藤川 陽次
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大阪湾ベイエリア
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6/30 (木)
~7/6 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
大阪湾の中心部は製造業を主とする産業の高集積地帯である。膨大な埋立地は工場、倉庫、港湾などで、その面積は甲子園球場の2200~2300倍とも言われている。
今まで親しんできた海岸線はインナーベイエリアとなり、窮屈で水路のような海面だけが僅かな係わりとなった。
海を身近に暮らした人々の生活や文化の担い手たちは、この環境変化と共に陸上の内部へ、町なかへ関心を深めている。これが極端に走れば、長い歴史から受けた海の恩恵を忘れ、海辺に住みながら海を忘れてしまうだろう。
刺激と新鮮なアクティビティのないインナーベイエリアは淋しい景観である。しかし今回、作者は労働の姿や家族の憩いに出会えてホッとした。海への親愛の心は失われていなかった。ただ、海に向かい合う気持ちが変質しているのではないだろうか。
かけがえのない資産としての海を問い直し、創造性の持てる生活空間へと知恵を寄せあうことが、いま求められているのではないだろうか。カラー35点。
作者のプロフィール
1934年兵庫県芦屋市生まれ。能楽大成者世阿弥を写真エッセイとして取材し、写真文集『とうとうたらりら』3部作発刊。同時に写真展も開催。関西写真家たちの軌跡100年展出品。ほかに主な写真活動分野は古代地中海世界。
ニッコールクラブ鳥取支部
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千代川流域と鳥取砂丘
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7/7 (木)
~7/13 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
鳥取県の一級河川千代(せんだい)川は中国山地の沖(おき)の山(せん)に源を発し、県東部地域を北流して日本海に注ぐ。流路延長56.8キロメートルは、全国的規模でみれば中級の河川である。
中国山地から日本海までの地形は山陰特有の傾斜度が強く、いたるところで水が岩を噛み、白く波立つ急流が出現する。この急流域でのアユ釣り、カヌー競技が愛好者を誘い、また中流域に位置する用瀬町では、江戸時代からの伝統行事「流しびな」が旧暦3月3日に行われている。
一方、河口の東側に発達した鳥取砂丘は、千代川の運び出す砂礫が海流に運ばれ、東西の海岸に砂丘列を形成しながら、冬から春にかけて吹く強い北風により、内陸部へ発達したといわれている。
本展では、13名の支部員が3年かけて取り組んだ作品を展示する。カラー51点。
団体のプロフィール
<ニッコールクラブ鳥取支部>
1993年設立。以後支部合同写真展を鳥取市内ギャラリーで7回開催。2010年支部合同写真集を発行。現在支部員16名。
日本鉄道写真作家協会
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Attracted Railways -鉄路の世界-
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7/14 (木)
~7/20 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
「鉄道写真」というと、一見鉄道車両のみに主眼を置き、それらを撮影することと思われがちなため、他の撮影ジャンルに比べ、やや専門的なジャンルというイメージが強いのではないかと思われる。しかし、昨今の鉄道ブームに見られるように、鉄道というものは我々の日々の生活の一部であり、沿線の四季をはじめ、旅情や乗客、そして駅に集う人々の人間模様など、車両そのもの以外にもたくさんの魅力的な世界があり、それをプロ写真作家集団として多くの人に伝えようとしている。
本展では、あえて鉄道車両に主点をおかず、鉄道全体の世界観を主題とし、会員それぞれの考える鉄道の魅力を各々のセンスで切り取った作品を展示する。
鉄道に興味のない人でも「ああ、旅に出たいな」「鉄道っていいな」とふと感じる作品である。
カラー24点。
団体のプロフィール
<日本鉄道写真作家協会>
当協会(略称JRPS)は、鉄道写真をベースに活動する職業団体です。1988年(昭和63年)11月25日に設立。以来、円滑な取材活動や作家活動を行うとともに会員相互の親睦と、鉄道写真界の発展と向上に寄与することを目的として、写真展、イベントなど、さまざまな活動を行っています。
現在、会長の猪井貴志はじめ28名の正会員が所属しています。さらに会の趣旨を理解された作家、鉄道研究家や編集者など会友11名、賛助会員として鉄道雑誌、鉄道図書に関する出版社、写真機材、感材メーカーなど12社のご支援をいただいています。
ニッコールクラブ神戸支部
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神戸の風
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7/21 (木)
~7/27 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
「風は己の好むところに吹く」 ヨハネ福音書(3-8)にある如く、会員それぞれが異人館街、南京街、海岸通、港の風景や明石海峡に架かる大橋など、美しい神戸の風景を題材に、お好みの場所を自由に撮った作品を展示する。
カラー46点。
団体のプロフィール
<ニッコールクラブ神戸支部>
2001年5月設立。北 時治が初代支部長に就任。現在会員数22名(事務局長肥塚吉祐)
岡 聖子
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her/story
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7/28 (木)
~8/3 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
2008年の夏にデンマークで撮られたディップティック30組の写真インスタレーションで、流動的な日々に埋まる破片を拾い集め、それに新しい関連性を見つけてつなぎ合わせたもので構成する。そのストーリーは線状ではなく螺旋状で、そこには「始まり」もなければ「終わり」もない。ここで作り上げようとしているのは、連想ゲームというコンセプトである。
われわれは日常の中で、何の関係もなかったもの同士が、ある偶然をきっかけにして出会い、つながり、お互いを影響しあって過ごしている。それは歴史という大きな物語ではなく、もっと親密で、直感的で、イマジナティブな要素を多く含んでいる。
写真がフィクションと現実の狭間に存在するのだとしたら、それは「自分」が「自分以外の誰か」との関連において語られ、常に新しい自己を形成することと似ている。
作者は、写真というメディアが本来持つ記号性と、私たちを取り巻く日常空間との関係について考え、制作している。カラー30点。
作者のプロフィール
1979年大阪府生まれ。2006年フロリダ大学大学院芸術写真コース修了。その後ヨーロッパでのレジデンスや国内外での発表を経て現在パリ在住。
主な写真展(個展)に、10年「Si par une nuit d’hiver un voyageur」(Ceske Budejovice/チェコ)、「Vera Icona」(AD&Aギャラリー/大阪)、「A Line of Subtraction」(ギャラリーウー/大阪)。グループ展に、08年「BlueDot-Asia」(ソウルアーツセンター/ソウル)、09年「余韻/響き」(Hyun Gallery/ソウル)、「P&E2009」(アートコートギャラリー/大阪)、「神戸アートコレクション」(神戸ファッション美術館)、10年「10s Aqua Blue」(エモンフォトギャラリー/東京)などがある。