第32回土門拳賞受賞作品展
亀山 亮写真展
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AFRIKA WAR JOURNAL
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4/24 (水)
~5/7 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
日本ではほとんど語られることがないコンゴ民主共和国では、第2次世界大戦後に起きた紛争としては最大の犠牲者(推計500万人以上)を出し続けている。コンゴ東部では金、ダイヤモンドやコンピューターや携帯電話などの生産に不可欠な希少金属の利益を巡る争いが、ベルギーの植民地時代を経て連綿と続いている。
為政者は利益の独占、支配体制を維持するために人為的に民族対立を煽り、住民たちは憎悪と暴力の連鎖に組み込まれていった。
現在、コンゴ東部には国連最大規模の平和維持軍が展開しているが、武装集団と統制を失った政府軍による住民への暴力は続く――。
不条理で受け入れ難い状況の中、住民は見知らぬ作者を受け入れてくれた。彼らの優しさがなければ、決して撮影はできなかった。
誰にも知られることもなく葬られ続ける生命の断片に、写真を通じて多くの人が気づいてくれることを望んでいる。
受賞理由
受賞作の『AFRIKA WAR JOURNAL』は、コンゴ、リベリア、ブルンジなどアフリカ7カ国の紛争地に8年間通い続け、生と死の狭間で生きている人間の生々しい姿を描き出したモノクロ作品。
紛争が泥沼化するアフリカ諸国の殺戮と略奪が日常化した世界に入り込み、時間をかけ、卓越したフットワークと動物的な視点で、命の尊厳があっけなく葬り去られる、植民地時代から今も葬られ続ける生命の断片に光を当てた点が高く評価された。生きる場が「戦場」となっている人間の無力を捉えた作品は、ひとの「尊厳」を見事に描き出し、従来の紛争地でのドキュメント写真とは一線を画した方向性を示している。
作者のプロフィール
亀山 亮(カメヤマ リョウ)
1976年千葉県生まれ。96年より先住民の権利獲得運動を行なうサパティスタ民族解放軍など中南米の紛争地の撮影を始める。現在はアフリカの紛争地で集中的に撮影を行なっている。2003年パレスチナの写真でさがみはら写真新人賞、コニカフォトプレミオ特別賞を受賞。
著書に『Palestine:Intifada』『Re;WAR』『Documentary写真』『アフリカ 忘れ去られた戦争』などがある。
小川 和宣写真展
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ネパリ
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5/8 (水)
~5/21 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
“ネパリ”とは、「ネパール人」あるいは「ネパールの」という意味のネパール語である。
ネパールには高層ビルがなく、高くてもレンガ造りの6階建てである。マクドナルドもないし、スターバックスも、中華街もない。あるのは計画停電で、毎日停電する。それもだいたい暗くなってから起きる。山間部まで電線を張り巡らし、電力の需要が急増した結果、電力不足になっているとのことだ。標高3,900メートルにあるヒンドゥー教最大の聖地にも電線は来ていた。
しかし、停電になったからといって誰もさして気にもせず、自家発電に切り替えたりロウソクに火を灯したりして、平穏に日常は営まれている。
そんなネパールの大らかさは作者にとって心地よく、それはネパリたちと接することでより深まっていった。通り過ぎゆく旅の一瞬一瞬のかかわりが楽しくて、ますます作者はネパールとネパリが好きになった。モノクロ40点。
作者のプロフィール
小川 和宣(オガワ カズノリ)
1971年新潟県生まれ。97年岡山大学大学院経済学研究科修了。2008年渡部さとるワークショップ2B受講。12年より白岡順カロタイプ写真ワークショップ講評講座受講。
写真展に、グループ展09年「2B25 バンサンカン」、11年「2B25 バンサンカン セカンドシーズン」(以上ギャラリー ル デコ/東京・渋谷)、13年個展「カティ・ラムリ」(コニカミノルタプラザ/東京・新宿)などがある。
ギャラリートーク開催のお知らせ
出展作家 小川和宣氏のギャラリートークを開催いたします。
ぜひご参加ください。
日時:5月10日(金)18:30~19:00
会場:銀座ニコンサロン
東京写真月間2013
4 Photographers group Exhibition : Amit Mehera (INDIA)、 Lim Thian Leong (MALAYSIA)、 Sarker Protick (BANGLADESH)、 Huynh Van Nam (VIETNAM)
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「アジアの写真家たち 10周年記念特別写真展 -輝けアジア、羽ばたけアジア」Section II
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5/22 (水)
~6/4 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
東京写真月間では2004年に「アジアの写真家たち」を創設し、初年度はバングラデシュの写真家たちの写真展を開催し、以後、翌年からウズベキスタン(2005年)、ベトナム(2006年)、インド(2007年)、シンガポール(2008年)、マレーシア(2009年)、タイ(2010年)、インドネシア(2011年)、及びフィリピン(2012年)の9カ国の写真家たちの写真展を開催してきた。
今年はアジアの写真家たち創設10周年という記念すべき年に当たることから記念特別展とし、「輝けアジア、羽ばたけアジア」と題して、バングラデシュ、ベトナム、インド、マレーシアの4カ国の写真作家による写真展を開催する。
銀座ニコンサロンでは、インドの Amit Mehera氏、ベトナムの Huynh Van Nam氏、マレーシアの Lim Thian Leong氏、バングラデシュの Sarker Protick氏の4人の作品を展示する。