影山 芳正写真展
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私流ジパング
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10/1 (火)
~10/7 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
「時の狭間を駆け抜ける光と影の織りなす光景に邂逅するためのセンチメンタルな旅」それが『私流ジパング』である。
団塊の世代の作者が、建物スナップ写真を撮り始めたのは15年位前からである。
知らない街の初めての道を歩くのは楽しいものだ。時々心の琴線に触れる風景と遭遇する。その多くは時代を経た木造家屋や廃屋などだが、なぜか懐かしく、どこか寂寥としていて、垣間見るデジャヴの世界である。この感激を長く記憶し、広く共有しようとして撮影した。
作品はデジタル一眼レフで撮影したものだが、フィルムの時代には想像もできなかった多種多様な表現が可能となり、仕上がりはほとんど作者のイメージどおりになった。まさに写真のレボリューションである。カラー40点。
作者のプロフィール
影山 芳正(カゲヤマ ヨシマサ)
1948年栃木県足利市生まれ。群馬大学卒業。75年ニッコールクラブ入会。77年東京女性写真研究会参加。82年第30回ニッコールフォトコンテスト入選。84年第32回同コンテスト準特選。
芳賀 健二写真展
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風止みの街 -静寂の時-
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10/8 (火)
~10/14 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
音に溢れた街。動きと、ざわめきと、喧騒と、混沌の街。
作者はそんな中をふらふらと歩き回るのが好きだ。なぜなら、作者にとって街は、まさに写真のワンダーランド、玉手箱の感じがするからだ。
しかし、撮影した写真を見ていると、なぜか逆に時間が止まったような、静寂さが伝わってくる。無音、静寂は写真の中に確かに存在する。
ちょっと不思議な感じ、何か気持ちにひっかかる感じ、そんな作品49点と、間に4点のポエムを箸休めに組み合わせた写真展である。カラー49点。
作者のプロフィール
芳賀 健二(ハガ ケンジ)
1954年福島県生まれ。72年日本光学工業株式会社(現ニコン)入社。99年ニコンイメージングジャパン・ニコンカレッジ推進課勤務。ニコンカレッジのフォトコンサルタントとして、全国各地で写真講座を担当。四季の美しさに魅せられ、風景写真をメインに、スナップや草花など、多岐にわたって撮影を行なっている。日本写真作家協会(JPA)会員。
主な写真展に、97年「光の詩」(新宿ニコンサロン)、98年「冬が来る前に」(銀座富士フォトサロン)、2002年「牛久沼逍遥」、05年「通り過ぎた街」(以上ニコンサロンbis新宿)、08年「落花流水」(ニコンサロンbis新宿・ニコンサロンbis大阪)、09年「冬の旅」(六本木富士フォトサロン)、11年「季節は巡る」(ニコンサロンbis新宿・ニコンサロンbis大阪)、13年同展(仙台ニコンプラザ)などがあり、写真集に、『光の詩』(光村印刷・98年)、『北の出会い』(アドミックス・00年)、『あかね色の沼』(同・02年)、『冬の旅』(文化堂印刷・09年)などがある。
平野 直子写真展
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都会の顔
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10/15 (火)
~10/21 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
本展は、都会のストリートポートレートである。
休日の晴れた日、カメラを携えて街に出かけ、撮影に快く応じてくれた人たちである。数メートル離れた距離から、何のポーズもとらない単純な真正面からの写真で、縦や横の構図で何枚か撮る。最初の、突然の出来事に反応した顔は、説明すると安心したような表情になる。
一方、声をかけないで撮るとき、作者の潜在的な欲求を無視してカメラに画像を委ねる。すると作者の見た現実とは違った、新たな現実が写っている。
都会の街の建物、看板、工事中の塀、ショーウインドウ等の様子が写真の背景としてある。単に個人的な存在にとどまらず、この国の社会のあり様も、現実として写り込んでいる。
作者が声をかけ、カメラを向ける人は特別の人ではなく「普通」の人だ。この「普通」の人も、現代社会のうねりの中に生きているのだと作者は思う。
