Nikon Imaging
Japan
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大阪ニコンサロン 2011年5月

juna21 mk

写真
悪い血
4/28 (木) ~5/4 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

“私の人生ははじめから呪われたのに間違いないです。このような運命は一生続いたんです。”(ボードレール)

人間は誰にも現われない普遍的な暴力性を持っている。その根源は交感された対象との関係から始まっている。
関係による暴力性も、結局は自分が関係に影響を及ぼすことができないという無力さと疎外感から表出される。
作者が私的記録を始めた毎瞬間瞬間に無力感と怒りを感じた理由はそこにあった。その怒りは、現在を過去の一定時間に戻してイメージとして拡張されて暴発した。
カラー・モノクロ52点。

作者のプロフィール

1974年ソウル生まれ。2007年ROWAメンバーとして写真家MARU氏に師事。
写真展に、08年「祭りの記憶」(gallery mukta)に参加、10年「1st Ordinary Freak」(gallery lux)に参加、企画展「Elusive butterfly」(gallery 146)などがある。

juna21 古川 裕也

写真
ランドスケープ・イリュージョン
5/5 (木) ~5/11 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

檻のなかの壁に描かれた熱帯雨林や砂漠の絵。モルタルやポリエステル樹脂で作られ、古く見えるように加工された擬木や擬岩が並べられた飼育場。そんな景色のなかを、動物たちが悠然と歩きまわっている。
動物園において、飼育動物の生息環境を人工的に再現する展示方法は「ランドスケープ・イマージョン」(Landscape immersion 景観に浸し込む展示)と呼ばれ、1970年代にアメリカで発案された。動物のみならず、来園者も生息環境に入り込むかのように設計されており、現在では多くの動物園で取り入れられている。
たしかに生活環境を模した景観を動きまわる動物たちは、旧来の動物を檻や堀で囲んだだけの展示と比べて、より自然な姿を来園者に強く印象づける。しかし、動物行動学に基づいて設計されるこのような環境は動物のためだけでなく、来園者のためでもあるのではないだろうか。動物が生息しているような環境で暮らしているように「見せる」という目的。そこには、壁に描かれた熱帯雨林や砂漠の絵、サル山やシロクマの氷山と同じように、来園者たちの美的欲求を満たす舞台としての側面があるはずだ。
戯曲の題名は「野生」で、用意されたいくつもの舞台の上で動物たちは役者として配置されている。そして、観客である来園者たちは、そこにアフリカの草原やアジアの密林を歩きまわる動物たちの姿を夢想する。
カラー作品。

作者のプロフィール

1976年東京生まれ。米国サンフランシスコ州立大学芸術学部映画学科卒業。現地の日系新聞社にてカメラマンを経験。帰国後、写真家のアシスタントを経て、現在フリーで活動中。

石川 武志

写真
ガンガー巡礼
5/12 (木) ~5/18 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

世界でガンジス河ほど信仰の対象になった河があるだろうか。インドの人たちはガンジス河のことを敬愛を込めて「ガンガーマタジー」と呼ぶ。「母なるガンガー」とか「女神ガンガー」という意味で、まさしく母なる大河なのである。
ヒマラヤの氷をその源とするガンジス河は、約3000キロに及ぶインド大陸の旅を終えてベンガル湾に注ぐ。その上流から下流までには数え切れない聖地や寺院があり、絶えず祭りや儀礼が行われ、女神ガンガーをはじめ多くの神々や悪霊、聖人、動物たちが登場して神話が演じられている。ここでは河そのものがまさしく巨大な劇場であり宇宙でもあるのだ。
人々は「聖なる河ガンガーの聖なる水で沐浴すればすべての罪は浄化され、ここで死んで、遺灰がガンジスに流されれば、輪廻からの解脱が得られる」と信じられていて、この河を目指し、巡礼という形で劇場に参加する。
作者が最初にガンジス河を訪れたのは1980年のことである。以後何度もインドに通った。あるときはヒマラヤの聖峰の洞窟で、あるときはベンガル湾に注ぐ河口の島で、あるいは12年に一度行われるクンブメーラという大祭では、裸体に牛糞を焼いた灰を塗ったサドゥーたちと多くの時間を過ごし、またヒンドゥー教徒のようにガンガーを彷徨した。
以来30年に及ぶ作者のガンガーを巡る旅は、幻想と現実、生と死、神聖と穢れ、彼岸と此岸との間を交錯する巡礼の旅であり、展示する写真はガンガー巡礼の叙事詩でもある。
モノクロ約50点。

