Garrett Hansen 写真展
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Partner and Passage
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9/27 (木)
~10/3 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
一連の作品は、日々の撮影と行く先々での個人的な経験から生まれたものである。
香港からインディアナ州の田舎町まで、過去10年間のネガフィルムから取り上げたディップティック(二つ折りの絵屏風)は、それぞれ「私のパートナー」と「私たちの旅」というテーマを隣り合わせで構成していて、これらのネガフィルムが時間的な近似、または物理的接続によって別々の存在を慎重に結びつけており、それが本展の核となっている。
これらの概念的考察に加え、本展は、作者とパートナーとの個人的で密接な関係を物語っている。作品の多くがこの10年の絆によって生まれた親密性を反映すると同時に、最も親密な人々の間にでさえ必然的に存在する空間をも気づかせてくれる。それが人間、場所、そして時間の間にある空間についての瞑想なのである。
なお、デジタル技術がますます現代の画像制作を支配するようになっているが、作者にとって本展は、ネガフィルムの独創的かつ重要な特性を再検討するきっかけとなったという。モノクロ32点。
作者のプロフィール
Garrett O.Hansen(ギャレット・オー・ハンセン)
1979年ニューヨーク市生まれ。グリンネルカレッジにて政治経済を学ぶ。卒業後、カンボジアに居住し就労。2006年中国で教鞭をとるためにアジアに戻る。インディアナ大学ブルーミングトン校にて美術学修士号を取得し、米国及び海外で写真術を教授。作品は世界中で出版・展示されている。
渡邉 博史写真展
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ARTIFACTS -日系人強制収容所からの「もの」
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10/4 (木)
~10/17 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作者はサンホセ美術館より同市のジャパンタウン(日本人街)を題材として作品を制作する依頼を受けたため Japanese American Museum of San Jose(サンホセ日米博物館)に所蔵されている日系人強制収容所から持ち帰られた「もの」の写真を撮ることになった。例えば貝のブローチなどで、「これは第2次世界大戦のときに日系人強制収容所の中で作られたものだ。収容所の多くはドライレイクの上に建てられたが、そこは大昔湖の底だったので掘ると貝殻がでてくる。収容所の中に入れられた日系人は外に出ることが許されなかったので、そこで見つけられるものを何でも使って色々なものを作り、長い「我慢」の時間をすごした。」と説明された。その話をしてくれた同博物館長のジミー・ヤマイチ氏も日系人強制収容所にいた一人で、90歳になる。
彼がいた強制収容所はカリフォルニアとオレゴン州境にある Tule Lake(トゥーリーレイク強制収容所)という場所だったが、ここは数ある収容所の中でも、最も厳しい状況と管理下に置かれていたと言われている。当時のアメリカ政府は日系人のアメリカに対する忠誠心を調べる方法として、収容所の日系人に対して「米国に忠誠を誓い、日本・天皇への忠誠を放棄するか」「米軍に従軍する意思があるか」という2つの質問をして、日系人にYES/NOの選択を迫った。運命の分かれ道になるこの2つの質問は日系人の中に困惑と議論を引き起こした。それは「日本・天皇への忠誠を放棄するか」という質問は、YESと答えればそれまでは日本に忠誠心を持っていたという意味に取られかねない質問の仕方だったからであり、また「米軍に従軍する意思があるか」にYESと答えればすぐに徴兵され、日本人を敵として戦わなければなるかも知れないという懸念を持たせたからだった。結果としてNO/NOと答えた者は敵性外国人と扱われ、その多くはTule Lake強制収容所に集められた。
彼は、第2次世界大戦後Tule Lake強制収容所が閉鎖されたときに多くの日系人が自分の手で運べないものを収容所の外の空き地にまとめて捨ててきた場所があるということを教えてくれた。サンホセ日米博物館の所蔵物は収容所から持ち帰ってきたもので、後になって本人や家族から寄付されたものだった。一方、その空き地に捨てられたものはそこで使われたものであり、持主にとって持って行くだけの価値をもたないものだった。しかし今になって考えれば、そのいずれもその人たちの歴史の中で存在した遺物であり証拠であるのだから、写真に収める価値はあるに違いないと思い、作者はその場所に行ってその「もの」の写真を撮ることにした。モノクロ52点。
作者のプロフィール
渡邉 博史(ワタナベ ヒロシ)
