沈 輝写真展
-
-
棚田の民
-
7/30 (水)
~8/12 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
休館:8/9(土)・10(日)
写真展内容
加車村は中国貴州省の南端に位置する人口1500人ほどの苗族の集落で、从(従)江県加榜郷の中心である。村を取り巻く標高1000メートル級の山腹は見渡す限り棚田で覆われ、その景色の美しさで近年観光地として脚光を浴びるようになったが、自然条件は非常に厳しく、多少機械化されたとはいえ、農作業は過酷である。しかし、それゆえ中国における最も保存状態のよい伝統的な農耕文化を保った場所の一つでもある。
作者は、この村を2011年秋に初めて訪れたが、10回の滞在を通して、その景色とともに、自然と共生して、棚田に生きる人々に強く惹きつけられた。
展示するのは、春の田植、秋の収穫と祭り、寮が併設された小学校等、この辺境の村人の生活と表情を追った作品である。
改革開放以来、村にも様々な変化が起こった。作者は、保たれていた農耕文化の行く末を今後も見守ろうとしている。モノクロ86点。
作者のプロフィール
沈 輝(シェン フォイ)
1958年上海生まれ。上海音楽学院作曲科卒業。92年東海大学、国立音楽大学に留学のため来日。中国の少数民族をテーマに写真、映像、音楽を制作するフリーカメラマン。JPS、視点等に出品。日本リアリズム写真集団会員。東京都東村山市在住。
菊地 一郎写真展
-
-
標景 II
-
8/13 (水)
~8/26 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作者はこの20年近く北海道から沖縄までの日本全国を旅してきた。その道中の車窓では被写体探しのアンテナを張り、気になる“モノ”を撮り続けた。
改めてその採集したコレクションを見ると、いかに風景の中には周りと調和せず、違和感のある人工物が存在するという事実に気付いた。そして点、線、形、色、記号などがフレームの中でせめぎ合い、その“モノ”が一番魅力的に見えるところで作画したものが本展である。いわゆる「人間の痕跡=しるし」で、標された風景というものである。カラー40点。
作者のプロフィール
菊地 一郎(キクチ イチロウ)
1971年生まれ。93年大阪芸術大学写真学科卒業。95年同大学研究生修了。98年同大学非常勤副手終了。以後フリーカメラマンとして活動中。
主な写真展に、97年「私的空間」(新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、2005年「記号景」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、07年「偽景」(新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、12年「標景」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)があり、写真集に、『memory holes』(ピエ・ブックス/02年刊)、『偽景』(冬青社/07年刊)などがある。
石川 博雄写真展
-
-
風景の消息
-
8/27 (水)
~9/9 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
日々の暮らしのなかで、気になる風景や光景を目にすることがある。それは、他の人には何でもない風景だが、作者には気になるのだ。そして、その風景は次々と姿を消して、新しい風景へと変わってゆく。
セネガルの環境学者ババ・ティオウム氏がこんなことを言っている。
「結局 私たちは愛着のあるものだけを大切にし、理解し得るものだけに愛着を感じ、教えられたことだけを理解する」
私たちは見慣れた風景には愛着をもてないのだろうか。
今は存在しない風景の消息を、本展の作品に尋ねてほしい。モノクロ61点(予定)。
作者のプロフィール
石川 博雄(イシカワ ヒロオ)
1951年愛知県生まれ。2003年「静かな時への誘惑」で第12回林忠彦賞受賞(山口県周南市)。
主な写真展に、99年「木花物語・あなたと暮らした街」(銀座ニコンサロン)、01年「木花物語・風と出会った時」、02年「静かな時への誘惑」(以上、新宿コニカプラザ)、04年「月をマツモノタチヨ」(コニカミノルタプラザ)、06年「花に咲いている時間」(銀座ニコンサロン)、09年「手のなかの詩」(コニカミノルタプラザ)、10年「旅の途中」(ギャラリー蒼穹舎)などがある。