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山崎 節男展 [海のセラピー 2]
10/30 (木)~11/5 (水)
11:00~19:00(最終日は15:00まで)
会期中無休 |
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<写真展内容>
それほど良くない頭であれこれと悩んだ末に、作者はついに分裂病になってしまった。その嵐の中で、混沌こそが悪で、秩序こそが神の摂理であると実感し、そして神と対立する悪など存在できるわけがないと知ったとき、病から立ちなおる気になったという。
海を写真に撮ることは、作者にとって現実に帰るための癒しであったと同時に、もうひとつの秘めた想いがあった。川にたとえられる人の営みという歴史的な流れ、それがどこに向かうのかを知りたかった作者は、その答えを病の中で見つけたという。川は海に至るのだと。地図で見れば、さまざまな方向に向かっているように見える川の流れも、上から下へと進む垂直のベクトルの力に従っているにすぎない。人もそうだ。複雑な流れが絡み合っているようで、しかしすべての人は同じ方へ、良き方に進もうとしている。つまり、その流れはあらゆる価値観を合流し、いつしか水平線の地である海に至るのだと作者は思っている。
前回の写真展ではそこに迷いがあったが、今はすべて明瞭になったと作者は言う。「流れを複雑にしているのは人の愚かさであり、だとすれば時がすべてを解決することに気づいたから」そして「展示された写真から海に向かう流れを少しでも感じてもらえたらうれしい」と。モノクロ50点。 |
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<作者のプロフィール>
山崎 節男(ヤマザキ セツオ)
1961年生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業。
おもな写真展に、94年「ZANSKAR」、97年「ココナッツクラブ」、99年「チベットの人・影」(以上、銀座ニコンサロン)、07年「海のセラピー」(新宿ニコンサロン)などがある。 |
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