Nikon Imaging
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ニコンサロン bis 大阪 2011年1月

年末年始休館
12/30 (木) ~1/4 (火)
写真
関西スポーツ紙カメラマン写真展
1/5 (水) ~1/12 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

今回の写真展に集まった写真は、関西スポーツ紙写真部長会加盟社(スポーツニッポン、日刊スポーツ、デイリースポーツ、サンケイスポーツ、報知新聞、共同通信、中日スポーツ、大阪スポーツ)のカメラマンが、2009年12月から2010年12月上旬までの間に撮影した力作である。
内容は、プロ野球、アマチュアスポーツ、芸能、社会などだが、各社の若手カメラマンの育成を主眼に選考した作品で、この1年間をふり返ることができる。

関西スポーツ紙写真部長会のプロフィール

1977年、在阪スポーツ紙(日刊スポーツ、報知新聞、スポーツニッポン、サンケイスポーツ、デイリースポーツ)の5社の写真部長により“関西スポーツ紙写真部長会”が発足。81年には共同通信、中日スポーツの2社が参加、95年度には大阪スポーツ新聞社が参加、以後8社の写真部長が例会および総会(年間最優秀賞選考会)を今日まで行ってきた。年間の最優秀賞選考と表彰が行われてきたが、今回のような写真展は20回目である。

juna21 第12回三木淳賞受賞作品展
金川 晋吾

写真
father
1/13 (木) ~1/19 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

これは父親を撮った作品である。
ある日突然いなくなり、数ヶ月間姿が見えなくなる。そのような「蒸発」を繰り返し続けることで、彼の父は何もない人間になった。財産も、他人との関係性も、自分の考えも、何もない。
何もない人間になること。それはおそらく父自身が望んだことだ。何もない人間になれば、自分のことについても、自分のことを考えてくれる他人についても、考える必要がなくなるのだから。
ある作家が次のようなことを書いていた。
「もし他人のことをほんのわずかでも知ることができるとしたら、それはその他人が自分を知られることを拒まない限りにおいてだ。もし寒いときに、『寒い』と言うことも震えることもしない人間がいたとしたら、私たちはその人間を外から観察するしかない。ただし、その観察から何か意味が見出せるかどうかはまた別の問題だが」
父親は寒いときに震えることはすると彼は思う。だが、「なぜ震えているのか」と尋ねられても、父親は「わからない」と答えるだろう。本当にわからないのか、それともただ考えたくないのか、それは他人からはわからない。おそらく、本人もわかっていない。カラー17点。

授賞理由

作者の父親は蒸発を繰り返し「財産も、他人との関係性も、自分の考えも、何もない」人間になったという。本作品はその父親を撮ったものだが、これが数多ある「親を撮った」写真と一線を画しているのは、そうした状況の特殊性によるわけでは必ずしもない。ぼんやりと宙を見つめる父親の姿、雑然とした室内、書き残されたメモ――断片的なイメージの連なりから浮かび上がるのは、確かな父親という像ではなく、いわばがらんどうの、人間の中にぽっかりと口を開けた空洞である。作者は、父親にカメラを向けることで意味を付与するのではなく、そこに執拗にまとわりつくイメージや意味をはぎとりつつ、静謐でリリカルな映像によってその空洞を指し示している。
それでもなお、世界は父親に名前を与え、意味を与え続けることだろう。作者の父親にとって、生きるとはそのような世界からの絶えざる逃避であるが、そうであればこそ、じつは本作品こそが「何もない人間であること」を望む父親が存在し得る類稀な場でもあるのかもしれない。そう思わせるのは、ひとえに本作品の完成度の高さゆえである。

作者のプロフィール

写真

1981年京都府生まれ。神戸大学卒業。第26回、28回写真「ひとつぼ」展入選。現在東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程在籍。

juna21 第12回三木淳賞奨励賞受賞作品展
ライアン・リブレ(RYAN LIBRE)

写真
Portraits of Independence: Inside the Kachin Independence Army
(独立の肖像:カチン独立運動の内側から)
1/20 (木) ~1/26 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

