Nikon Imaging
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新宿ニコンサロン


奥山 淳志展
[明日をつくる人]

9/16 (火)~9/29 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
作者は、北海道に暮らす井上弁造さんと出会って10年になる。今年89歳になる弁造さんは開拓民最後の世代の人で、約60年前に手作りで建てた小さな丸太小屋に暮らし、畑を耕し、森を育てている。いわゆる自給自足の生活者だ。
作者が弁造さんと出会った当初は、弁造さんの自給自足をテーマに写真を撮り始めた。しかし、それは作者のなかで出来上がっていたストーリーであり、予定調和を目指すだけの行為でしかなかった。それに気づいた作者は、迷いながらも弁造さんに会いに行くという行為を続けた。その結果(実に何年も経てのことだが)作者が弁造さんに求めていたことは、自給自足でもなんでもなく、自らの人生を作りあげるというその行為だったと気づいた。
人は常に「人生」に翻弄される。予定していたこと、計画していたこと以外の出来事に揺さぶられ、ときに傷つけられもする。それでも自分が自分の主人公であろうとするならば、その出来事にまっすぐ向き合うしかない。そこで何かを得ることもあるだろうが、失うことの方が多いかもしれない。耐えきれないと思うことも多いことだろう。それでも気丈な精神で自らを律し続けることができるか。
今、考えてみれば、弁造さんに教えてもらったことは明日を作ることの行為そのものだった。
春を迎えた北海道で、弁造さんは今、畑を耕しているのだろうか。それとも生涯の夢である絵描きへの思いをつなぐため、絵筆を握っているのだろうか。どちらの弁造さんにも、作者には明日をつくっている人の姿に見える。カラー約40点。



<作者のプロフィール>
奥山 淳志(オクヤマ アツシ)
1972年大阪生まれ。京都外国語大学卒業。東京で出版社に勤務した後、98年岩手県雫石に移住。以後雑誌媒体を中心に北東北の風土や文化を発表。近年はライフワークとして取り組んでいるフォトドキュメンタリー作品などを積極的に発表している。
(発表雑誌媒体:『フォトドキュメンタリーNIPPON』(ガーディアン・ガーデン)、『岩手旅街道』『手のひらの仕事』(以上岩手日報社)のほか、「季刊銀花」「アサヒカメラ」「ソトコト」「家庭画報」「風の旅人」「ダ・ヴィンチ」「Ways」「北東北エリアマガジンrakra」「トランヴェール」「てくり」「雫石応援マガジンtan-tan」など他多数)
写真展に、2005年「旅するクロイヌ」(up café/岩手)、06年「Country Songs ここで生きている」(ガーディアン・ガーデン/東京、ギャラリーヒラキン/岩手)などがある。
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