Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

ニコンサロン bis 大阪 2011年9月

齋藤 正明

写真
心に染み入るものを求めて -天主堂と乙女峠まつり-
9/1 (木) ~9/7 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

■天主堂
1549年、フランシスコ・ザビエルによりわが国に伝えられたキリスト教(カトリック)は、始めは広く受け入れられたが江戸時代に入ると禁教となり、1873(明治6)年までの二百数十年の長きにわたり、凄まじい弾圧、迫害が行われ、数多くのキリシタンの人々が殉教した。
その長く厳しい苦難の時代を耐え、再び信じることの喜びを取り戻した人びとは、彼らの祈りの拠りどころである天主堂を、汗と涙と、そして乏しい私財で、各地に建立していった。
長崎をはじめ、熊本など九州西部には、そのような人びとの苦難の歴史と祈りの心が込められた天主堂が各地に点在する。
本展では、数年間にわたり撮影した天主堂とその周辺の作品から、特徴ある12の天主堂を選び、静かな祈りの世界を紹介する。
■乙女峠まつり
島根県津和野町は山陰の小京都としてよく知られているが、明治の初め、長崎浦上のキリシタン153人が流され、過酷な拷問に耐えて信仰を貫き通した36人が殉教した地であることはあまり知られていない。
同地では、毎年5月3日に殉教者を偲ぶ乙女峠まつりが行われ、全国から2,000人余りの人々が集まる。
津和野町の中心部にある教会から1キロほど離れた乙女峠までの道を、地元の保育園児に先導され、白いベールの女子高校生が担ぐ聖母マリア像を中止に信者の行列が巡行し、正午から峠のマリア聖堂広場で殉教者を讃え、平和の祈りを捧げる野外ミサが行われる。
本展では、今年60回を迎えた乙女峠まつりに参加した信仰の人びとの姿を紹介する。
モノクロ55点。

作者のプロフィール

1934年東京生まれ。ニッコールクラブ会員。全日本写真連盟会員。フォト・ウイング96代表。
主な入賞に、ニッコールフォトコンテスト、キヤノンフォトコンテスト、全日本写真展、朝日写真展などがあり、写真展に2009年「天主堂」(ニコンサロンbis大阪)がある。

芳賀 健二

写真
季節は巡る
9/8 (木) ~9/14 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

ゆったりと静かに巡る日本の四季。色が、風が、そして光が変化していき、気落ちがぐっと落ち着く。
作者は、この変化に富んだ四季の風景のなかに身を置くことの幸せを感じるといい、作品には、しなやかで繊細な日本の自然の移り変わりと美しさが、少しでも表現できればと願っている。
カラー48点。

作者のプロフィール

1954年福島県生まれ。72年日本光学工業㈱(現・ニコン)入社。99年ニコンイメージングジャパン・ニコンカレッジ推進課勤務。ニコンカレッジのフォトコンサルタントとして、全国各地の写真講座を担当。四季の美しさに魅せられ、風景写真をメインに、草花やスナップなど撮影ジャンルは多岐にわたっている。日本写真作家協会(JPA)会員。
写真展に、97年「光の詩」(新宿ニコンサロン)、98年「冬が来る前に」(銀座富士フォトサロン)、2002年「牛久沼逍遥」、05年「通り過ぎた街」(以上ニコンサロンbis21)、08年「落花流水」(ニコンサロンbis新宿)、09年「冬の旅」(六本木富士フォトサロン)などがあり、写真集に98年『光の詩』(光村印刷)、00年『北の出会い』、02年『あかね色の沼』(以上アドミックス)、09年『冬の旅』(文化堂印刷)などがある。ポストカードに03年「風景編」「花編」の2種、07年「空のキャンパス」「通り過ぎた街」の2種がある。

