秋田 淳之助遺作展
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原霊樹 奄美のガジュマル
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11/28 (木)
~12/4 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作者は美術展写真作品の審査のために奄美大島を訪れるようになり、どうしても気にかかっていたガジュマルの風景に出会った。
3年後、ブローニーカメラにて撮影を開始したが、どうしても表現し切れない。悩んだ末、8×10での撮影を決心し、足かけ3年がかりで奄美大島のガジュマルの樹に挑戦した。
数百年の樹齢をどう撮るか、又どう表現するか、作者は大いに苦しんだという。
実物には到底かなわないが、作者自身が感じたイメージを表現した作品である。
作者のプロフィール
秋田 淳之助(アキタ ジュンノスケ)
1938年愛知県尾張旭市出身。62年愛知学芸大学(現愛知教育大学)美術科(デザイン専攻)卒業。64年東京綜合写真専門学校卒業。68年スタジオGT設立、代表となる。70年より東京綜合写真専門学校講師(10年間)。71年より愛知教育大学講師(29年間)。89年より日本写真学園講師(3年間)。92年武蔵野美術大学講師。2003年より名古屋造形大学講師(6年間)。08年NHK文化センター講師。09年病没。87年第22回APA(日本広告写真家協会)展全国実行委員長。92年日本広告写真家協会理事・副会長就任。09年日本広告写真家協会功労賞・功労会員。日本写真家協会会員。
〈太陽〉〈光画シリーズ〉〈気になる風景〉〈夢遊〉〈花貌〉等、独特の切り口とデジタルフォトワーク等の表現で写真展をコダックフォトサロン、コニカフォトサロン、国際デザインセンター、セントラルギャラリー等で23回開催。09年オリンパスギャラリーで開催した夫人(秋田好恵)との2人展が生前最後の展覧会となる。昨年(12年)秋田淳之助・好恵2人展「燁焔」(みゆき画廊)開催。その他団体・グループ展多数参加出品。
桑原 史成写真展
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不知火海 The Minamata disease Disaster
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12/5 (木)
~12/11 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
写真展のタイトルから漁火や天草諸島の島影、夕陽など情緒的な風景写真を連想するかもしれないが、そのような内容ではない。
不知火海(八代海)の沿岸に居住する人口は、かつて約40万人といわれてきた。半世紀前から起きたメチル水銀による水俣病事件で、これまでに多くの住民が犠牲になった。現在までの認定患者は約3,000人(うち約2,000人が死亡)。それに公的に救済の対象となる未認定の患者が約6万人余とされている。
作者は1960年以来、断続的だが写真による記録を継続してきた。本展は、9月下旬に発刊した自らの写真集『水俣事件』(藤原書店)と、10月に事件の現地(熊本県)で締結される「水俣水銀条約」とに合わせて企画された写真展である。
作品は、近年撮影した写真群(全体の約30%)を冒頭に配置して、50年の過去にさかのぼる逆編年の手法で展示する。モノクロ約50点。
作者のプロフィール
桑原 史成(クワバラ シセイ)
1936年島根県生まれ。1960年東京農業大学、東京綜合写真専門学校卒業。フォトジャーナリスト。62年日本写真批評家協会新人賞、65年講談社写真賞、71年日本写真協会年度賞、82年伊奈信男賞、2006年フォトシティさがみはら賞を受賞。
主な仕事に、水俣、韓国、ベトナム、ロシアなどがあり、主な著書に『報道写真家』(岩波新書)、桑原史成写真全集(全4巻)(草の根出版会)などがある。97年、桑原史成写真美術館(島根県津和野町)開館。
甲斐 啓二郎写真展
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Shrove Tuesday
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12/12 (木)
~12/18 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
展示する作品は、何かを追いかけているのか、はたまた逃げているのか、それとも何かの暴動なのか、訳の分からない写真ばかりだ。しかし、真冬の川に飛び込んだり、泥を跳ねながらダッシュし、激しく衝突して痣まで作る、何かに突き動かされた男たちの荒々しい姿に、人間の業を見ることができる。
カラー約30点。
作者のプロフィール
甲斐 啓二郎(カイ ケイジロウ)
1974年福岡県生まれ。97年日本大学理工学部卒業。2002年東京綜合写真専門学校卒業。12年TOTEM POLE PHOTO GALLERY のメンバーとして活動を始める。
写真展に、07年「THE SURFACES」(LOTUS ROOT GALLERY)、09年「THE SURFACES 2」(TOTEM POLE PHOTO GALLERY)、11年「TOKYO STREAM」(ep SITE)、12年「TOKYO STREAM」、「Shrove Tuesday」、13年「Plain Pictures」(以上TOTEM POLE PHOTO GALLER)などがあり、写真集に、12年「TOKYO STREAM」(グリフォン書店・電子書籍)がある。
上本 ひとし写真展
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海域
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12/19 (木)
~12/28 (土)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
瀬戸内海、周防市徳山湾沖合にある大津島に、人間魚雷「回天」の基地跡と資料を展示した回天記念館がある。太平洋戦争末期、悪化した戦局を逆転させる願いを込めて発案命名された「回天」は、大型魚雷を人が操縦し、敵艦に体当たりする特攻兵器である。
作者がこの島を初めて訪れたのは二十代前半の、写真を始めた頃で、買ったばかりのカメラを肩に、少し気取った格好で題材探しに大津島に渡った。同年代の青年が祖国のため、愛する家族を守るため、自らの命を犠牲にして散っていった事実を目の前に、高度経済成長期(物欲時代)を育った自分の甘さが情けなく、逃げるようにこの島をあとにしたという。そして還暦を前にして、やっとこの島を再び訪れ、カメラを向ける気持ちになった。
基地は周防灘周辺の大津島、光、平生と大分湾大神にあり、出撃を果たすため猛訓練に勤しんだ訓練海域がある。大型魚雷を改造して作られた回天は、操舵が極めて難しく、訓練中の事故で多くの殉職者を出している。この海景はその訓練海域である。
とうてい当時の緊迫した精神状態を写真に表現することは出来ないが、海の色、島影は今も変わらずここにある。戦後七十年を迎える今、作者は当時の事実を少しでも次の世代に残したいと願っている。モノクロ40点。
作者のプロフィール
上本 ひとし(ウエモト ヒトシ)
1953年山口県下松市生まれ。75年頃より写真を始める。76年コンテスト中心に写真活動。81年から10年間写真活動休止。92年ニッコールフォトコンテストを中心に写真活動を再開。第40回同コンテスト入選。93年第41回同コンテストでニッコール大賞受賞。以降10年間、同コンテストで連続入選入賞。2000年第51回山口県芸術文化振興奨励賞。01年第49回ニッコールフォトコンテストでニッコール大賞、長岡賞受賞。この頃より作家活動に入る。06年第6回さがみはら新人奨励賞。現在靴店を経営しながら作家活動を行っている。
主な写真展に、02年「恐迷夢」、04年「都私夢」カプセルホテルから見た東京、05年「峠越え」2003.8.23~2005.2.28空景、07年「OIL2006」、10年「周防国景」(以上、銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロン)などがあり、写真集に『「峠越え」2003.8.23~2005.2.28空景』(日本カメラ社・05年刊)、『OIL2006』(冬青社・07年刊)があり、現在『海景』(蒼穹舎刊)を準備中である。