藤岡 亜弥写真展
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Life Studies
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3/27 (木)
~4/2 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作者は文化庁海外派遣留学生として2008年から1年間ニューヨークを拠点に創作活動を始めた。その後さらに3年間ニューヨークに滞在し写真制作に励んだ。その4年間の成果が本展である。
作者のニューヨークでの表現活動は、必ずしもスムーズにスタートしたわけではなかった。経済的不安定や人間関係のストレス、もつれる愛など、生活のペースを獲得することすら困難な状況に陥ることもあった。
文化庁派遣留学生としての1年は、ニューヨークに順応する為の時間に費やすことになったと振りかえる。そしてようやくカメラを手にした。対象は虚言癖のあるボーイフレンド、マリファナ中毒の隣人、ルーズでナルシストなルームメイトなど。そして街頭の人々のスナップショットに集中してゆく。
しかし作者は、表現の対象は写している他者でなく自分自身であることに気づく。
被写体としてよく現れるのは、悲劇的にも見える子供たち、対照的に戯れる恋人たち、それらが交互に縄を編むように現れてくる構造は、悲嘆と願望との落差で翻弄された作者のニューヨークで体験した「Life Studies」である。
ニューヨークという大都市に渦巻く巨大なエネルギーの混沌。弱者と強者、軽さと重さ、その両極の間にのみ込まれ、膨張と収縮をくりかえしながら、写真を撮ることでようやく立ち上がってゆく作家の姿をここに見ることができる。カラー42点。
作者のプロフィール
藤岡 亜弥(フジオカ アヤ)
広島県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。1996年~98年台湾師範大学留学。08年文化庁海外派遣留学にて1年間ニューヨークに滞在。その後12年までニューヨークで活動。94年日本大学芸術学部芸術学会奨励賞、04年ビジュアルアーツフォトアワード、ひとつぼ展入選、10年日本写真協会新人賞受賞。広島を拠点に活動。
主な写真展(個展)に、96年「なみだ壺」(ガーディアン・ガーデン/東京)、「笑門来福」(WORKS H/横浜)、01年「さよならを教えて」、04年「離愁」(以上新宿ニコンサロン)、05年同展(ビジュアルアーツギャラリー/東京、大阪、名古屋、九州)、06年「私は眠らない」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、09年同展(スペースAKAAKA/東京)、10年「Life Studies」(Dexon gallery/New York)、11年「Life Studies」「アヤ子江古田気分」(スペースAKAAKA/東京)、12年「離愁」(スペースAKAAKA/東京・ギャラリーG/広島)があり、グループ展に、05年「離愁」(ひとつぼ展)、「マリクレール ホワイトキャンペーン 2005」、06年「中国平遥国際写真フェスティバル」、「フォトグラフィティ1980−2005」(新写真派協会 ポートレートギャラリー)、10年“飯沢耕太郎が注目する女性写真家”(RICOH リングキューブ)、日本写真協会受賞作品展(フジフォトギャラリー)などがある。また、出版物に、『「シャッター&ラブ」16人の若手女性写真家』(インファス出版/96年刊)、『さよならを教えて』(ビジュアルアーツ出版/04年刊)、『私は眠らない』(赤々舎/09年刊)などがある。
金川 晋吾写真展
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home for the aged
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4/3 (木)
~4/9 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
この老人ホームでは、「アーティスト」と呼ばれるような人たちを招聘し、入居者に向けてワークショップをおこなうという試みが続けられていて、作者も2012年の秋に「アーティスト」としてここに呼ばれた。
老人ホームという場所でどのようなことをするべきか考えたが、結局ワークショップなどはおこなわず、ここで暮らす人たちの写真を撮らせてもらうことにした。
撮った写真を被写体になった人たちに差し上げ、また、それらの写真をこの老人ホーム内で展示し、その後、この場所とはまったく関係のない人々が見に来るような場所でも展示しようと思った。この老人ホームという場所では、写真に関係するもろもろが、他の場所とはちがった働きをもつのではないかと思ったのだ。
写真の被写体になることを受け入れ、作品として発表することを快く承諾してくださった方々の存在によって、この作品は成り立っている。カラー22点。
※本展は第12回(2010年度)三木淳賞受賞の権利によって開催されるものである。(三木淳賞受賞者は、受賞展開催後2年以内に新作による写真展をニコンサロンで開催する権利を有する)
