Nikon Imaging
Japan
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ニコンサロン bis 大阪 2015年1月

12/30 (火) ~1/4 (日)
年末年始休館

juna21 第16回三木淳賞受賞作品展
林 典子写真展

写真
キルギスの誘拐結婚
1/5 (月) ~1/14 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

中央アジアの小さな国キルギスでは、キルギス人の既婚女性の約4割が男に誘拐され、結婚させられているといわれている。キルギス語で「Ala Kachuu」(奪い去る)と言われ、女性たちの約85%は何時間、何日間もの抵抗の後に、結婚を受け入れる。
誘拐されると、女性たちは誘拐した男の家に連れていかれ、男の親族の女性たちに説得され続ける。さらにキルギスの村社会で敬われている高齢の女性たちにも説得される。一度男性の家に入ると、純潔ではないと見なされ、実家の家族に恥をさらしてしまうという理由で結婚を受け入れる女性たちが多い。
1994年に制定された法律によって誘拐結婚は禁止されているが、誘拐で結婚した女性たちの中には、もちろん幸せな夫婦生活を送る女性が多くいる一方で、離婚や自殺に追い込まれる女性たちもいる。
作者は2012年7月から11月までの4カ月間、キルギスの村々を訪れ、これまでに誘拐で結婚をした10代から80代の夫婦を撮影した。
本展では、誘拐直後から結婚式、新婚生活までの2週間を、生活をともにしながら撮影した大学生ディナラや、誘拐後に兄に救助され、実家に帰っていった20歳の学生ファリーダ、誘拐され、嫁いだばかりの若い女性などの写真を展示する。カラー30点。

授賞理由

報道写真というジャンルに長らく「古典」のイメージを抱いていたが、林氏の写真は、この手法の新しい可能性を感じさせるものであった。
「キルギスの誘拐結婚」には、遠い国の女性たちが直面する現状が写っている。写真を見るとき、撮影者がなぜその場所へ行き、その被写体を選んだのか、ということをいつも考えるが、作者の写真には、必然性のようなものが感じられた。
ここに写る女性たちが林氏に写真を撮らせてくれたのは、自分たちに起こっていることを、遠くのわたしたちに知らせたかったからではないだろうか、と感じ、その意味で、この写真群は作者と、被写体であるキルギスの女性たちと、鑑賞者であるわたしたちのどれが欠けても成り立たないという気持ちになった。
林氏の写真は、単なる写真にとどまらず、わたしたちを考えさせたり、未来への課題を話し合わせたりする広がりを持った、インタラクティブな「場」として機能している点が素晴らしい。

作者のプロフィール

写真

林 典子(ハヤシ ノリコ)
1983年生まれ。イギリスのフォト・エージェンシー、Panos Pictures所属。大学時代に西アフリカのガンビア共和国新聞社「The Point」紙で写真を撮り始める。「ニュースにならない人々の物語」を国内外で取材。2011年名取洋之助写真賞、12年DAYS国際フォトジャーナリズム大賞、13年フランス世界報道写真祭Visa Pour L’Image報道写真特集部門「Visa d’Or」金賞、14年NPPA全米報道写真家協会賞Best of Photojournalism 現代社会問題組写真部門1位、さがみはら写真新人奨励賞受賞。清里フォトアートミュージアム作品収蔵。ワシントンポスト紙、デア・シュピーゲル誌、ル・モンド紙、米ニューズウィーク、マリ・クレール誌(イギリス版)、DAYS JAPAN、ナショナル ジオグラフィック日本版など国内外のメディアで発表。
主な写真展に、09年「リベリア内戦の爪あとに生きる」(シリウス フォトギャラリー)、11年「硫酸に焼かれた人生 パキスタンの女性たち」(新宿ニコンサロン)、14年「Unholy Matrimony」(日本外国特派員協会)などがあり、著書に「フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳 いま、この世界の片隅で」(岩波新書)、写真集「キルギスの誘拐結婚」(日経ナショナル ジオグラフィック社)などがある。

