新宿ニコンサロン 2015年1月
写真展内容
本展は、ニッコールクラブが主催する第62回ニッコールフォトコンテスト(平成26年度)に入賞した作品を一堂に展示するものである。
ニッコールフォトコンテストは、世界中の写真愛好家に広く門戸を開き、写真芸術の発展と写真技術の向上を図るとともに、写真を通じて友好を深めようという趣旨のもとに行われるもので、ニッコールクラブ創立以来毎年行い、今回で62回を数える。
今回も3月から募集を開始して7月上旬に締め切り、応募点数は47,409点(第1部8,804点、第2部20,911点、第3部8,860点、第4部8,834点)となった。
入賞作品の内訳は、第1部46点、第2部79点、第3部46点、第4部46点と決定した。
なお作品は、1月5日(月)~19日(月)まで新宿ニコンサロンにおいて第2部カラー入賞作品と第3部ネイチャー入賞作品を、またニコンサロンbis新宿において第1部モノクローム入賞作品と第4部U-31(Under31)入賞作品をそれぞれの会場で同時開催する。
<第1部 モノクローム>
長岡賞・ニッコール大賞(1点) 「里暦」 荒井 俊明(京都)
推 選(1点) 「川遊びの少年」 青木 竹二郎(奈良)
準 推 選(1点) 「あつい日」 渡部 鉅太郎(秋田)
特 選(3点) 「片腕のDEMINER」 川上 真(埼玉)
「光景」 野呂 彰(大阪)
「覗き」 山田 康(静岡)
<第2部 カラー>
ニッコール大賞(1点) 「開発の波」 塚本 達男(福岡)
推 選(1点) 「バングラディッシュの子供達」 管野 千代子(福島)
準 推 選(2点) 「ありがとう、あけぼの」 柴田 祥(青森)
「新たな一員」 元海 千紗(大阪)
特 選(5点) 「一人暮らし」 有田 勉(岩手)
「荘内半島分校の生徒たち」 石角 尚義(香川)
「ラマ寺院にて」 沈 輝(東京)
「源平姫合戦」 高羽 浩(岐阜)
「築100年を迎える」 坪井 嘉平(福島)
<第3部 ネイチャー>
ニッコール大賞(1点) 「知床の海に魚影踊る」 上田 正洋(北海道)
推 選(1点) 「生存競争」 秋山 ゆき子(東京)
準 推 選(1点) 「クジラの棲むところ」 今井 寛治(岐阜)
特 選(3点) 「乱舞」 瀬戸口 義継(鹿児島)
「風の日」 柳瀬 真(新潟)
「海からの贈り物」 吉田 捷男(北海道)
<第4部 U―31>
ニッコール大賞(1点) 「西岸地区」 山畑 俊樹(静岡)
推 選(1点) 「僕らのまち」 比嘉 緩奈(福岡)
準 推 選(1点) 「春風少女」 林 愛美(山口)
特 選(3点) 「ぼく、たもつ。64歳。」 大嶽 更紗(神奈川)
「これからも」 桑田 有理(熊本)
「春めく里」 深野 達也(和歌山)
<審査員>
ニッコールクラブ顧問:海野和男、大西みつぐ、織作峰子、ハナブサ・リュウ、三好和義
ゲスト審査員:小林紀晴、坂本直樹、田沼武能
(敬称略・五十音順)
写真展内容
信仰心の薄れた現代では、野に在る神仏像は、信仰の篤い人々か一部の愛好者にしか関心を持たれず、殆どの日本人の心から忘れ去られようとしている。
野に在る神仏像は庶民の生活の身近な所に在り、人々の心の拠り所となって願いを聞き、また、見守ってきた。作者はそのような神仏像を青森から鹿児島まで探し訪ね歩き、逢ってきた。
古人達が無機質の岩に命を吹き込めて像を造り、諸々の願いを掛けて祀ってきたことに想いを馳せ、遥かなる時を超えて今も在るその姿に接して対座すると、様々な想いが湧き、風景も違って見える。癒しの空間が広がり、日本の美しい風景、日本人が忘れ捨て去った美しい原風景が蘇ってくる。
人の一生に比べて遥かに長い時を経ている姿に接すると、信仰心の無い人も畏敬の念が湧いてくるだろう。
野に在る神仏像の素朴さの中にある美しさ、長い時を経て風化され、摩耗した中にある美しさ、日本の原風景を静かに思い出させ、そして私達に何かを語りかけてくるその魅力を知ってほしいと願っている。
作者のプロフィール
望月 茂(モチヅキ シゲル)
1946年静岡県生まれ。76年東京綜合写真専門学校卒業。千葉県東金市在住。
写真展内容
作者は街中を歩き回ってスナップを撮っていたが、最近は直感的に共感できると感じた人に、その場で写真を撮らせてもらうようになった。
相手には「ただレンズをじっと見て欲しい」とお願いし、撮影中も無言でただお互い向き合っているだけだが、全力で相手を見ると相手も全力で見返してくれる。
初対面の人と無言で向き合うのでお互いに緊張するが、それでも余計な先入観が無く相手の視覚的な個性をストレートに感じることができるように思う。また、お互いに向き合っている短い時間、会話は無くても作者と被写体との間には連帯感のような不思議さが生まれてくる。凝視することで何かしらの発見があり、その度に感動してシャッターを切る。
写真を見返すと、無言の時間に被写体に浮かんだ表情には「何か」が写っているように見える。言葉の無いコミュニケーションを、表情が代行しているのだろうか。われわれが気付かずに遣り過ごしている表情の断片を、カメラは偶然切り取ったのだろうか。
写真は人間のどんな感情を表しているのか。作者はその容易に分からない部分を見てもらい、何かを感じ取ってもらいたいと思っている。
作者のプロフィール
瀬頭 順平(セトウ ジュンペイ)
1978年埼玉県生まれ。2004年神戸学院大学薬学部卒業。12年大阪ビジュアルアーツ専門学校写真学科夜間部卒業。
写真展に、13年「西海岸」、14年「2013年度 コニカミノルタ フォト・プレミオ 年度賞受賞写真展」(以上コニカミノルタプラザ)などがある。