百々俊二
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大阪
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11/24 (水)
~12/7 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作者は、そろそろ自分が半世紀を生きた大阪をちゃんと撮らなければと思いながらも、方法が見つからずにいた。そこで、ここまでデジタル化が進んでしまったからには、長年こだわり楽しんできたモノクロプリントで、8×10のカメラを据えて大阪の町としっかり向き合ってみようと考えた。そして、自分の記憶がある場所から撮っていこうと決めた。つまり、作者の記憶の大阪である。
記憶といっても、もちろん写真では「今」を撮ることしかできない。「こういう場所もあったなぁ」と思い出しながら、場所の磁力に呼び寄せられるように歩いた。
最初に訪ねたのは作者が生まれた場所であったが、1947年当時の四軒長屋がまだあった。驚くと同時に、小学生のころの記憶がだ~ッと甦ってきた。そして、背中を押されるように撮影に入り込むことができた。
忘れていた記憶=無意識を呼び覚まし、大阪を<見る>という行為を軸として、あらためて大阪を<知る>ことを始めた。モノクロ70点。
作者のプロフィール
百々 俊二(ドド シュンジ)
1947年大阪生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。70年東京写真専門学校教員。72年大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校・大阪)教員。98年同校学校長に就任。96年「楽土紀伊半島」で日本写真協会年度賞受賞。99年「千年楽土」で第24回伊奈信男賞受賞。2007年日本写真芸術学会芸術賞受賞。
著書:『地平』1~10号(1971~77)、『新世界むかしも今も』長征社(1986)、『HORIZON』共著(1993)、『楽土紀伊半島』ブレーンセンター(1995)、『千年楽土』同(1999)、『沙羅双樹』組画(2003)、『花母』Gallery OUT of PLACE(2006)、『菜園+桜』VACUUM PRESS(2009)、『大阪』青幻舎(2010)
主な個展:78年「大阪・天王寺」、85年「新世界むかしも今も」、92年「衆生遊楽バンコク」(以上、銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、95~96年「楽土紀伊半島」(新宿・大阪・札幌コニカプラザ)、99年「千年楽土」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、2000年「千年楽土紀伊半島」(奈良写真美術館)、01年「.com NEW YORK」(新宿ニコンサロン)、03年「沙羅双樹」(ビジュアルアーツギャラリー)、06年「花母」(Gallery. OUT of PLACE)、07年「花母」「ベジタブル・キッチン」(gallery bauhaus東京)、「Ha-Ha」(Focale Galerie ロカルノ、スイス )など。
永山 昌克
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チャイニーズ・ウェスタン
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12/8 (水)
~12/14 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
中国の西、ユーラシア大陸の中央に広がる青蔵高原の平均標高は4000メートルを超え、酸素濃度は平地の約60%である。頭はズキンズキンと脈打つように痛み、ときどき吐き気やめまいが襲ってくる。しかし、そこに住む彼や彼女に出会った瞬間には、そんな苦しさは一気に吹き飛ぶ。
西部劇のようなカウボーイハットの男がいたかと思えば、珊瑚や琥珀のアクセサリーをじゃらじゃらと揺らしながら歩く女がいる。極彩色の法衣をまとった修行僧の横を、ヤクの毛皮で身を包んだライダーが走る抜ける。ファッションセンスの奇抜さでは、渋谷あたりといい勝負かもしれない。顔の作りも日本人と大差ない。でも圧倒的に違うのは、カメラを向けた時に見せる自信に満ちた表情だ。見つめられると、こちらまで元気になる。人間だけじゃない。道路ではヒツジの群れに通行をふさがれ、山に登れば死体をついばむハゲワシに遭遇する。そんな映画のような光景がここでは日常だ。
本展では、中国西部の青海省から甘孜蔵族自治州にかけて旅をして、そこで出会った人々と風景を撮影した作品を展示する。モノクロ50点。
作者のプロフィール
1966年大阪生まれ。89年早稲田大学卒業。写真スタジオを経て、出版社写真部に勤務。2000年フリーランスのフォトグラファーとして独立。03年中国語を学び、中国各地を放浪。
羽幹 昌弘
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とうもろこしの人間たち グァテマラ1981~2008
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12/15 (水)
~12/29 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
グァテマラは壮麗な文化の花開いた古代マヤ族の末裔が国民の約半数を占め、今なおマヤの言語を話し、その風習を連綿と守り続けている。そして、マヤ・キチエ族の遺産である神話「ポポル・ヴフ」には、天地万物の創造に始まり、人類の形成から発展及び伝承が語られている。
トウモロコシは、神々がそれを用いて最初の人間を創造したとされ、殊に神聖視されており、この神話と歴史はマヤの人々の意識や儀礼の中に色濃く残されている。現代人が忘れてしまった動物や自然への神秘や畏敬の念が人々の内に息づいており、グァテマラを訪れると、自然に対する感応力を目覚めさせてくれる。
スペイン人の侵略と共に持ち込まれたキリスト教は広く布教し、人々は敬虔なカトリック信者となったが、近年原住民の民族文化がインデヘニスモ(原住民主義)の動向の高まりとともに徐々に明らかにされつつあり、シャーマン達が使用している神聖暦による儀式も増してきている。
モノクロ49点。
作者のプロフィール
1943年東京生まれ。69年東京綜合写真専門学校卒業。72年㈱パイオニア宣伝部を経てフリーに。日本写真家協会会員。
主な写真展に、85年「天地礼讃」(東京ナガセフォトサロン)、86年同(大阪ナガセフォトサロン)、屋須弘平・羽幹昌弘二人展「ある古都の一世紀」(東京デザイナーズスペース フォトギャラリー)、92年「マリア・マリア」(平永町橋ギャラリー)、94年「神の庭」(オリンパスギャラリー)などがある。