ニッコールクラブ日本橋支部

写真
都市俯瞰
9/15 (木) ~9/21 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

今回が第3回目となる本展では、所属する会員たちの住む「都会」がテーマである
日頃都会のビル群の中に埋もれた自分たちの生活を、ビルの上から俯瞰してみようということで、テレビ画面で見るようなヘリコプターとか気球からの大仰な撮影映像ではなく、会員一人ひとりがビルの上に昇り、展望台や屋上から、最上階のレストランの窓ごしに、あるいはマンションの一室から各々、わが街「都市」「都会」を俯瞰してみたとき、そこに蠢く人々の生活を感じ取れたらとの思いで撮り始めた。
個々の生活の動きは、大都会のビル群にのみこまれて「無」であった。しかし、これが「都会の美」であり、「地上」と「空」の空間に「美しいもの」をみたという。
作品の構成上「東京タワー」「富士山」「墨田川」「港」「海」が点景として入っている。とくに「東京タワー」はいずれ、「東京スカイツリー」にとって代わられる運命にあり、最後の勇姿をとどめている。カラー40点。

団体のプロフィール

<ニッコールクラブ日本橋支部>
2002年8月設立。当初の会員20名。撮影会、デジカメの講習会等、各種活動を行っており、「bis新宿」への出展を最大目標に、作品づくりに励んでいる。これまで開催した写真展は、04年に第1回「路地の花」を、06年に第2回「こどもたちの笑顔」であった。

juna21 泉 大悟

写真
FRAME
9/22 (木) ~9/28 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

作者が現在住んでいる街の近くには、小さな町工場が多く集まっている。その中にオートレース用の特殊なバイク(競走車)を作っている工場がある。
工場には連日修理を必要とする競走車が運び込まれてくる。それを一台一台分解し、新しい部品と交換する。そしてまた組み直し、選手のもとへと送り返す。
競走車は、街で見る市販車とは違う。ハンドルは左側が極端に高い。フレームはすべて手作り。ライトや計器類は見当たらない。ブレーキもついていない。
競走車はレースのためにあるバイクだ。レースに不必要な装備は一切ない。
工場は60年もの間、休むことなく日々製作を続けてきた。コンマ何秒の勝負の世界を、コンマ何ミリを操る職人の技術が支える。作業場に散らばる、使い込まれた道具は、その時間の長さを物語っている。モノクロ約40点。

作者のプロフィール

1978年東京生まれ。大東文化大学外国語学部中国語学科卒業。中国留学と日本での会社勤務を経て、写真家渡部さとる氏に師事、現在に至る。

juna21 矢内 美春

写真
愛をさがしに
9/29 (木) ~10/5 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

1991年6月、NHKの報道カメラマンをしていた作者の父は、長崎県雲仙普賢岳の火砕流で殉職した。当時作者は1歳だったので、父親がどんな人物かわからなかった。
父の不在について、作者はこれまで目を瞑ってきたが、昨年成人式を迎えたことをきっかけに、父を知るための旅に出る事にした。
昨年の夏、父が撮影したホームビデオを見つけた。ビデオには作者が1歳の誕生日を迎えるまでの日々が記録されていた。作者は、父が愛用していたフィルムカメラで、テレビ画面に映し出された当時の記録を、複写した。当時父が見ていた同じ光景を、ファインダーを通してみたいと思った。
液晶画面を通してかつてあった出来事を見るという行為は、今まで想像していた父との距離感によく似ていた。
ホームビデオを複写したことは、他者によって作られた現実を、コピーで所有し自らの現実にしたいという気持ちで行った。まるで過去を追体験しているようだった。
今年は雲仙普賢岳の噴火から20年という節目の年でもある。本展には作者が現場を訪れた際に撮影した写真も織り交ぜた構成となっている。
作者は、ここから新たなスタートが切れるのだと思っている。モノクロ35点、カラー1点。

作者のプロフィール

1990年北海道生まれ。2008年東京工芸大学芸術学部写真学科入学。現在同大学在学中。
雑誌掲載に「フォトコン」(2011年8月号)がある。

ニコンイメージングプレミアム会員
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