作者のプロフィール
金川 晋吾(カナガワ シンゴ)
1981年京都府生まれ。神戸大学卒業。第26回、第28回写真「ひとつぼ」展入選。第12回三木淳賞受賞。現在東京藝術大学大学院博士課程在籍。
Jui 写真展
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Catching the Bird
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4/10 (木)
~4/16 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
「像」は想像を超えてやってくる。
無修正無加工、ダイレクトに写したツツジの花が、鳥の姿、人の姿、獣の姿に見えてくる不思議な世界。リアルと幻想の境界で、たとえ何かが見えたとしても、それが本当は何であるのかは、けっしてほとんど分からない。分からないことを分からないままで、ただただ顕われたイメージ像を見つめる。
めくるめく「草迷宮」の唸り声を澄まし、身を委ねる。写されたことによって、自然は今何を語り出しているのか、どう応答すればよいのか……。もしかして、この静かなる対話こそが、失われた「アウラ」に再び近づける通路ではないのか。
僕らは つつじ 続き咲き木 ありふれた街路沿いで 終わらない日常の中に
僕らは イリュージョン 束の間の交感 あなたにしか見えない ほんとうのリアル
僕らは 水中花 ユラユラ ゆらゆら 連続された眠りの海で 集合無意識の底に
南無南無 南無南無 草木国土悉皆成仏
モノクロ20点。
作者のプロフィール
Jui
1970年中国杭州市生まれ。95年来日(後に日本国籍取得)。東京綜合写真専門学校研究科卒業。
角田 奈々写真展
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苦いマンゴー ~ベトナムの地に触れて~
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4/17 (木)
~4/23 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
両親の離婚をきっかけに、母親と住んでいた作者は、母親やいろいろなものから距離をおきたくて、2010年2週間ベトナムに旅をした。
ベトナムに興味を持ったのは、福岡に住んでいたことから、自分の中で、距離として近い国は韓国、中国、次にベトナムだったからだ。また、日本とは社会制度がちがう社会主義共和国というのはどういうところで、面積も日本とあまり変わらない、さまざまな歴史を持つベトナムという国はどんなところだろうと疑問をもったのがベトナム行きのきっかけだった。
当時は学生だったが、社会人になっても、その時行って感じたベトナムの独特の雰囲気を忘れられず、仕事を辞め、2012年にもう一度ベトナムに向かい2ヶ月間滞在し、2013年には1ヶ月間撮影を行った。
当初の抱いた疑問はなかなか表面的にはわかりづらかったが、日々そこに暮らしている人や風景を撮ることで、作者は一瞬だけその地に触れることができるのではないかという思いで撮影をした作品である。カラー約40点。
作者のプロフィール
角田 奈々(カクダ ナナ)
1986年福岡県生まれ。九州産業大学大学院芸術研究科写真専攻前期博士課程修了。
主な写真展(個展)に、2008年11月「狭間」(アジアフォトグラファーズギャラリー/福岡)、09年1月「母 57歳」(新宿ニコンサロンJuna21)、3月「狭間」、9月同展、10年4月「地」(以上、アジアフォトグラファーズギャラリー/福岡)、5月「母 57歳」(大阪ニコンサロンJuna21)、9月同展(アジアフォトグラファーズギャラリー/福岡)があり、グループ展に、09年AQAプロジェクトによるアジア現代美術展「ただいま」、10年「手と眼のディスクール」(以上、ギャラリーアートリエ/福岡)などがある。
武山 友子写真展
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甘い憂鬱
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4/24 (木)
~4/30 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
午後の夕立、明け方の青、旅先の部屋、……
写真に写ったのは私自身なのだと思う。
どこか孤独を感じている。
だけど、誰も私の孤独を知らない。
カラー30点(予定)。
作者のプロフィール
武山 友子(タケヤマ ユウコ)
1978年生まれ。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。
写真展(個展)に、2004年「輪舞曲」、09年「星をよむように」(以上、Place M/東京・新宿)、12年「甘い憂鬱」(ギャラリー創/札幌)があり、主なグループ展に05年「J’en rêve」(カルティエ現代美術館/パリ)、08年「滲‐shin‐」(ギャラリー法邑/札幌)などがあり、作品はカルティエ現代美術館、清里フォトアートミュージアムにコレクションされている。