人々が抑圧されるビルマ(現:ミャンマー)で、民族的にも宗教的にもより厳しく抑圧されている少数民族―カチン族。
カチンの政治的リーダーは、ミャンマーの軍事政府に対して信念を持って交渉しており、その態度を見てカチンの一般市民は、勇気と誇りを持ち続けることができる。
カチンの牧師は、信仰を人々に誠実に語り、一般市民は、共に支えあいながら強く生きている。とくに学生は、カチンを平和でよりよい未来にするために強い決意と切迫感を持って学習している。
写真は、中国との国境に位置し、カチン独立軍の支配下にある「フリーカチン」(カチン族が民族自決により生きられる土地)の今を伝えるものだ。
私はこの作品を通して「強さと信念」「真摯さと決意」、そして「刻苦と地球上で最も暗澹とした国のひとつが放つ希望」をみなさんと共有したい。カラー40点。

授賞理由

本作品は、ミャンマー最北にあるカチン州において撮られた貴重なドキュメンタリーである。日本ではミャンマーの少数民族問題について得られる情報は大変限られているが、現地では長年カチン独立機構と政府との間で内戦が続いていた。94年に停戦が締結されたものの、簡単に緊張が解けるはずもなく、現在もなお内戦勃発の危険にさらされている。作者は3ヶ月にわたって取材を行ない、そこで誇りを持って暮らす人々の姿を丹念に記録している。作者はその写真をさらに詳細な文字情報と組み合わせ、写真と言葉の双方を活用した「読む」展覧会を作り上げた。その行動力だけではなく、その成果を伝達するための丁寧な工夫が写真展において遺憾なく発揮されたことは、高く評価されてよい。
近年、日本はアジアの一員としてますますその認識を強く問われているが、その意味でも本作品の内容は、マスメディアを通してはほとんど手に入ることのない貴重な情報を含むものであるだけに意義深い。その行動力と伝達力に今後さらなる磨きがかかることを期待したい。

作者のプロフィール

写真

カリフォルニア北部生まれ。アメリカ陸軍を離隊後、平和研究で学位を取得。日本と東南アジアに5年ずつ暮らしていた経験がある。
自らの長期プロジェクトを中心に活動しており、撮影対象者を理解するために膨大な時間を費やす一方で、画像の後処理にはほとんど時間をかけない。
これまでに、富士フイルムフォトサロン(札幌)、タイや日本の外国人記者クラブ、ニコンサロンで写真展を開催。
また、ピュリツァーセンターからカチン族の苦闘を記録するための助成金も受けている。
プロジェクトや写真指導以外の時間は、タイ北部にある日干しレンガづくりの家制作を楽しんでいる。

写真
日本写真映像専門学校卒業制作選抜展
1/27 (木) ~2/2 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真学科2年生では、写真表現コースと営業写真コースに分かれており、それぞれに課題がある。写真表現コースでは「広告」「ファッション」「スタジオライティング」を学び、営業写真コースでは写真館やホテルブライダルフォト等の業界を目指し、ポートレート写真を学んでいる。また、銀塩写真、デジタル写真、または様々な手法を見つけ出し、さらに挑戦していく卒業生の作品展である。
デジタル写真が多くなってきている中で、フィルムを使用し、手焼きでプリントしたり、カラー、モノクロ等、自分自身は何が好きで、何を撮影したいということを気づくことができた学生もいれば、デジタルカメラのみでずっと作品を制作している学生がいたり、新しい技法、昔からの撮影技法を使って表現していく学生がいたり様々で、個性的な作品が仕上がっている。
本展では、「写真を撮ることが好き」というきっかけで始まった写真撮影だが、カメラを持ち歩き、写真を撮り続けた2年間の集大成としての卒業制作では、より選抜された作品を展示する。

団体のプロフィール

日本写真映像専門学校は写真学科、映像学科、ホテルブライダル学科、フォトファイン学科(夜間)に分かれており、写真学科は2年次に写真表現コースと営業写真コースに分かれる。写真表現コースは、主に広告写真・ファッション・スタジオライティングを学び、営業写真コースは、主にポートレート写真を学び、就職先の写真館やホテル、ブライダルフォト等の業界を目指し、日々学習している。
卒業生:梅 佳代・浅田政志

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