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大阪ニコンサロン


平敷 兼七展
[山羊の肺 沖縄1968-2005年]

6/12 (木)~6/25 (水)
11:00~19:00(最終日は15:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
山羊は沖縄の生き写しだ。気性はきまじめでおとなしく優しいのだが、最後にはその絶妙な味ゆえに殺され食べられてしまう。タイトルの「山羊の肺」は、沖縄の歴史と文化の象徴のようだ。
本展は、黙々と働いている名もなき人々、人生をマンガタミー(*)して底辺で生きる『職業婦人』、『渚の人々』、『沖縄戦で死んでいった人達のための「俑」』など1968~2005年の作品で構成されている。
写真のタイトルが面白い。〈脳は宇宙をかけめぐる〉、〈空き缶を拾いそれを売って家を作った人〉、〈好きな男が女の所から出てくるのを朝までまっている女性〉、〈双子を生み一人は家庭にとられ、もう一人をとられまいとして逃げ廻っている女性〉。
戦後の混乱のさなか、自ら生きていくために、あるいは家族の生活のために「職業婦人」となった女性たち。彼女たちは、沖縄が復興を遂げていく過程で次第に社会の「恥部」と見なされるようになり、村や家族からも排除されていった。写真には、「復興」と「復帰」の蔭で打ち捨てられた女性たちの姿が刻まれている。同時代をともに生き、被写体となった人々が平敷のカメラに向ける眼差しは、静かに深く見るものを見返す。
*人の不幸をみんな自分で背負うこと
―平敷兼七写真集刊行委員会
モノクロ約90点・カラー1点



<作者のプロフィール>
平敷 兼七(ヘシキ ケンシチ)
1948年沖縄今帰仁村上運天なきじんそんかみうんてん生まれ。69年東京写真大学工学部中退。『週刊ポスト』にて「祖国復帰を拒否する女達」を発表。72年東京綜合写真専門学校卒業。『カメラ毎日』3月号にて「故郷の沖縄」を発表。79年山城見信著『美尻毛原の神々』の写真を担当(宮城彦士氏とともに)。85年嘉納辰彦・石川真生らと同人写真誌『美風』創刊。98年東川町国際写真フェスティバル(北海道)へ講師として招待される。
写真展に、69年「オキナワ・南灯寮」(沖縄タイムスホール)、87年合同写真展「美風」(那覇市民ギャラリー)、92年「写真で考える沖縄の戦後史展」(パレットくもじ/那覇市ほか)へ出展。2002年「琉球烈像―写真で見るオキナワ」(那覇市民ギャラリー)へ出展。06年「金武から来た女性」(新宿アガジベベー/Gallery銀座芸術研究所)、07年「山羊の肺」(南風原文化センター/Galleryラファイエット)、「沖縄文化の軌跡1872-2007」(沖縄県立美術館)へ出展。
写真集に、91年『金城美智子・光と影の世界』、92年『沖縄を救った女性達』『沖縄の祭り―宮古の狩俣島民の夏のプーズ』『沖縄戦で死んでいった人達のための「俑」』(以上私家版)、96年『島武己』、07年『山羊の肺』がある。
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