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染谷 學展 [温泉の町]
10/15 (水)~10/28 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休 |
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<写真展内容>
作者は子供の頃、共働きだった母親の勤める小さな会社の慰安旅行に連れて行かれたことがある。そこがどこであったのかは作者の記憶にはないが、夏の終わりの蒸暑さや、はじめて着た浴衣の感触、そして普段とは違った大人たちの様子などを覚えている。
「ここは温泉なのよ」といわれたその町は、道が細く、背後には山が迫っていたように思われる。温泉街は、子供心にもどこかいかがわしい雰囲気を漂わせているようで、それが作者を不安にさせた。ホテルの裏には細い谷川が流れていて、弱々しく舞い上がる無数の蜉蝣の羽が西日に透けて見えた。山あいの夕暮れは早く、薄紫色に染まる空が、作者にはとても心細く感じられた。
大人になった作者は、温泉地を訪ね歩くようになった。温泉の町は少しやつれたような表情と、哀しさにも似た色香で作者の心をくすぐる。本展は、作者の温泉の町への想いを綴った作品約50点(モノクロ)を展示する。 |
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<作者のプロフィール>
染谷 學(ソメヤ マナブ)
1964年千葉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。カメラマン助手を経てフリーに。紀行・民俗を中心に作品を制作しており、現在はアジア、琉球列島をテーマに撮影を行っている。
おもな写真展に、95年「生きてゆくカレンの人々」(銀座ニコンサロン)、2000年「Calcutta」(コニカプラザ)、03年「海礁の柩」(ライトワークス)などがある。 |
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