3.11の震災や原発事故の被害を被ったとは限らない「都会の顔」は紛れもなくこの国の顔であって、この国の流れの中にある顔だと思う。
今の時代の風を受け、常に変化の中で生きている「都会の顔」はどのような未来を心に描いているのだろうか。モノクロ45点。
作者のプロフィール
平野 直子(ヒラノ ナオコ)
東京都出身。1988年より都市風景のモノクロ写真を撮り続けている。ファインダー21、写団モノクロ所属。写真展に、2008年「風のゆくえ」(ニコンサロンbis新宿)のほか、モノクログループ展を多数開催。
和田喜博・マサ子 写真展
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コノ世ノハナ
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10/22 (火)
~10/28 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
「日常というものは……ひょっとしたら奇跡なのかもしれない。」
あの3.11の未曽有の大震災を経験した日本人なら、誰もが心に留めていることだろう。そんな思いで周囲を見回すと、決して美しいばかりではなく咲いている花も、もろもろの事象が一つに繋がっている風景も、「コノ世」という同じ時空の中にあることの不思議を感じずにはいられない。漫然と見過ごせば、今までと変わらない平凡な世界が広がっているだけかもしれないが、それらは、今この世にあることの存在の不確かさと危うさ、そして、それゆえのかけがえのなさを、ひたすらに呼びかけてくるのである。
そんな声に謙虚に耳を傾けつつも、花自体が紡ぎだす蠱(コ)惑(ワク)な世界のあり様に惹かれて、季節の移ろいの中で様々に変化する、日常の「ハナ」と「景物」の姿を表現した作品である。
モノクロ51点。
作者のプロフィール
和田 喜博(ワダ ヨシヒロ):1947年岐阜県生まれ
和田 マサ子(ワダ マサコ):1948年岐阜県生まれ
89年故林忠彦氏と夫婦で対談し、「写真する旅人」に記事掲載される。
主な写真展に、88年「月例入賞作品展」(アルファ・ギャラリー/岐阜県瑞浪市)、90年2人展「風写録」(ギャラリー・ムース/岐阜県関市)、91年2人展「獺祭・風写録」(銀座コンタックスサロン/東京)、92年同展(富士フォトサロン/名古屋)、2003年2人展「時の居場所」(ギャラリー・ムース/岐阜県関市)などがある。
長崎 健一写真展
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沖縄 宮古島~西原~ニヌハンマティダ
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10/29 (火)
~11/4 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
宮古島の北部に位置する池間島よりおおよそ140年前に分村してできた西原は、作者の故郷でもある。
宮古島は、昔から、古代から続く母性原理が色濃く残る祭祀の特有さから、民俗学者、芸術家、写真家など、さまざまな人間を魅きつけてきた。しかし、その母性原理が色濃く残る祭祀も、近年消えつつあるのが現状だ。
西原にも、ナナムイと呼ばれる祭祀組織が存在するが、近年ナナムイも存続の危機にある。それもこれも、明らかに世の中の暮らしの変化ゆえである。日常と密着してきた祭祀だからこそ、その意義を現代では見出すのが難しくなっているのが事実だ。
しかし、作者は故郷西原の祭祀をノスタルジーとして懐古追慕するのではなく、古代から綿々と受け継がれてきた世界観が現代の西原でどう根付いているのか、現代の中で祭祀とは、人が生きるとは、それらのことを考えて、自己の自我に落とし込むように向き合ってきた。西原には現代においても、日常と非日常が織りなす祭祀の本流を生み出す土壌が、人々のメンタリティーに備わっている。
西原の元島である池間島にあるニヌハンマティダの北極星神話。
変わっていくものと変わらないもの、現代の西原にむけて、この神話は何を語るのか。
モノクロ約30点。
作者のプロフィール
長崎 健一(ナガサキ ケンイチ)
1982年沖縄県宮古島生まれ。多摩美術大学芸術学科卒業。大学でおもに人類学を学ぶ。2008年より故郷宮古島西原の祭祀の撮影を開始。10年多摩美術大学芸術人類学研究所を拠点に、自然にたいする畏怖をコンセプトとした植樹活動をおこなう「くくのちのモリプロジェクト」を立ち上げる。現在、世界中からさまざまなアイデンティティが交差する場所(極真会館総本部)をテーマとした極真空手家のポートレート写真も撮影している。