高橋 あい
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ヤマ・ムラ・ノラ 子どもたちの 未来の子どもへ
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11/25 (木)
~12/1 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
松山市から車で1時間、西日本最高峰石鎚山の麓に位置する愛媛県久万高原町は、平均標高800mと山深く、四国の中でも珍しく雪の降る地域にあたる。数年前までは、林業を主な産業として賑わっていたが、「平成の大合併」と呼ばれる5年前の町村合併や国産木材価格暴落に伴い、仕事が減り、土地離れをする住民は少なくない。
植林を施された久万の「山」は人間のエネルギーで作られた「山」である。ネイティブアメリカンの教えに「風景というのは、出来事なのだ」という言葉がある。その出来事は体感として伝わってくる。人々は山と共に暮らし、風景を作ってきたのだ。観光地だと旗をあげなくても、流れ星が流れ、ホタルが飛び交う。この土地に住む人にとっては当たり前の光の流れに、作者は何度も立ち止まった。
秋祭りやお正月に、帰る場所のあることの温かさは何にも代え難いものである。作者はその温かさが永劫であることを願ってやまない。写真に写される風景と写らなかった風景を土地の人に尋ねながら、土地の実相を知りたいと思っている。
なお、展示する作品は久万高原町立美術館2009年度自主企画展「帰去来今」展(出展者:萱原里砂・笹岡啓子・高橋あい)のために制作および発表した作品をもとに制作したシリーズである。
作者のプロフィール
高橋 あい(タカハシ アイ)
1980年東京生まれ。2003年多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業。ギャラリー(イル・テンポ)、多摩美術大学情報デザイン学科研究室勤務を経て、08年東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻に在籍(10年3月修了)。写真の他に、ドキュメンタリー映画や舞台の制作も行う。知的障害者と健常者のグループ「がやがや」での活動として、08年度明治安田生命支援事業・エイブル・アートオンステージにて、鶴見幸代・山田珠実・小島希里らとともに舞台作品を発表。また、08年より映画「久高オデッセイ生章」の演出助手を務めたことをきっかけに沖縄県の取材を始める。現在は沖縄大学地域研究所特別研究員として沖縄県久高島やアイヌ文化の撮影を継続して行っている。
作品は、二人展「私展―淡い光の中で」(PLACE M)、グループ展「をちこち」(多摩美術大学)などで発表している。
寺本 真弓
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Diary 曇り、ときどき晴れ
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12/2 (木)
~12/8 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
2008年の夏。作者は自分に起こっているすべての事が息苦しかった。そんな時、アメリカ行きの話が舞い込んだ。なんでもやってみよう、そう思い40日間日本を離れた。
からっとした空気、大きな空、手足を伸ばし、深呼吸。日常との違いを楽しんだ。新しい出会い、新しい空気に触れ、作者自身、自分も変われるような気がした。
それでも、しばらくして旅に慣れてくると、日本にいる時のように、不器用で言いたい事がうまく伝えられない自分がそこにいた。こんなはずじゃない、どうしたらいいのだろう。気がつくと息苦しかった。
気持ちとは関係なく続く旅の中で、日々飛び込んでくる目新しい色、カタチ、風景。そのひとつひとつにカメラを向ける事で、作者は立ち止まることなく前に進む事が出来た。
展示する作品は、アメリカ西部約6,700マイル(約10,720キロ)、見飽きる事のない風景を作者が撮り続けたものである。カラー約40点。
作者のプロフィール
寺本 真弓(テラモト マユミ)
東京都生まれ。1995年桑沢デザイン研究所II部ビジュアルデザイン科卒業。
写真展に、1997年「晴れた日に」(コニカプラザ 新しい写真家登場)がある。
細川 和良
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混在する時間 -大阪中之島-
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12/9 (木)