北海道札幌出身。1975年日本大学芸術学部写真学科を卒業後、アメリカ、ロサンゼルスに移住、テレビコマーシャル制作の仕事につく。その後サニーサイドアップ社を設立し数多くのコマーシャルの制作に従事する。93年UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)でMBA修士号を修得。95年頃から自分の作品としての写真を撮り始める。2000年、写真を本格的に取り組むためにプロダクション会社を廃業し、ファインアート写真家として活動を始める。以来アメリカ、日本、ヨーロッパで多数の個展を行う。多くの受賞を受け、数多くの作品が美術館に収蔵される。11年ベニス・ビエンナーレにおいて公式プログラム“Real Venice”展に招待される。
<写真集>
「私は毎日、天使を見ている」”I See Angels Every Day”窓社刊、“Findings” Photolucida(アメリカ)刊(以上2007年)、「パラダイス・イデオロギー」”Ideology in Paradise”窓社刊(08年)、“Suo Sarumawashi” photo-eye Editions, USA(09年)、「ラブ・ポイント」“Love Point”冬青社刊(10年)、“Love Point”Nazraeli Press(11年)、「99Findings」と「Artifacts」iPadアプリ写真集(12年予定)
<近年の受賞歴>
2003年International Photography Awards、04年5月Black & White Spider Awards、06年Photography Now、Photolucida Critical Mass Book Award、07年Sagamihara Award(さがみはら写真賞)、08年Santa Fe Center Project Competition First Prize、09年Hearst 8x10 Photography Biennial
<美術館コレクション>
フィラデルフィア美術館、ヒューストン美術館、ジョージ・イーストマン・ハウス、サンタ・バーバラ美術館、J・ポール・ゲティー美術館、サンホセ美術館
全日本写真連盟
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全日本写真展2012
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10/18 (木)
~10/24 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
40回目を迎えた「全日本写真展 2012」のテーマは、身のまわりの暮らしや風俗、人間の営み、政治経済に至るまで、“あなたのセンスで現代を切りとろう”である。
展示する作品には、変貌する都市や農村、地方に残る昔ながらの暮らしなど、全日本写真連盟の会員をはじめとする全国のアマチュアカメラマンや高校生が、足で歩いて捜し出した“現代のひとコマ”が写し出されている。
本展は、「国際写真サロン」、「日本の自然」とともに全日本写真連盟が主催する代表的な公募写真コンテストで、一般の部、高校生の部の2部門に分けている。本作品展では入賞作品一般の部113点、高校生の部44点の合わせて157点を展示する。なお、入賞作品集を制作し、記録として残している。
本写真展は大阪ニコンサロンで開催後、全国の主要都市を巡回する。
団体のプロフィール
全日本写真連盟は1926年(大正15年)に創設され、朝日新聞社が後援する全国的な組織で、現在約2万人の会員を擁する写真愛好家の団体である。
栂本 彌一郎写真展
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猫と女と男 -滞留する街-
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10/25 (木)
~10/31 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
昼下がり、路地を駆け抜ける猫を追う。
振り返ると、若い頃の話を楽しげに話す声がする。
自らの軌跡を肴にカップ酒を呷りながら、
腐葉土のような居心地の良さに身をゆだねる男たちがいる。
ぼんやり漂いながら、相槌を打つ女たちがいる。
こんな景色をこの街で、今まで何度見かけたことだろう。
時が経ち、住む人は変わっても、この街だけは変わらない。
ここ数年、この街の通りで、広場で、酒場で、
たくさんの人たちと知り合い、記憶とフィルムに定着させてきた。
澱んだ時間の中、偶然出会った人たちと温もりを確かめ合っていると、
どこか懐かしい空気を感じることがある。
ふと気がつけば黄昏。妙に切なく人恋しくさせるこの街の黄昏は、
過去への帰り道なのかもしれない。
戦前戦後を駆け抜けてきた私は、今も共感できるこの街が限りなく好きだ。
そしてまた、私はシャッターを切る。
ファインダーの向こうには、今日も、猫と女と男。
カラー40点。
作者のプロフィール
栂本 彌一郎(トガモト ヤイチロウ)
1937年石川県生まれ。フォトサークルZ写真クラブ会長。アートボックスゼロ所属。
写真展に、2000年なら写真展(朝日新聞社賞×2回)、02年全日本シニア写真展(銀賞)、09年東京写真研展(大阪市長賞、大阪市教育委員長賞)、11年「滲みの荒景」(ニコンサロンbis大阪)などのほか、07年アサヒカメラスライド部門(年度賞3位)、日本カメラ スライド部門(銀賞×5回)、11年日本写真家協会(JPS展入選×3回)など入賞多数。