juna21 三木淳賞奨励賞受賞作品展
山野 雄樹写真展

写真
降灰の島
1/15 (木) ~1/21 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

爆発音とともに巨大なキノコ雲のような噴煙が上がり、噴石が弧を描きながら落ちるのが見える。灰色の雲が空を覆い、集落に火山灰が降り始める。視界がぼやけていき、景色は灰色に塗り変わっていく。
鹿児島県では、テレビやラジオなどの天気予報で桜島上空の風向きを報道し、県民は毎日風向きを確認する。
鹿児島生まれの作者にとって、小さいころから桜島はそこにある風景の一部である。
桜島は鹿児島県の錦江湾(鹿児島湾)の中心にある周囲55㎞の火山島で、活発な火山活動を続けているが、島には約5,000人が暮らしている。火口から4㎞の距離には集落が存在し、1914年(大正3年)と1946年(昭和21年)に大きな噴火が起き、集落は大打撃を受けた。畑や集落は埋没し、島民は避難や移住を余儀なくされた。大正の大噴火では、噴出した溶岩で大隅半島と繋がることとなった。
相次ぐ噴火に見舞われながら、島を追われた人々は幾度となく島に戻り、暮らしを立て直す。今でも噴煙活動は続き、農作物は毎年降灰や火山ガスにより大きな被害を受け、雨の日には水なし川に土石流が流れる。噴石が集落にいつ落ちてくるか分からない中で、それでも生きる人々の故郷への執着心に作者は興味をもった。
年数百回の噴火を数える山の裾野で、火山とともに生きる人々を追った作品である。カラー約50点。

授賞理由

桜島という、厳しい自然の膝元で暮らす人たちを写した「降灰の島」からは、集落の人のリラックスした様子に、自分も同じ山を見て育ったという山野氏との関係性が見て取れる、とても気持ちのよい写真である。集落の人たちは、おそらく噴火のために幾度も大変な思いをしていると思われるが、皆、とても幸せそうだ。そういった暮らしの存在が、この写真を見る人びとを勇気づける点が、「降灰の島」の魅力である。ただ、幸せな様子が強調されることで、鑑賞者が「大変でも幸せなら良かったね」という感想を抱いて終わってしまうのではない、もう一歩踏み込んだ冷静な観察眼のようなものがあってもよかったかもしれない、と思う。その点を今後に期待する。

作者のプロフィール

写真

山野 雄樹(ヤマノ ユウキ)
1988年鹿児島県生まれ。2012年「工場の少女達」で第7回名取洋之助写真賞奨励賞受賞。
写真展に、09年「十五夜」、10年「COSMO」(以上 ME Photo Gallery/福岡)、12年「工場の少女達」(富士フィルムフォトサロン/東京・大阪、福島市民ギャラリーにて受賞作品展)などがある。

関西スポーツ紙写真部長会展

写真
関西スポーツ紙カメラマン写真展
1/22 (木) ~1/28 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

今回の写真展に集まった写真は、関西スポーツ紙写真部長会加盟社(スポーツニッポン、日刊スポーツ、デイリースポーツ、サンケイスポーツ、報知新聞、共同通信、中日スポーツ、大阪スポーツ)のカメラマンが、2013年12月から2014年12月までの間に撮影した力作である。
内容は、プロ野球、アマチュアスポーツ、芸能、社会など、各社のカメラマンがレンズを通して見た写真の素晴らしさや撮影技術の向上を主眼に選考した作品で、この1年間をふり返ることができる。

関西スポーツ紙写真部長会のプロフィール

1977年、在阪スポーツ紙(日刊スポーツ、報知新聞、スポーツニッポン、サンケイスポーツ、デイリースポーツ)の5社の写真部長により“関西スポーツ紙写真部長会”が発足。81年には共同通信、中日スポーツの2社が参加、95年度には大阪スポーツ新聞社が参加、以後8社の写真部長が例会や年間最優秀賞選考会、総会を今日まで行ってきた。年間の最優秀賞選考などの表彰は総会で行われており、今回のような写真展は24回目である。

写真
日本写真映像専門学校卒業制作選抜展
1/29 (木) ~2/4 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

日本写真映像専門学校、2014年度卒業生による卒業作品選抜展である。
写真を中心とする生活を始めて2年という月日が経ち、これからもその生活は続いていくのだろうが、ひとまず学生生活を終える区切りとなり、また新たな写真生活が始まる起点となる作品を展示する。

団体のプロフィール

<日本写真映像専門学校>
Webサイト http://www.shasen.ac.jp
卒業生に鋤田正義・長島義明・梅 佳代・浅田政志などがいる。

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