~12/15 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
大阪市の中枢である中之島はかつて、なにわの豪商たちの蔵や船着場がひしめきあい、人間臭く賑わった中洲だった。現代の中之島は、大阪の持つ賑やかな下町のイメージはなく、洗練された都会の印象だ。ここ数年前からは、中之島公園・ダイビル・フェスティバルホール等々、大規模な再開発が進み、水都大阪のシンボルとして生まれ変わろうとしている。
日々変化していく景観。人工物に限らず、森羅万象は常に上書きされていく。
展示するこれらの作品は、2009年7月から2010年6月までの1年間の中之島の、刻の断片を上書き保存したものである。
デジタルの語源は“指”をさすが、作者は、アナログの極みの“指”から想像できないデジタル数値化されたピクセルの集合体を手作業で紡ぎ合わせて、終わりのない断片上書きを続けている。カラー25点。
作者のプロフィール
細川 和良(ホソカワ カズヨシ)
1948年生まれ。1992年JPS(日本写真家協会)展金賞受賞。梅田フォトカルチャー講師。日本写真家協会会員。
写真展に、89年「ラムネ色のロンド」、91年「海からの手紙」、92年「Puka puka」、94年「Puka puka II」、97年「CLASSIC IN LADIGUE ―曲線の譜―」、2005年、08年、10年「ティアレ香るタヒチ」(以上の個展を大阪・東京フジフォトサロン等で開催)。その他グループ展多数。写真集に『Puka puka』(京都書院刊)がある。
百々 俊二
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大阪
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12/16 (木)
~12/29 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作者は、そろそろ自分が半世紀を生きた大阪をちゃんと撮らなければと思いながらも、方法が見つからずにいた。そこで、ここまでデジタル化が進んでしまったからには、長年こだわり楽しんできたモノクロプリントで、8×10のカメラを据えて大阪の町としっかり向き合ってみようと考えた。そして、自分の記憶がある場所から撮っていこうと決めた。つまり、作者の記憶の大阪である。
記憶といっても、もちろん写真では「今」を撮ることしかできない。「こういう場所もあったなぁ」と思い出しながら、場所の磁力に呼び寄せられるように歩いた。
最初に訪ねたのは作者が生まれた場所であったが、1947年当時の四軒長屋がまだあった。驚くと同時に、小学生のころの記憶がだ~ッと甦ってきた。そして、背中を押されるように撮影に入り込むことができた。
忘れていた記憶=無意識を呼び覚まし、大阪を<見る>という行為を軸として、あらためて大阪を<知る>ことを始めた。モノクロ70点。
作者のプロフィール
百々 俊二(ドド シュンジ)
1947年大阪生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。70年東京写真専門学校教員。72年大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校・大阪)教員。98年同校学校長に就任。96年「楽土紀伊半島」で日本写真協会年度賞受賞。99年「千年楽土」で第24回伊奈信男賞受賞。2007年日本写真芸術学会芸術賞受賞。
著書:『地平』1~10号(1971~77)、『新世界むかしも今も』長征社(1986)、『HORIZON』共著(1993)、『楽土紀伊半島』ブレーンセンター(1995)、『千年楽土』同(1999)、『沙羅双樹』組画(2003)、『花母』Gallery OUT of PLACE(2006)、『菜園+桜』VACUUM PRESS(2009)、『大阪』青幻舎(2010)
主な個展:78年「大阪・天王寺」、85年「新世界むかしも今も」、92年「衆生遊楽バンコク」(以上、銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、95~96年「楽土紀伊半島」(新宿・大阪・札幌コニカプラザ)、99年「千年楽土」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、2000年「千年楽土紀伊半島」(奈良写真美術館)、01年「.com NEW YORK」(新宿ニコンサロン)、03年「沙羅双樹」(ビジュアルアーツギャラリー)、06年「花母」(Gallery. OUT of PLACE)、07年「花母」「ベジタブル・キッチン」(gallery bauhaus東京)、「Ha-Ha」(Focale Galerie ロカルノ、スイス )など。