Nikon Imaging
Japan
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新宿ニコンサロン 2010年6月

juna21 山下 隆博

写真
Suicide Spiral
―tears and birds twittering―
6/1 (火) ~6/7 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

インド中部、デカン高原に位置するヴィダルバ地区。ここは古くから綿花栽培地帯として有名であった。しかし、現在では年間1000人以上の人達が自ら死を選ぶことから、自殺地帯として有名になってしまった。
自殺の主な理由として考えられるていのは、多国籍企業の持ち込んだハイブリッド種子や遺伝子組み換え種子の導入に伴う綿花栽培のコストの上昇、WTOのルールを無視したアメリカ政府の自国農家に対する補助金によって起こる国際綿花価格の下落、インド政府の経済援助及び技術援助の不備、ヒンデゥー社会における独特の風習、天候不順などである。
しかし作者は、これらは自殺のきっかけではあるが根本要因ではなく、むしろその原因は、そこに流れているある種の日常性にあるのではないか、と思う。
それは、表面的には実に牧歌的で、どこか作者の田舎を思わせる穏やかな風景だが、一歩踏み込んで話を聞くと、そこは悲しみの中心であるかのように感じられた。
作者は、そんな日常が10年以上にもわたって続いてきたということに、違和感を覚えずにはいられない。カラー約30点。

作者のプロフィール

山下 隆博(ヤマシタ タカヒロ)
1984年北海道生まれ。2005年日本写真芸術専門学校二部卒業。鈴木邦弘氏に師事。07年コニカミノルタフォトプレミオ入選。
写真展に、07年「多摩川の陽々」(コニカミノルタプラザ)、09年「この流れの彼方」(トーテムポールフォトギャラリー)などがある。

Languillier Bernard

写真
LIGHTS OF JAPAN
6/8 (火) ~6/21 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

作者は10年前から日本の山々を歩きまわり、四季折々の高山風景写真を撮ってきた。作品は、驚くほどきれいな日本の自然への敬意が、作者自身の感動と技術力により表現されており、今回展示されるのは南北アルプス、裏磐梯、沖縄で撮影されたものである。
光とコンポジションは風景写真の基礎となるが、より良いプリントを出力するためには画質のクオリティが必須である。それを作者は、細部の再現性が非常によく、DSLRだけでも大判カメラを超えた画質が実現できるスティッチングというデジタル技術を使用することでクリアしており、撮影時に感じた“光”がそのまま残っている。その結果、自然な感覚をもたらすカンバスプリントと高画質が融合し、これら作品をとおして日本の素晴らしい風景を再発見をすることができる。カラー13点・モノクロ8点。

作者のプロフィール

LANGUILLIER BERNARD(ランギリエ ベルナール)
1972年ベルギー生まれ。97年来日後、まもなく登山を開始し、ともに山の写真にも興味を持ち始める。日本以外ではネパール、中国、ニュージーランドなどでも山岳写真を撮影している。

juna21 大河原 光

写真
Monuments
6/22 (火) ~6/28 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

東京には、自治体によって管理された霊園や、お寺に付属している墓地が多くある。
墓石は、慰霊碑として故人を記録し、故人とその人に関わる人々の想いを記憶する。そして、記憶させることで人々が想いを忘れておくための装置として機能している。
墓地は、人々の記憶が集積している場所として、周囲の環境と区分される。周囲の環境は、そこに在る建造物とともに、私たちの日常生活の場として機能し、現実的な意味をおびている。
しかし作者は、ひとつの図像として写しだされた都市風景、建造物は、「写真」になることで、私たちが生活する場としての機能と意味を失い、視覚化されたモニュメントとして立ち返ってくるのではないか、と考える。モノクロ30点。

作者のプロフィール

大河原 光(オオカワラ ヒカリ)
1988年生まれ。2010年3月日本写真芸術専門学校写真科フォトアートコース卒業。

清水 さち子

写真
大間 to Pu ~視点
6/29 (火) ~7/12 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

青森県大間町の原子力発電所建設予定地内の炉心近くに、一人の地元の女性の畑と土地が守られている。ただこの豊かな海や森や土地を守りたいという思いで、一人土地を守ってきたこの女性は熊谷あさ子という。
作者が初めてこの地を訪れたのは2006年12月だったが、熊谷さんはこの年の初夏に亡くなられ、残念ながら作者は熊谷さんとは一度も会ったことはない。今は、彼女の遺志を継いで家族がそこを守っている。
原子力発電所は、もともと大間の町の人達の畑があったところに建設されたが、そこには白い砂浜が続く白砂海岸があり、その海岸線から丘陵になっている場所だ。これらの場所に実際に建設の手が入ったのは2001年からだが、大間の町に原子力発電所の建設計画が起きたのは1976年のことで、この長い期間に残ったのは熊谷さんの土地だけだった。作者がカメラを向けたのは、その場所である。
作品は、2006年12月から2009年5月までの、その畑や周辺の模様を撮影したものである。カラー作品。
※タイトルの「Pu」は、プルトニウムの元素記号。

作者のプロフィール

清水 さち子(シミズ サチコ)
1969年岐阜市生まれ。92年群馬県立女子大学美学美術史学科卒業。97年東京綜合写真専門学校夜間部卒業。99年同校研究科卒業。
写真展に、99年「いつもみている夜」(ゆう画廊)、2001年「夜―2、3」(ギャラリー コピス)、06年「夜―3と4」(再春館ギャラリー)、07年「TO PU」(現代ハイツギャラリーDEN)―以上個展、00年「12 43 写真展」(ギャラリー イセヨシ)、01年「夜―2」(エッグギャラリー)、03年「写真展」(ギャラリー コピス)、08年「Life with music」(ギャラリー スコット)、09年「はなしゃしん」(ビタミンTee)―以上グループ展等―などがある。

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