大阪写真月間2012
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写真家150人の一坪展
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5/31 (木)
~6/6 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
写真文化の発展と普及に寄与することを目的に、毎年6月1日の「写真の日」を中心とした期間に東京と大阪で開催されるのが「写真月間」である。
「大阪写真月間」は2000年の暮れに「東京写真月間」(日本写真協会主催)の呼びかけに応じてスタートし、02年6月に初めて「大阪写真月間2002」を開催した。
今年の「大阪写真月間2012」は11年目となり、本年も大阪市内のギャラリー5カ所を使い、写真家約150人が一人一坪(1.8m四方)を使って展示する「写真家150人の一坪展」と、一般の写真愛好家1000人が1人1枚を展示する「私のこの一枚・1000人の写真展」の二つの写真展のほか、高校生による「ハイスクール・フォトアワード」、「小学生のための写真教室」、記念シンポジウム「震災と写真―写真と写真家ができること―」などを併催する。
メインイベントである本展の特色は、写真を表現手段として作品を制作している人なら、作品内容や方法はもちろんのこと、年齢、性別、国籍、職業などに関係なく参加できるところにある。また、展示するギャラリーや壁面の場所も抽選で決定するので、いっさいの審査や選別は行わない。写真展にポリシーやテーマを求める人は、この何でもありの写真展に「展としてのポリシーがない」という異論を唱えることもあるが、80歳を超える超ベテラン作品の横に、孫のような18歳がはじけるような写真を並べる、そんなお好み焼き的「ごちゃ混ぜ感」が本展の魅力である。
この「写真家150人の一坪展」では、観客は内容も方法も異なる150の写真表現作品に出会うことになり、150の個性の中に、きっと気に入る作品があるはずである。
広河 隆一写真展
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アフガニスタン -長過ぎた戦争
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6/7 (木)
~6/13 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
2001年9月11日、アメリカでの同時多発テロのあと、10月に米軍はアフガニスタンを「テロの温床」として爆撃した。現地から伝えられる報道には、ほとんど被害者の姿がなかった。
11月、作者は現地取材を開始し、パキスタンの難民キャンプ、アフガニスタン国内、とくに北部の難民キャンプを取材。翌2002年、再びアフガニスタンを訪れ、アメリカの大学による「ボディカウント」に基づき、米軍の「誤爆」による被害地を取材した。そして2010年12月にアフガニスタンの米軍と、カブールの病院を中心に取材し、2011年10月に、アフガン爆撃から10周年の取材を行った。このときは米軍の従軍取材が主であった。米軍は撤退を宣言していたが、実際の最前線では何が行われているか取材することが目的であった。モノクロ42点
作者のプロフィール
広河 隆一(ヒロカワ リュウイチ)
1943年中国天津市生まれ。2歳の時日本に引き揚げる。67年早稲田大学卒業。卒業後イスラエルに渡る。70年帰国。以後中東諸国を中心に海外取材を重ねる。82年レバノン戦争とパレスチナ人キャンプの虐殺事件の記録でよみうり写真大賞受賞。83年IOJ国際報道写真展の大賞・金賞を受賞。89年チェルノブイリとスリーマイル島原発事故の報告で、講談社出版文化賞受賞。93年写真集「チェルノブイリから~ニーナ先生と子どもたち」で産経児童出版文化賞受賞。98年「人間の戦場」(新潮社)で日本ジャーナリスト会議特別賞受賞。99年「チェルノブイリ 消えた458の村」(日本図書センター)で平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞。2001年「チェルノブイリ 消えた458の村」でさがみはら写真賞、ノスタルギア賞の両賞を受賞。03年「写真記録パレスチナ」で土門賞受賞。日本写真協会年度賞受賞。04年フォトジャーナリズム月刊誌「DAY JAPAN」を創刊(編集長)。
2000年にチェルノブイリ救援の功績としてウクライナ大統領、国会議長から感謝状を贈られる。01年ベラルーシから国家栄誉勲章(フランシスコ・スコリナ勲章)を授与。11年ウクライナ有功勲章を授与。
DAYS被災児童支援募金代表。DAYS放射能測定器支援募金代表。未来の福島こども基金世話人。日本写真家協会会員。日本写真協会会員。チェルノブイリ子ども基金創設代表(現顧問)。パレスチナの子供の里親運動創設代表(現顧問)。日本ペンクラブ平和委員。
岡田 将写真展
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白い痕跡
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6/14 (木)
~6/20 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
その壁には、膨大な数の球の跡があった。その跡に圧倒されながらも、作者はその跡にどこか惹かれて食い入るように壁を見つめ続けた。
「構える」「投げる」「当たる」「跳ねる」「捕える」その繰り返しが、この場所でどれだけ行われてきたのだろう。どれだけの人が、どういった想いで、どれだけ球を投げたのだろう。
様々な想いが脳裏を駆けめぐった瞬間、“跡”がぼんやりと白く輝いて見えた。もっとたくさんの“跡”を見てみたい。そう思って自転車を走らせたが、思いのほか“跡”は見つからなかった。
運動する子供の減少や、老朽化による壁の取り壊しなど、今の時代の様々な理由で壁と球の跡は着実に数を減らしていた。それに気付いたとき、作者はカメラを構えていた。モノクロ約17点。
作者のプロフィール
岡田 将(オカダ ススム)
1984年生まれ。2007年日本写真芸術専門学校フォトアートコース卒業。
中川 大祐写真展
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Hotel Rycom
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6/21 (木)
~6/27 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
ひなびたホテルの一室で向かい合った女たちの体には、その生き様や歴史が痕跡となって体に刻まれていた。
傷、妊娠線、皺や刺青がそれぞれの迷いや葛藤、悩みぬいた時間や覚悟などの思いを物語る。
対話の中で清く楽しくという部分とは対極にある。傷つき、苦しむといった身悶えする感情に苛まれることも、それもまた一つの人間らしい姿であると、再認識させられるようになった。そして何よりそれぞれの歴史を伴い、痕跡が刻まれていった肉体やその雰囲気の中に、圧倒的な人間美・存在美を見出していくようになった。カラー約39点。
作者のプロフィール
中川 大祐(ナカガワ ダイスケ)
1978年英国サリー州生まれ。英国で幼少期を過ごす。埼玉へ移り、高校在学中より写真を撮り始める。卒業後渡仏。ソルボンヌ大学文明講座へ進む。帰国後、東洋大学第2法学部入学。自動車メーカーや広告代理店、スタジオ勤務を経て、現在まで作家活動を続ける。2008年第1回リトルモアbooks写真集公募展にて「葛西薫賞」受賞。