新宿ニコンサロン

清宮懋展
[しゃぼん玉の中の小さな世界 “The Small World in Soap Bubble”]
11/11 (火)～11/24 (月)
10：00～19：00（最終日は16：00まで）
会期中無休

＜写真展内容＞
しゃぼん玉に顔を寄せ、少し倍率の高いルーペで仔細に観察すると、膜の中で揺れ動く「サイケデリックな色彩と造形の世界」の美しさに息を呑む。
抽象絵画と見紛う色や模様は、紛れもない具象の現象そのものであるのだが、私たちが日常眺める雲や水の流れとは全く異質の不思議の世界を覗き見るようで、神秘的な印象すら受ける。
こうした科学写真のジャンルにも類するような写真では、画像情報の量と再現性が求められ、通常、構図や配色の良し悪しなど感覚的要因は評価の対象外とされる。
本展で示す「しゃぼん玉」の近接撮影にあたって、作者は、科学的好奇心を充分満たす画像であることは勿論、こうした流動図形を初めて眺めた時の神秘的な現象を見た感動を何とか表すことができないものかと考え、少ない自由度の中で、シャッターチャンスや構図・配色を選ぶように努めている。一点一点が、アートとサイエンスの壁を超越して楽しめる作品となっているであろうか。カラー約70点。
〔本展の主題に関連した作者のエッセイ〕
　1.「画に描かれた水の表面の動態」(「表面45」(2007))
　2.「癒しのインスタレーション：自動振動瀧」(「表現科学散歩」(2007))
　3.「サイエンスの美学」(「表面46」(2008))

＜作者のプロフィール＞
清宮懋（セイミヤツトム）
1933年東京生まれ。55年東京都立大学理学部化学科（物理化学専攻）卒業。57年同大学大学院理学研究科修士課程修了。67年東京都立大学理学部化学教室教授就任（物理化学第二講座担当）。97年同大学定年退職。現在、東京都立大学（現首都大学東京）名誉教授。日本油化学会・界面化学部会会長、日本化学会・コロイド及び界面化学部会部会長などを歴任。