ニッコールクラブ銀座支部写真展
-
-
築地場外市場
-
6/27 (木)
~7/3 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
築地市場は、江戸時代から続いてきた日本橋魚河岸などが大正12年の関東大震災での壊滅を機に、旧外人居留地であったこの地に移転したもので、大規模な競り市場を有する仲河岸、運河を隔てて場外市場と呼ばれる二つから成り立っている。その歴史ある築地市場に移転計画が持ち上がり大問題となった。
仲河岸の移転は決定したが、幸いなことに場外市場はこの地に残った。
ここ、通称「築地場外市場」は、鮮魚はもちろんのこと、食品業界の業者専門の商店も多く、乾物、珍味、練り物、魚を原料とした数多くの食品、肉、野菜のほか、調理道具、レストラン用品など、飲食店の必需品は総て揃ってしまう。これこそが築地場外市場である。
ところがここ数年で市場への客層が大きく変わってきた。一般主婦、国内外からの観光客の増加である。かつては業者相手に小さくひっそりと経営していた専業食堂や寿司屋などが、客層の変化で移転や閉店に追い込まれた。しかし最近では、その空いた店に新たな鮮魚食堂、寿司屋などの開店が相次ぎ、今やかつての魚河岸商店街をしのぐ活況を見せている。
守り続ける築地場外市場の営みと、押し寄せる観光客、そんな変貌しつつある築地場外市場の記録を展示する。カラー約60点。
グループのプロフィール
<ニッコールクラブ銀座支部>
1980年創設。82年に第1回写真展「銀座午前四時」(銀座ニコンサロン)を開催。90年に創立10周年を記念した「創立10周年記念展」(松島ギャラリー銀座)を開催後、2002年に第2回「お台場界隈」、05年第3回「ギンザ 銀座 GINZA」、08年第4回「有楽町界隈2001-2008」、10年「後ろ曼荼羅」(以上、ニコンサロンbis新宿)を開催している。
森田 三郎写真展
-
-
もう だれも来ない -あるレジャーランドの終息
-
7/4 (木)
~7/10 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
1989(平成元)年ごろ、鳥取市郊外の高原地帯に、新しいレジャーランドが生れた。回転展望台をはじめいろいろな遊具を備え、さらにプールや桜の園まで設けた、この地方にとって目新しく豪華なレジャーランドだったが、10年を経ずして閉鎖されてしまった。まさにバブル経済のさなかに生れ、バブル崩壊とともに消えた施設だった。
閉鎖後も、建物や遊具はそのまま野ざらしとなり、近在の悪童が訪れて遊び場にする以外、再び日の目を見ることはなかったが、作者があるとき通りかかって、門扉の内側に悄然とたたずむ遊具の姿を見たとき、大きいショックと興奮を覚えた。滅びの美というには生々しかった。
展示する作品は、代理管理者に低頭して仮許可(黙認)をもらい、1年間通いつめて撮影したものである。カラー41点。
作者のプロフィール
森田 三郎(モリタ サブロウ)
1933年鳥取市生まれ。55年ごろ写真に興味を持つ。71年読売新聞「読者のニュース写真」年度賞で「準日本一」受賞。副賞にニコンカメラをもらい、それを機縁にニッコールクラブ会員となる。89年ごろ地方紙の学芸担当記者に「コンテストに熱中せず、テーマ写真に力を入れなさい」とアドバイスを受け、以後個展を4回開催。合同展多数開催。
森本 富雄写真展
-
-
水都大阪、今!
