写真展内容
目の前に見える現実の中にある違和感や歪み、それら一つ一つは与えられた問いであり、それが歪みであるのかただそこにある物として認識するのか、そこに気づきがあるかどうか。
この歪みや違和感は、作者にはなぞなぞの始まりでもある。
余計な物や情感を排除し切り取る事で、観る人にはそこには見えない行為を喚起させるのではないかと作者は思っている。カラー27点。
作者のプロフィール
河合 智子(カワイ トモコ)
目の前に見える現実の中にある違和感や歪み、それら一つ一つは与えられた問いであり、それが歪みであるのかただそこにある物として認識するのか、そこに気づきがあるかどうか。
この歪みや違和感は、作者にはなぞなぞの始まりでもある。
余計な物や情感を排除し切り取る事で、観る人にはそこには見えない行為を喚起させるのではないかと作者は思っている。カラー27点。
河合 智子(カワイ トモコ)
燦々と降り注ぐ太陽の光は、地球上の生物すべての生命の輝きである。その光を受けて生命が芽生え、植物や動物、そして私たち人間が存在している。
光のあるところには、一対のように必ず影・陰が寄り添っている。影・陰は光をより一層誇張したり、光よりも魅力的な存在になったり、実態に溶け込んで無くなったかのように感じさせてくれる。
都市には美しい建造物・人工物が競い合って林立し、それらは太陽の光を受けることにより、あたかも生命が吹き込まれたかのように変容していく。そこには、活気に満ちた様々な光が溢れている。
私たちは、地上に降り注ぐ光を、あたりまえのものとして無意識に見過ごしていることが多い。しかし、刻一刻変化していく街で何気なく目を向けたその先には、心に沁み込む光と影・陰が織り成す無音の静けさの音がある。それは都市の建造物・人工物・人間がひとつになって醸し出す風景の中に、遠い宇宙からこぼれ落ちてくる光りの音なのではないか。カラー40点。
松本 弘子(マツモト ヒロコ)
2000年写塾・AIM入塾、現在に至る。
主な写真に、グループ展では、05年第一回写塾・AIMグループ展「ポルトガルの光五人展」、同年第三回同展「イベリアの薫り五人展」、06年第四回同展「アメリカの断片」、07年第五回同展「地中海の風五人展」などがあり、個展は、09年「地中海の薫り」がある。
最近、みなさんは昆虫やカエルを見かけただろうか。
自分たちの周りに目を向けると、いつの間にか環境が変わって来ていることに気づかされる。
そんな環境変化の中、ふと、身近な自然に目を凝らしてみると、けな気に生きている小さな生物たちの姿を見つけることがある。
作者夫婦は、自分たちの周辺で観察したそんな〝身近な小さい生き物たち〟の興味深い生態や表情に感動し、撮影をつづけてきた。
今回は2回目の写真展となり、前回と違った種類が数多く加えられている。
特に珍しい種類というわけではないが、身近に出会った生き物たちが一堂に会した「昆虫まんだら」の世界を楽しんでいただきたい。カラー99点。
武田 憲幸・久美子(タケダ ノリユキ・クミコ)
主に生物や人物をテーマに撮影している。各フォトコンテスト・公募展への出品/入賞多数。雑誌への投稿・報道取材活動・環境ボランティアでの生態調査/報告などを行う写真愛好家。
京都・丹後地方の先端に人口2300人余りの小さな町、伊根町がある。漁業と観光が中心のこの町には、伊根湾の海岸線約5㎞にわたって、漁村では初めての重要伝統的建造物保存地区の指定を受けた、全国でも珍しい「舟屋」が残っている。
波打ち際の1階が舟の収蔵庫、2階が住居となった舟屋には、漁港と生活空間が一緒という、海にいちばん近い暮らしがある。
かつては萱葺きだった舟屋も時代とともに変遷し、いまはほとんどが瓦葺きとなった。さらには舟の大型化に伴い一階部分が収蔵の用を成さなくなったことから、物置や作業場になったり、漁師廃業などにより民宿等に変わっていく舟屋も見られる。しかし、それでも約230軒が将棋の駒のように軒を並べる姿は美しく、多くの観光客が訪れる伊根町の代表的な観光スポットである。
作者は、江戸時代からの歴史があるこの舟屋での暮らしがいつまでも続くことを願いながら、今に生きる人々の姿の一端を記録した。カラー45点。
勝山 吉和(カツヤマ ヨシカズ)
1947年京都府生まれ。京都府庁において森林・林業の行政に携わる。1970年浅野善市氏指導の蒼風クラブに入会。同クラブ並びに荒井保男氏主宰の同好会に所属。
個展は1992年「北山杉の詩」(新宿ニコンサロン)開催。
作者は、いつの頃からか、自分の中から溢れ出す正体不明の何かに悩まされていた。言葉にならない感情。願い。焦燥。これらのものを治めるために、作者は自分に似た景色を写真に撮った。そこに現れたものは作者にとって自分以上に自分らしく、自分以上に多弁な自分であった。
溢れ出したものを現実の景色に投影し、自分自身とともに放り出すことで何かが完結していく。そして、写真は作者の遺影になった。日々湧き上がる感情の遺影に。
このOver Flowという作品は、溢れ出す感情のすべてを赴くままに、写真というあまりに正直で残酷な、しかし何より強く誠実に伝える力を持ったものに託し、委ねたものである。カラー40点。
大西 マサエ(オオニシ マサエ)
ニッコールクラブ岡山支部会員。