巴町から現在の日本橋人形町へ移転。2010年、『日本カメラ』は創刊60周年を迎え、“写真とカメラのいまを発見する雑誌”として現在に至る。
現在、月刊誌のほか、日本カメラMOOK各種、『写真の教室』、『カメラ年鑑』、写真集、単行本など多数出版。
【ホームページ】http://www.nippon-camera.com