-
7/11 (木)
~7/17 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
水の都、大阪は太閤さんの時代から、東西、南北に運河を築き、水路(運河)を利用して大量の物資が輸送され、川筋には商人が活気溢れる市場が繁盛した。
大阪の工業化が進むとともに、水路から陸路への高速化が進み、水都大阪の景色は急速な変化を求められた。
今、水と共に生活する市民は、河川敷を憩いの場や運動の場とし、また、水路を利用して産業が引き継がれている。
その様な水都大阪の「水」と「人びと」の共栄を表現した作品を展示する。モノクロ42点。
作者のプロフィール
森本 富雄(モリモト トミオ)
1944年大阪生まれ。70年大阪フォトグループABC入会。全日本写真連盟奈良県本部入会。72年ニッコールクラブ入会。
写真展に、80年「日記帳」(奈良県文化会館)、97年「飛鳥夢幻」(ミノルタフォトスペース)、2008年「私景飛鳥」(ニコンサロンbis大阪)、09年「遠つ飛鳥」(大阪府立近つ飛鳥博物館)などがある。
牧野 昭子写真展
-
-
記憶をたずねて
-
7/18 (木)
~7/24 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作者は都会を歩いていても、ふと気がつけば賑やかな街中を外れ、横道を曲がり、昔の面影の残る懐かしい町並みを求め歩いている。
その町角で出会う風景は、自分の記憶の懐かしい部分を思い出させたり、記憶の中に是非残しておきたいと心揺さぶる場面であったりする。そしてそこに残る家並みや、そこで暮らす人々の生活や思い、大切にされている雰囲気などを写し留めることにより、自分の記憶につなげたいと作者は考えた。
町を歩いていると、時代とともに急速に変化するそれらの風景や人々の思いが、近い将来消えてゆく寂しさを痛感する。作者はその寂寥感を込めながら、自分が歩んできた道を、自分の記憶の風景として表現したいと思って撮ってきた。
展示する作品は、戻れない時間を惜しむのではなく、未来に向けてのメッセージとして残したいものである。カラー40点。
作者のプロフィール
牧野 昭子(マキノ アキコ)
2004年写塾AIM入塾。有野永霧氏に師事。ニッコールクラブ会員。二科会大阪支部所属。関西女性フォトグループPRISM所属。
和田 悟志写真展
-
-
すべてそこにある
-
7/25 (木)
~7/31 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作者の地元は福島第一原発から約65キロメートル離れているのだが、高い放射線の線量が計測されており、いわゆるホットエリアが点在している。また、地震の被害も大きかった。
作者は東日本大震災・原発事故をきっかけに、自分自身の出自を強く意識するようになった。そして、“故郷がいつか失われるかもしれない”という寂寥感に駆られ、以前にも増して、しっかりと故郷と向き合って写真に収めようと努めた。
一方、震災以前より『vanishing』というこの世の無常観をイメージ化、つまり“永遠不変のものはない”という現実を示唆する風景写真のシリーズを制作中だった。それらは野焼きや火山、霧などがモチーフとなっているのだが、いつしか作者は、『vanishing』の作品群と故郷の景色とを重ねて見るようになっていた。今回展示するのは、故郷の写真と『vanishing』とを掛け合わせたものである。
とはいえ、この作品は大きな矛盾をはらんでいる。それは、地元で写真を撮り続けているうちに、『vanishing』の主題(現実)と作者の感情に乖離が生じてきたからだ。
作者は、地元の風景が以前から何ら変わることがない、という錯覚にとらわれるようになっていった。もちろん、実際には、あらゆる変化が起きているのだが…。これらの作品は、こうした作者の感情と現実とをすり合わせることにも意義がある。
このように考えると、あくまでも震災や原発事故は、今回の作品のきっかけに過ぎず、それよりも、無意識のうちに、時間の経過が作者に与えていた影響のほうが大きかった。
今回、1つの形にまとめはしたが、これは完結ではなく、これからも続けていく作品だという。「すべてそこにある」というタイトルの“すべて”には、作者自身の安堵感も不安感もがないまぜになっていて、相反する様々な要素をも含んでいる。カラー約30点。
作者のプロフィール
和田 悟志(ワダ サトシ)
1980年福島県生まれ。2003年早稲田大学第一文学部卒業。06年から瀬戸正人氏のワークショップに参加。12年第7回写真「1_WALL」審査員奨励賞(増田玲選)受賞。
写真展に、09年「LAND」(PLACE M/東京)、12年ポートフォリオ展「ROOMS floor-1」(PLACE M/東京)に参加、などがある。