大阪府高等学校芸術文化連盟写真部会
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第34回大阪府高等学校芸術文化祭写真部門 優秀作品展
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3/27 (木)
~4/2 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
大阪府高等学校芸術文化連盟(略称:芸文連)写真部会は、毎年、その年の活動の総決算として芸術文化祭(芸文祭)を開催している。
今年度は、2月1日(土)~2日(日)に開催された第34回大阪府高等学校芸術文化祭写真部門に出品された300点以上の作品の中から、審査員の織作峰子氏(大阪芸術大学写真学科長)によって選出された選りすぐりの作品を展示する。
作品は、生徒たちがこの1年、自分のもてる写真技術と熱い思いを込めて全力で撮ったもので、自然や社会生活にかかわるなかで、何に対して興味・関心があるのか、1枚1枚の写真がよく語っており、彼らの「現在」を尖鋭に表している。
田坂 恵子・石津 武史 二人展
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時の流れ
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4/3 (木)
~4/9 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
新世界は大阪市南部に位置する繁華街で、かつては隣街、釜ヶ崎からの日雇い労働者であふれ、立ち飲み屋、大衆演劇、ストリップ劇場等が建ち並び、近寄りがたいものの、活気のある街であった。近年は景気の低迷と土建業の機械化により、めっきり労働者が少なくなった。そして、今では海外からの観光客や国内の若者が遠方から来て、通天閣を見上げながら名物の串かつを食べ、近くにある動物園帰りの親子も、子供連れで立ち寄り、たこ焼きを食べながらビリケン(※)に愛想するなど、明るい雰囲気に変わってきている。
まだまだ立ち飲み屋や芝居小屋、ポルノ映画館も残っていて、今は人も店も新旧混在した独特の繁華街を形成しているが、この街に一歩足を踏み入れると、コテコテで気さくな雰囲気にのまれ、開放感に包まれる不思議な街だ。
展示する作品は、この変わりゆく新世界に大阪生まれの作者が目を向け、記憶に留めたい姿を撮影したものである。カラー30点・モノクロ30点。
※ビリケン:とんがった頭とつり上がった目が特徴の子どもの姿をした幸運の神の像。通天閣にある二代目ビリケンは、新世界で「ビリケンさん」の愛称で親しまれている。
作者のプロフィール
田坂 恵子(タサカ ケイコ):
「アサヒカメラ」誌年度賞2位入賞、ニッコールフォトコンテスト準特選入賞、毎日フォトコンテスト優秀賞受賞。
石津 武史(イシヅ タケシ):
酒田市土門拳文化賞奨励賞、ニッコールフォトコンテストにおいて長岡賞・ニッコール大賞、JPS日本写真作家協会奨励賞を受賞。読売写真大賞1席2回、毎日写真コンテスト日報連賞2回、サロン・ド・ニッコール年度賞1位入賞。
石田 榮写真展
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明日への希望を求めて働く ―半世紀前の証―
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4/10 (木)
~4/16 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作品は、半世紀前、昭和30年前後を生きぬいた、高知県で働く人々の記録である。
現在は大きく近代化し、もはや当時のおもかげを見ることはできないが、風景や服装などはずいぶんと昔にタイムスリップしたような光景で、あまりにも大きな変化に驚かされる。同時に、当時の人々の「先進国のような生活をした」という夢と希望をもって働く姿に力強さを感じる。
当時は食べるために働いたが、その苦労が神武景気につながり、岩戸景気を経て所得倍増へと発展した。そして戦後68年を経た今日では、市場には物があふれ、生活は豊かになったが、反社会的現象は多様化し、多発している。
作者は、このような時代にあってこそ、重労働に耐えた人たちを思い出し、本展がよりよい社会を築くための糧にならんことを願っている。モノクロ39点。
作者のプロフィール
石田 榮(イシダ サカエ)
1926年香川県丸亀市生まれ。43年海軍整備兵として佐世保第二海兵団(相浦)に入団、45年5月海軍特別攻撃隊菊水隊白菊隊に配属、終戦を迎える。47年農業機械製造会社に就職し、27年間勤務。その後大阪商工会議所経営指導員を経て経営コンサルタント事務所を開設、経営コンサルタント業務を71歳まで行う。
写真は、50年に海外引揚者から徳国製カメラ(セミイコンタ)を譲り受け、始める。高知県展写真部門審査員の高名な写真家の講演を聞き、農山漁村で働く人々の記録を撮り始めるきっかけとなる。
写真展に、2006年「周山街道「北山を往く」」(ナニワフォトギャラリー)、12年「明日への希望を求めて ―半世紀前の証―」(ニコンサロンbis大阪)がある。
岡本 健太写真展
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virtual colony
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4/17 (木)
~4/23 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
2012年から約一年かけて、作者は日本各地の住宅地を撮影した。撮影は北海道、関東、関西、沖縄の異なる文化と風土を持つ地域で行った。そしてその写真群を並べてみると、撮影を行った場所の違いが薄れ、まるで連続したひとつの住宅地風景のように見えてくる。
しかし、個々の写真を比較すると、それぞれが多様な差異を持っていることが確認できる。この多様な差異とは、例えば空の青さや庭の植物の様子など、撮影した季節によって異なる要素や、各家庭によって異なる生活感などのことである。さらに個々の写真の切り取り方や仕上げ方、隣り合う写真の組み合わせ方などのように、写真自体によって生じる差異も見えてくる。要するにこれらの差異は、一年間日本各地を撮影した作者自身の経験や身体性とは異なる場のリアリティーを再構築する。
写真のもつ位置情報を平均化することで強調された写真群全体のヴァーチャルな感覚、そしてヴァーチャルな空間を構成する一連の写真の差異から生じる、一枚の写真がもつ力強いリアリティーを体験してほしいと願っている。カラー45点。
作者のプロフィール
岡本 健太(オカモト ケンタ)
1989年京都府生まれ。2012年神戸大学工学部建築学科卒業。同年武蔵野美術大学大学院入学。現在同大学院に在籍中。
13年6月よりプロジェクトサイト「HOUSING ISLANDS(www.housingislands.com)」を開始。
神崎 仁写真展
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Our Street View
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4/24 (木)
~4/30 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作品は、車椅子の後部(肩の後ろ)に取り付けたデジタルカメラをリモコンで操作して撮影したものである。
車椅子で街を歩くとき、作者はあらゆる人・物を目にし、すれ違ってゆく。彼らの中で作者に視線を向ける人、向けぬ人が各々いて、そこには彼らそれぞれの状態があり、態度がある。作者のみならず、人は各々が持つ個を態度に出したり隠したり、目まぐるしく変化させながら街を歩いているという事に気づく。また、私たちは、常に何らかの属性を表にして、無意識に変化させつつ行動している。
その視点に立つ時、街は、目まぐるしく無意識に変化する表面化した個の対峙ではないかと作者は考えた。その状態を写真にしたいと考え、作品にしたのが本展である。自らの行動のログ(履歴)における、自分と自分以外の物事の対峙。その提供により閲覧者自身を、あるいは閲覧者から見た作者を発見できるのではないかと、作者は考えている。
カラー約95点(小約70点・大約25点)。
作者のプロフィール
神崎 仁(カンザキ ヒトシ)
1983年愛知県生まれ。生まれつきの障害で車椅子生活を送る傍ら、大学時代に独学で写真を開始。2012年より福居伸宏ワークショップを受講。
作者ホームページ http://h-kanzaki.net