作者のプロフィール

1950年生まれ。72年東京写真学校卒業。71~75年ユージン・スミスの「水俣プロジェクト」でアシスタントを務める。75年渡米。以後フリーランスとなる。78年シルクロードの取材を機に、以後アジアの祭りや民族、宗教、遺跡などを取材。80年インドでガンガーの取材を開始。82年インドのトランスジェンダーの世界「ヒジュラ」の取材を開始。85年よりインド、アジアや南米などの世界遺産や宗教、文化を取材、現在に至る。
写真展に、83年「ヨーギ」(新宿ニコンサロン)、85年「ヒジュラ」(ミノルタ・フォトスペース)、2008年「ヒジュラ・インド第三の性」(外国人特派員協会)があり、出版物に、95年「ヒジュラ・インド第三の性」、98年「アジアの奇祭」(以上青弓社)などがある。

大阪写真月間2011

写真
大阪写真月間10周年特別企画写真展
「大阪」-写真家によって生きられた街-
5/19 (木) ~5/25 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

関西における写真文化向上と発展を目的とした大阪写真月間は2002年に第1回を開催し、今年記念すべき10周年を迎える。本展は、この節目の年に「写真家150人の一坪展」をはじめとする恒例の企画に加え、開催地である「大阪」をテーマとした特別企画展である。
展示する作品は、井上青龍氏、森山大道氏、百々俊二氏、妹尾豊孝氏の、4人の写真家がそれぞれの視点で「大阪と言う場」と真正面から対峙し、「写真家によって生きられた街」としての大阪を、多くの人に見ていただこうという主旨のもとに企画したものである。1960年代から現在まで、時代によって変遷する都市「大阪」を写真作品によって俯瞰的に見る試みでもある。
写真家の記憶が都市の記憶となっていき、そこに写真の持つ大きな力がある。また、これらの作品は4人の写真家が街を歩き、人や事物、場と出会い、その出会いの中で撮影したものだが、それは彼ら写真家が大阪という街と共に生きた証しでもある。
■出品作家と作品(五十音順)
井上青龍氏(故人・写真集「釜ヶ崎」1985年)
妹尾豊孝氏(「大阪環状線海まわり」1993年)
百々俊二氏(写真集「新世界・むかしも今も」1986年、「大阪」2010年)
森山大道氏(写真集「大阪+」2007年)

大阪写真月間2011

写真
写真家150人の一坪展
5/26 (木) ~6/1 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

写真文化の発展と普及に寄与することを目的に、毎年6月1日の「写真の日」を中心とした期間に東京と大阪で開催されるのが「写真月間」である。
「大阪写真月間」は2000年の暮れに「東京写真月間」(日本写真協会主催)の呼びかけに応じてスタートし、02年6月に初めて「大阪写真月間2002」を開催した。
今年の「大阪写真月間2011」は10年目となり、本年も大阪市内のギャラリー5カ所を使い、写真家約150人が一人一坪(1.8m四方)を使って展示する「写真家150人の一坪展」と、一般の写真愛好家1000人が1人1枚を展示する「私のこの一枚・1000人の写真展」の二つの写真展のほか、高校生による「ハイスクール・フォトアワード」、「小学生のための写真教室」や記念シンポジウムなどを併催する。
メインイベントである本展の特色は、写真を表現手段として作品を制作している人なら、作品内容や方法はもちろんのこと、年齢、性別、国籍、職業などに関係なく参加できるところにある。また、展示するギャラリーや壁面の場所も抽選で決定するので、いっさいの審査や選別は行わない。写真展にポリシーやテーマを求める人は、この何でもありの写真展に「展としてのポリシーがない」という異論を唱えることもあるが、80歳を超える超ベテラン作品の横に、孫のような18歳がはじけるような写真を並べる、そんなお好み焼き的「ごちゃ混ぜ感」が本展の魅力である。
この「写真家150人の一坪展」では、観客は内容も方法も異なる150の写真表現作品に出会うことになり、150の個性の中に、きっと気に入る作品があるはずである。

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