矢内 美春
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愛をさがしに
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7/26 (火)
~8/1 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
1991年6月、NHKの報道カメラマンをしていた作者の父は、長崎県雲仙普賢岳の火砕流で殉職した。当時作者は1歳だったので、父親がどんな人物かわからなかった。
父の不在について、作者はこれまで目を瞑ってきたが、昨年成人式を迎えたことをきっかけに、父を知るための旅に出る事にした。
昨年の夏、父が撮影したホームビデオを見つけた。ビデオには作者が1歳の誕生日を迎えるまでの日々が記録されていた。作者は、父が愛用していたフィルムカメラで、テレビ画面に映し出された当時の記録を、複写した。当時父が見ていた同じ光景を、ファインダーを通してみたいと思った。液晶画面を通してかつてあった出来事を見るという行為は、今まで想像していた父との距離感によく似ていた。
ホームビデオを複写したことは、他者によって作られた現実を、コピーで所有し自らの現実にしたいという気持ちで行った。まるで過去を追体験しているようだった。
今年は雲仙普賢岳の噴火から20年という節目の年でもある。本展には作者が現場を訪れた際に撮影した写真も織り交ぜた構成となっている。
作者は、ここから新たなスタートが切れるのだと思っている。モノクロ35点、カラー1点。
作者のプロフィール
1990年北海道生まれ。2008年東京工芸大学芸術学部写真学科入学。現在同大学在学中。
雑誌掲載に「フォトコン」(2011年8月号)がある。
鈴木 弘之
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A MOMENT
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8/2 (火)
~8/8 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
「写真を撮るならいまだよ」
といわんばかりに、不安定な橋げたが初台の高速道路の頭上に現れた。一刻も早く通り抜けたいほど、形体としては怖いものだった。
何回か通過するたびに「いつ開通するんだろう」と興味がわいた。工事による高速道路夜間一時通行止めのお知らせを見て、すごい事が起きるんだなと、そして記録に残したいと作者は思った。
最初の撮り始めは、偶然にもワールドカップドイツ大会の決勝時刻の深夜だった。驚いたのは、長さが50メートルはあるだろう橋梁を載せた専用車両を、若い技師がリモコンで現場の交差点まで運んでいる。その夜はあいにく雨だったが、そこで見せられた光景は驚きの連続だった。
それから日々変貌してゆく現場に魅せられて、完成すれば機能を優先する高速道路ではあるが、建築の途中の「未完の美」というか、「過程のエネルギー」に、作者はシャッターを押すことになった。モノクロ約15点。
作者のプロフィール
2006年より写真家として本格的に始動。東京駅復元工事、東京中央郵便局、上海環球金融中心、ドバイメトロ、キューバプラネタリウム、東京国際空港D滑走路、東京ゲートブリッジ、首都高速道路(新宿、渋谷、品川線)などの工事現場を A MOMENT を基幹コンセプトに撮影。
主な写真展に、「東京国際空港」「コダックフォトサロンギャラリー」、08年「ワシントンケネディセンター」、09年「キューバUNEAC」、10年東京画廊、BTAP北京などで開催。
写真集に、1996年キューバでのショウの過程を記録した「夏の夜の夢の記憶」、10年首都高速道路建設現場写真「A MOMENT」「日本橋室町野村ビル建設現場写真集」などがある。
重永 真智子
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京・花街の午後 ~屋形のペット達~
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8/9 (火)
~8/20 (土)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休 【休館:8月21日(日)・22日(月)】
写真展内容
作者は京都、花街に通い始めて25年になる。通い始めた頃は年に10日ほど花街の行事を撮影していた。はじめは華やかでどことなくベールに包まれている舞妓さんばかりに目がいき、観光客やカメラマンも多いので思うように写真が撮れなかったが、路地奥を歩いていると、犬と遊んでいる舞妓さんに出会い、仕事に出かける舞妓さん、芸妓さんを見送っている猫に遭遇し、行事の日、女将さんに抱かれている和服の犬を見かけ、路地を悠々と散歩している猫と触れ合うなど、普段とはちょっと違う雰囲気の花街を発見してから毎年30日位通うようになった。
伝統や厳しい仕来りの中で、ペットとの一瞬のひとときをモノクロ(40点)にまとめたものである。
作者のプロフィール
兵庫県芦屋市生まれ。写真歴30年。1994年より兵庫県写真作家協会、関西女性フォトグループ所属。85年農林水産大臣賞受賞。95年国土庁長官賞受賞。2004年より上方の落語家も撮影している。
吉原 かおり
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よびみず
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8/23 (火)
~8/29 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
どうしてこんな写真を撮ったのか、自分でもわからないことがほとんどだ。
子供の頃にあった×××は、大人になった自分から、もうすでに遠くにあるイメージになってしまった。
あの頃とても怖かった×××に、もう一度出会えるかもしれない、というある種のこわいもの見たさからシャッターをきる。目の前に近づいてきては、すぐに過ぎ去ってゆく現実。目をつぶっても現実は消えることはない。それらは写真におさめることで、作者からも、日常からもほんの少しだけ離れて、子供の頃の×××を思い出させる。
すべてが消えてなくなる前に、シャッターをきり、イメージせよ。
作者は自分に言い聞かせる。
※「×××」は、作者が子供の頃にきっと見えていた、言葉に表せない何かである。
作者のプロフィール
1980年兵庫県生まれ。
写真展に、03年「カプセル アパート」(PLACE M/東京)、07年同(新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、08~09年7回連続展「吉原十景」(PLACE M/東京)、10年「晴天乱気流」(TAP/東京)、「カプセル アパート」写真集出版記念展(TAP・PLACE M/東京)、11年「#1」(TAP/東京)などがあり、写真集に「カプセル アパート」(2010年・TAP刊)などがある。
ニッコールクラブ日本橋支部
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都市俯瞰
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8/30 (火)
~9/5 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
今回が第3回目となる本展では、所属する会員たちの住む「都会」がテーマである
日頃都会のビル群の中に埋もれた自分たちの生活を、ビルの上から俯瞰してみようということで、テレビ画面で見るようなヘリコプターとか気球からの大仰な撮影映像ではなく、会員一人ひとりがビルの上に昇り、展望台や屋上から、最上階のレストランの窓ごしに、あるいはマンションの一室から各々、わが街「都市」「都会」を俯瞰してみたとき、そこに蠢く人々の生活を感じ取れたらとの思いで撮り始めた。
個々の生活の動きは、大都会のビル群にのみこまれて「無」であった。しかし、これが「都会の美」であり、「地上」と「空」の空間に「美しいもの」をみたという。
作品の構成上「東京タワー」「富士山」「墨田川」「港」「海」が点景として入っている。とくに「東京タワー」はいずれ、「東京スカイツリー」にとって代わられる運命にあり、最後の勇姿をとどめている。カラー40点。
団体のプロフィール
<ニッコールクラブ日本橋支部>
2002年8月設立。当初の会員20名。撮影会、デジカメの講習会等、各種活動を行っており、「bis新宿」への出展を最大目標に、作品づくりに励んでいる。これまで開催した写真展は、04年に第1回「路地の花」を、06年に第2回「こどもたちの笑顔」であった。