浅井 寛司写真展
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標高4000Mの祈り
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4/29 (火)
~5/5 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
“チベット”という響きを聞くと、何処を思い浮かべるだろうか。多くの場合は“チベット自治区”という中華人民共和国の一部を思い浮かべるだろう。だがもしかすると、チベットという一つの独立国家を想像する人もいるかもしれない。
しかしながら、現在においてチベットという国家は存在しないにも関わらず、その広大な文化圏は幾国もの国境を跨ぎながら、チベット仏教という国家を超えた超共同体を形成している。
今日の日本において希薄になってしまった信仰心、尊い祈りは、国家という歪な境界を無意義なものとさせる。
すぐこの手に届きそうな空の下、ひたむきに祈りを捧げる彼らは穏やかに、そして凛とした強さを垣間見せる。彼らがそうするように、祈りのその先に目を向けた。チベットの空は広大である。カラー35点。
作者のプロフィール
浅井 寛司(アサイ ヒロシ)
1984年三重県生まれ。大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業後、東京のビデオゲーム制作会社にてビジュアルアーティストとしてデザイン業務を担当。会社業務の傍ら、国内外問わず、魅力ある風景や人々の営みを求めて撮影の旅に出ている。
第20回酒田市土門拳文化賞受賞作品展
山本 眞弓写真展
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風の民
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5/6 (火)
~5/19 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
地球誕生以来吹く風は、45億年の時を経て「人」を生み出した。この小さな惑星のそのまた小さな国、それが、フィリピンである。
フィリピンという国は、大小合わせて7107もの島々から構成されている。その中の一番大きな島がルソン島である。
そのルソン島の首都マニラには、生きるために職を求め、地方から流れ出てきた人々がたくさんいる。彼らは、心ならずも道端やレールロード、河川敷などの不法な場所に住居を構え、想像を絶する極貧のなかで生活しているのだ。また、都市計画のもとにその住居も追われ、新しい不法地帯へと移らざるをえない者もいる。
そんな状況の中、彼らは深い信仰のもとに神を信じ、救いを求めることで心の平安を保っている。そして、微笑みの心で明るく逞しく、助け合って生きている。
時には台風となって、人々を容赦なく痛めつける「風」だが、その「風」は、来世と現世の魂を運び、人の心と心を結ぶ懸け橋となる。そして、命を生み、育み、明日への希望を包み込んで、この島の人々を優しく見守っている。モノクロ作品。
選考委員講評
土門先生の名作「筑豊のこどもたち」は、2週間の取材で貧困にあえぐ炭鉱労働者の生活をカメラに収めた一冊である。
組写真の面白さは何年に亘って撮影したとか、何千枚も写した、ということは関係ない。「風の民」を写した山本氏もフィリピンの首都マニラでの取材は5回ほど行っているが、延べ1ヶ月半ぐらいのものである。
リアリズム写真はモチーフの発見がすべてである。レールロード、河川敷など不法地帯に暮らし、雑草のように「生きて行く」人々の生活ぶりが写真から伝わってくる。移動式バラック住宅を画面に取り入れるためにワイドレンズを多用した画面構成、住んでいる住居と人や小動物などの捉え方も鋭い。モノクロ写真でローキー調のプリント仕上げも成功している。
宮本武蔵の兵法「五輪書」水の巻に「観見二つの事。観の目つよく、見の目よわく」という言葉がある。観の目とは心の目の事で、山本氏の写真からは研ぎ澄まされた心の目を見ることができる。(藤森 武)
作者のプロフィール
山本 眞弓(ヤマモト マユミ)
1940年京都府舞鶴市生まれ。99年写塾AIMにて有野永霧氏に師事。2009年ニッコールフォトコンテスト・モノクロの部においてニッコール大賞受賞。ニッコールクラブ阪神支部会員。
写真展に、05年「風のなかへ」、11年「風の化石」(以上、新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン)などがある。
土門拳文化賞奨励賞
第20回土門拳文化賞奨励賞は下記の方々が受賞されました。
森島 輝雄氏(もりしま てるお) 「運河彷徨」
中村 明弘氏(なかむら あきひろ) 「風光るとき」
内山真衣子氏(うちやま まいこ) 「北京ロマンチカ」
山下 隆博写真展
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心の温度
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5/20 (火)
~5/26 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
北海道後志(しりべし)地方。ここには原子力発電施設を3基抱える泊発電所がある。そしてここは、作者の生まれ故郷でもある。
この場所で起きていることは別の場所で起きていることとさして変わらないだろうと思うが、原発のある場所として認識されたとき、人々は様々なことを思うことだろう。
2011年3月以降、人々の原発に対する認識は大きく変わったはずだ。反対や賛成ということだけでなく、意識していなかった人たちに、意識を向けさせたということでは福島第一原発事故は大きな切っ掛けとなったことは明白である。
しかし、作者は自分が以前から抱いていた立地地域に住んでいる人たちの考えと、それ以外の、とくに都市部に住んでいる人たちの間にある温度差のようなものは、一層強くなってきたように思うという。カラー約30点。
作者のプロフィール
山下 隆博(ヤマシタ タカヒロ)
1984年北海道生まれ。2005年日本写真芸術専門学校Ⅱ部卒業。
写真展(個展)に、07年「多摩川の陽々」(コニカミノルタプラザ/東京)、09年「この流れの彼方―多摩川―」(トーテムポールギャラリー/東京)、10年「Suicide Spiral ―tears and birds twittering―」(Juna21新宿ニコンサロン、大阪ニコンサロン)、11年「奇跡の傍らで眠る」(810ギャラリー/大阪)、12年「わすれて・わすれないで」(TAPギャラリー/東京)、「多摩川をなぞる」(Place M/東京)、13年「UMIYAMAYUKINO」(キチジョウジギャラリー/東京)があり、グループ展に11年「第4回写真1_WALL展」(ガーディアン・ガーデン/東京)、13年「Madurai Photography Festival 2013」(マドゥライ/インド)、14年「xishuangbanna Foto Festival 2014」(西双版納(シーサンパナ)/中国)などがある。
東京写真月間2014
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アジアの写真家たち 2014 ミャンマー
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5/27 (火)
~6/9 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
ミャンマー連邦共和国は、インドシナ半島西部に位置する共和制国家である。1980年に軍事政権が誕生すると、89年に国名をそれまでのビルマからミャンマーに変更したが、日本人にとって同国は古くからビルマの国名で親しまれてきた。2008年に文民政権発足以来、社会体制がそれ以前と比べて民主化が急速に進み、経済、文化全般に世界から注目を集めている。
ミャンマーの文化、芸術は古くから国境を接する中国やインドの影響を受け、同国には独自の文化、芸術が花開いた。日本人にとっては、同国の政治事情の影響で、長い間未知の部分が多くあった。
本展では、Kaung Htet 氏を始め、ミャンマーで活躍する新進若手の写真家により、個性的に捉えられた同国の人々の日常の暮らしや風俗文化を紹介する。
ミャンマーの人々のバイタリティに満ちた暮らしぶりが社会体制の変化に関係なく捉えられており、2011年の民主化以降、さらに人々のヒューマンパワーが増加していることが実感できる。
今回の写真展を通じて、日本・ミャンマー両国のさらなる相互理解と相互交流が進展することを期待している。モノクロ・カラー約35点。