Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2012年8月

菊地 一郎写真展

写真
標景
8/1 (水) ~8/14 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
休館:8月11日(土)・12日(日)

写真展内容

作者はこの十数年間、北海道から沖縄の離島に至るまで、都市、田舎、海岸、山間部を問わず、日本全国を旅してきた。
そしてそれらの場所では、周りの風景にあまりにも不具合で、違和感のある人為的な痕跡を見ることがある。それは過去の生活の跡であったり、これからの創造の基礎であったり…。
本展は、作者がそれらに立ち止まり、向き合い、対話し、集めたものである。
これからも、作者の“モノ”探しの旅は続く。カラー40点

作者のプロフィール

菊地 一郎(キクチ イチロウ)
1971年生まれ。93年大阪芸術大学写真学科卒業。
写真展に、97年「私的空間」(新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、2002年「記憶の穴」(東京写真文化館)、05年「記号景」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、07年「偽景」(新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン)などがあり、著書に『memory holes』(02年刊/ピエ・ブックス)、『偽景』(07年刊/冬青社)などがある。

佐野 久里子写真展

写真
moiré -モアレ-
8/15 (水) ~8/28 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

この世界のものはすべて、誰のものでもなく
目に映るものは全て、ただそこのあるだけだ

私は、焦点の合わないまま、それを漠然と見ている
見えているものの輪郭が鮮明に浮かび上がるとき
不確かな感覚が、確かな感覚へと変わっていく

目に映る様々なものが、重なり合い、強め合い
新たな波紋-モアレ-を生じ
私を何処か自由なところへ連れて行く

それは、白磁に触れたときに熱が冷めて行くような
頭が冴えていく感覚に似て
細月の刃先のように
儚さを圧倒し、美しいだけではない
誰をも、何をも、寄せ付けない孤高な存在に思えてくる

それを絶対的な、私のものとして捉えたい    (佐野久里子)

モノクロ約37点。

作者のプロフィール

佐野 久里子(サノ クリコ)
1975年神奈川県生まれ。97年帝京医学技術専門学校卒業。2009年渡部さとる写真ワークショップ2B 29期受講。10年カロタイプ フォトワークショップ 白岡 順講評講座受講。
写真展(グループ展)に、09年「スーパーマーケットで待ち合わせ」(FUJIフォトエントランス日比谷ギャラリー/東京)、10年「holic」(ギャラリー・ル・デコ/東京)などがあり、作品はフランス国立図書館(パリ・フランス)にコレクションされている。

Alena Dvorakova 、Viktor Fischer 写真展

写真
WATER
8/29 (水) ~9/11 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

私たちは普段、身のまわりの水の存在をかろうじて気にかける程度だが、長期プロジェクト「Mission」において作者たちは、生活における水の現実と、真の重要性を存分に知ることとなる地域と関わった。
地球は面積の3/4が水で覆われていることから、よく「ブループラネット(青い惑星)」と呼ばれる。水の94%は海であり、淡水はわずか6%しかない。現在、世界の全人口で地球上の淡水の54%を使用しており、これが人口増加により2025年までに70%にまで跳ね上がるといわれている。もし同時に水の消費量が増大し続ければ、今後25年以内に最高90%もの水源を使い果たすことになるだろう。
淡水の不足は、いまや私たちの未来の発展において、気候変動に次ぐ最も深刻な問題とされている。21世紀は水をめぐる戦争の時代と定義されており、世界的な水の危機について公然と議論してきた1990年代から、潜在的震央は100以上も記録されているのである。
世界規模の産業は、毎年最大5億トンもの重金属と有機物による汚染廃水を生みだしている。発展途上国では、産業廃水の70%が処理されることなく放流されており、過度の使用と汚染は、水と水に関わる生態系そして川や湖の状態に影響を及ぼす。
世界の最大河川500本のうち半分が深刻な汚染を抱え、魚類の1/5は絶滅の危機に瀕している。理不尽な汚染や水源の枯渇により、環境難民という新たなカテゴリーが生まれ、毎年2500万人もの人々がこのカテゴリーに加わっているのである。
おそらく世界で最も深刻な問題は、生活必需品の基礎である水の不足である。人類のほぼ1/4は清潔な飲料水を入手できず、世界人口の半分は衛生的に使える水の不足に苦しんでいる。毎年、500万人が水を介した伝染病で亡くなりなり、これは戦争で亡くなる人の10倍にも上る値である。発展途上国を中心とする人口増加により、この問題は人類の悲劇という規模にまで達している。よく知られる解決法は比較的単純なものだが、その範囲と財政負担の大きさから、実行するのは困難な状況だ。
問題地域の一つに暮らす写真家として、作者たちは急激に悪化する環境災害においての共通責任をはっきりと自覚しており、写真にはこのような深刻な問題の進展に対する影響力がある、ということを確信し、この非営利プロジェクト「Water」に取り組んでいる。
本展は、もはやほとんど注目されることのない普遍的な話題を示すことで想像力を刺激し、新たな関係を成立させることを目標としている。なぜなら、いまの時代は、私たちはあらゆるものに依存し、そのすべてが相互関係にあるのだから。モノクロ約42点。

作者のプロフィール

Alena Dvorakova(アレナ・デヴォラコヴァ):1970年生まれ。
Viktor Fischer(ビクター・フィッシャー):1967年生まれ
ともにチェコ共和国出身。

両氏はともに、プラハにあるFilm and TV School of the Academy of Performing Artsのスチール写真学科を卒業。92年から共同で写真プロジェクトに取り組む。そのワークスタイルは、個人による作品発表から、徐々に共作としての出版や写真展での作品発表へと移行。2004年に「Missions」、10年に「Water」という2つの大規模なモノグラフを出版した。
両氏の作品は人道的テーマの新しい表現手法に焦点を合わせている。現代的な写真ドキュメンタリー形式をとりながらも観客が想像できる十分な余地を残し、そのメッセージを受け取る人々を惹きつける手法として視覚的シンボルとショートカットを使用するものだ。
また、多くの作家の写真展を開催し、共同展覧会や写真プロジェクトにも多数参加。
この分野での写真展キュレーターとして、人道的な写真や活動に光を当てている。なお、両氏は数々の賞や助成金の共同保有者であり、プラハ・ハウス・オブ・フォトグラフィーの代表でもある。

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