Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

新宿ニコンサロン 2013年11月

juna21 インベ カヲリ★写真展

写真
やっぱ月帰るわ、私。
10/29 (火) ~11/4 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

「近々、終わらせる予定なのでその前に写真を撮ってもらえませんか?」
と言われて、作者はカメラを持って会いに行った。すでに身辺整理された部屋には、処分予定の服や家具が積んである。
写真を撮るより先に、まず相手の話を聞く。最近起こったこと、今考えていること、昔の話。「へー、すごいね! 面白いね!」素直に相槌を打っていると、相手もどんどんノってくる。用意されたロープや練炭や製造中止になった入浴剤。「これ、どうやって使うの?」などと聞きながら、世間的とは違う、その子の持っている「普通」に視点を合わす。
顔を撮る。衣装を着せて、動きの指示を出し、もっと怒りにみちた目を!と要求したりする。表情を作ったからといって、それが演技であるとは思わない。彼女たちの心象風景は、作者にいったん取り込まれ再構築された世界だ。
「幸せになったら、カヲリちゃんは撮ってくれなくなるんでしょ?」と、ある日、誰かに言われた。そんなことはない。
社会へ適用するために擬態した姿を撮りたいわけではないから、自分の言葉で語ってくれる人に興味を持つだけだ。ふり幅のある情緒や、表現したいという自己愛は、女性の色気であると思う。人間とは、その人の持つエネルギーのことだから、顔や体を超えた先にある魂を写したいと作者は考えている。カラー約45点。

作者のプロフィール

インベ カヲリ★
1980年東京生まれ。写真家。女性のポートレートを10年以上、撮り続けている。2007年の初個展(新宿ニコンサロンJuna21)で三木淳賞奨励賞受賞(08年)。その後ロサンゼルス、バルセロナ、香港などでグループ展を行い、12~13年にかけてミラノで5ヶ月間の個展を開催。今年6月、パリのフリーマガジン「TEiCAM BOOKS」にて特集号が組まれる。10月に写真集『やっぱ月帰るわ、私。』(赤々舎刊)出版予定。

ANAT PARNASS 写真展

写真
夜気 : Stillness of Night
11/5 (火) ~11/18 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

夜気とは、夜(Ya)=‘evening’もしくは‘night’と、気(Ki)=‘air’もしくは‘atmosphere’という二つの漢字から成り立っている。この夜気を英語に訳すと“Night Air”or“Night Atmosphere”となる。しかしながら辞書で別の訳語を調べると、“Stillness of Night”(静かな夜)という言葉が見つかる。
夜気という洗練された言葉に夢中になって夜の光に導かれた作者は、現実と幻想が入り混じって、時に超現実的な世界を作り出す日没後の時間に写真を撮り始めた。
今回は2006年から今日まで撮った作品40点を展示する。写真は、主に東京とその周辺の様々な場所、様々な時に撮ったものである。いくつかの写真は、初めて訪れた場所であったり、人だったりする。また、いくつかの写真は、プライベートな状況の写真だったりする。
本展を通して作者は、「夜」と切っても切れない関係にある特別な光の傍らにある独特の「気」を表わそうとしている。カラー40点。

作者のプロフィール

ANAT PARNASS(アナト・パルナス)
1974年テルアビブ(イスラエル)生まれ。96~2000年テルアビブ大学でジャパン・スタディーズについて学ぶ。00~04年テルアビブ カメラ・オブスクラ アートスクールで写真を学びながらHAARETZ新聞社で働く。06~13年日本大学芸術学部で国費外国人留学制度の研究生として学ぶ。13年同大同学部にて博士号(日本における現代女性写真についての研究)を取得し卒業。
主な写真展に、08年グループ展に参加、09年「HANABI」(以上、FOIL ギャラリー)、10年「Holgaで新宿」(Stork ギャラリー)、11年「Far Away From (Here)」(FOIL ギャラリー)などがある。

juna21 寺崎 珠真写真展

写真
Rheological Landscapes
11/19 (火) ~11/25 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

神奈川県にある宮ヶ瀬ダム建設によってできた湖とその周辺を、約2年にわたって撮影した作品である。
ダム自体は本来の機能を果たす一方、周辺地域を含めて整備がなされ、都心にほど近いこの場所は観光地として有名でもある。
しかし作者は、この場所に立ったとき、そのような中心的なものではなく、風景の細部や構成要素に魅かれた。
タイトル中の「Rheology」とはギリシャ語「Panta rhei(万物は流転する)」からなる造語であり、「rheo-」は流れを意味している。
あらゆるものが各々の速さで絶えず変化を続けているとともに、一つの大きな流れの中にある。
カラー約23点。

作者のプロフィール

寺崎 珠真(テラサキ タマミ)
1991年神奈川県生まれ。2013年武蔵野美術大学映像学科卒業。13年第8回「1_WALL」審査員奨励賞(増田玲選)受賞。

吉村 和敏写真展

写真
カスタム・ドクター ソロモン諸島の伝承医
11/26 (火) ~12/2 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

熱帯雨林の豊かな森と、美しいサンゴ礁に抱かれたソロモン諸島。各地に点在するいくつかの村には、カスタム・ドクターと呼ばれる伝承医がいる。彼らは先祖代々受け継がれてきた薬用植物に関する知識をもとに「薬」を作り、村人たちの病気を治し、ガン、マラリア、黄熱病、エイズなどの難病と闘い続けている。
カスタム・ドクターとは、民間療法の伝承医を指すが、彼らは先住民族の文化継承者でもある。しかし現代社会において、その存在は「隠れた存在」であった。作者は、時間をかけて彼らに寄り添い、その活動を記録することと、発表することを許された。
ソロモン諸島、なかでもガダルカナル島は、1942年、太平洋戦争の激戦地となり、日本とアメリカの、多くの兵士の血が流された。なかには祖父や父親をここで失った人もいるだろう。その悲惨な過去も今では生い茂る熱帯雨林の向こうに消え、訪ねてくる人もなく、祈りのような静かな時間だけが流れている。モノクロ約50点。

作者のプロフィール

吉村 和敏(ヨシムラ カズトシ)
1967年長野県松本市生まれ。長野県立田川高校卒業後、東京の印刷会社で働く。退社後、1年間のカナダ暮らしをきっかけに写真家としてデビューする。以後、東京を拠点に世界各国、国内各地を巡る旅を続けながら、意欲的な撮影活動を行っている。自ら決めたテーマを長い年月、丹念に取材し、作品集として発表。絵心ある構図で光や影や風を繊細に捉えた叙情的な風景作品、地元の人の息づかいや感情が伝わってくるような人物写真は人気が高く、定期的に全国各地で開催している個展には、多くのファンが足を運ぶ。近年は文章にも力を入れ、雑誌の連載やエッセイ集の出版など、表現の幅を広げている。今、その活動が最も注目されている写真家の一人である。
2003年カナダメディア賞大賞受賞。07年写真協会賞新人賞受賞。
主な写真集に、『プリンス・エドワード島』『「フランスの美しい村」全踏破の旅』(講談社)、『BLUE MOMENT』『MAGIC HOUR』(小学館)、『PASTORAL』(日本カメラ社)、『Shinshu』(信濃毎日新聞社)、『LIGHT ON EARTH』『RESPECT』(丸善出版)、『Sense of Japan』『CEMENT』『カスタム・ドクター』(ノストロ・ボスコ)などがある。

ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員