銀座ニコンサロン

臼田健二展
[Water Way]
3/4 (水)～3/17 (火)
10：00～19：00（最終日は16：00まで）
会期中無休

＜写真展内容＞
作者の住んでいる北海道中央部の東川町周辺は稲作が盛んであり、あちこちで農業用の用水路を見ることができる。
これは田んぼに水を引くためのものなので、田植えが始まる５月から刈り取りが始まる９月までの短い間だけ水が流れるという期間限定の人工の水の流れである。
また用水路と言っても、北海道の稲作の歴史は本州に比べ浅いためか、かなり大きなものもあり近代的な感じがする。
これらは人工物であり、本来ならば自然とは相反する存在であるはずなのだけれど、時間の流れの中で、まるで自然の中に少しずつ取り込まれるかのように独特な風景を形作っていく。
本来は自然の中に存在しないはずの直線や四角形などの幾何学的な形やコンクリートの無機質な質感、浸食された領域を元の姿に戻そうとするかのような植物の生命力、そして漂う・流れる・落ちると様々に変化する水の流れ…。それらが相まって、ここには独特の美しさが存在するのだ。モノクロ約40点。

＜作者のプロフィール＞
臼田健二（ウスダケンジ）
1962年静岡県生まれ。92年北海道東川町に移住。
写真展に、2007年インディペンデンス展、08年同展(以上東川文化ギャラリー)などがある。