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大阪ニコンサロン


juna21
星本 由紀子展 [ストリゴイ]
三國 菜恵展 [真昼の月]
上地 典之展 [新世界肖像]
若林 勇人展 [草の上の昼食]

5/1 (木)~5/6 (火)
10:00~18:00
会期中無休




[ストリゴイ]

<星本 由紀子展>
仄暗くかがやく 白い闇と黒い風をまとって
クフリクフリと されこうべが哄う

現代の魔界は ひどく俗物で卑猥なうつくしさが足りぬ。
嘆くは 紅の瞳孔を持つピーピング・トム。
もしくは 生ける死者 死せる吸血鬼 二つの心臓を抱きしめるストリゴイ

今宵 瞬きと悲鳴で奏でられるは 業深き影法師の物語。
夜の鳥がまだらに叫ぶ 小さき鏡の物語。
<星本由紀子>
カラー作品。



<作者のプロフィール>
星本 由紀子(ホシモト ユキコ)
1976年兵庫県生まれ。98年大阪芸術大学芸術学部文芸学科卒業。2001年ビジュアルアーツ専門学校大阪夜間部写真学科卒業。02年キャノン写真新世紀において佳作入選。現在大阪にて写真の自主ギャラリー<gallery 10:06>運営メンバー。
2000年、人間の街プロジェクトPart2参加。写真展「レロロソーファイ」(銀座ガーディアガーデン)を開催。





[真昼の月]

<三國 菜恵展>
多分、写真を撮る誰もが、写真の「あたらしさ」とは何だろう、写真に出来ることは何だろうと、考えていると思う。
作者は、写真の一番の強みは「言葉にならないもの」が写ることだ、と考える。
例えば、朝起きた窓辺に満ち溢れた光に、昼下がりの風に、視野の隅でふわりと揺れたカーテンに、何とは言えないけれど、言葉が浮かぶよりも先に、不思議と心がさらわれてゆく瞬間がある。作者はそれをそのままに撮ろうと思った。作者の師は「見たままに、いいな、と思ったままに撮るんだよ」と口ぐせのように語っていたが、そのように作者自身の生きる、小さく狭い世界のすべてに目を凝らし、シャッターを切った。
すると、触れられそうで触れられないものやどこか得体の知れないもの、ここにあってここにないようなもの、そして、漠とした明るさを含んだものが、写りはじめた。
作者は、それが何かに似ているな、と思った。まるで真昼の月みたいだな、と思った。
カラー作品。



<作者のプロフィール>
三國 菜恵(ミクニ ナエ)
1984年横浜市生まれ。2003年多摩美術大学美術学部芸術学科入学。瀬戸正人ワークショップ「夜の写真学校」第6期生。06年、写真展「真昼の月」(新宿PLACE M)開催。





[新世界肖像]

<上地 典之展>
大阪「新世界」は一大繁華街であった名残りとさびれ具合がよく、アジア的な風が吹く町となっているが、本展は昭和の香りの漂うこの街と人に独特さを感じた作者がそれらを写真に収めた作品で、前作「ジャンジャンの肖像」に続くものである。
撮影は、商店街の空き店舗を一時的に借り、そこに簡易なスタジオをつくりその店舗前で待ち伏せして行った。被写体は通行人の中から吟味厳選して交渉した。撮影したものは数日後に個展も兼ねてスタジオに展示もした。
前作はモノクロフィルムを使用しての撮影であったが、今回はカラーデジタルでの撮影による作品である。
作者は、銀塩にしか写らないもの、またデジタルにしか写らないものがあると思うと同時に、「自分が撮らなければ写らないものがある」ことを信じている。



<作者のプロフィール>
上地 典之(ウエチ ノリユキ)
1972年愛媛県生まれ。2002年ビジュアルアーツ専門学校大阪写真学科夜間部卒業。04年「ジャンジャンの桜」MiO写真奨励賞2004入賞。07年「人間の証明」MiO写真奨励賞2007審査員特別賞。
写真展に、03年「明日の写真展vol.02」、「セルフGOGO」(ともにグループ展・BEATS GALLERY/大阪)、04年「ハナテン『サクラ』」「月間写真オーサカ展『大阪24区』」「月間写真オーサカ展『ジャンジャン町の歩き方』」「月間写真オーサカ展『私の6月1日展』」(ともにグループ展・BEATS GALLERY/大阪)、「ジャンジャンの肖像」(Juna21/新宿ニコンサロン・05年大阪ニコンサロン)、05年「閻魔地蔵ライン 第三回泥棒市『ひひひ祭』」(グループ展・&’sギャラリー/大阪)、「ミオ写真奨励賞フォトライブラリー」(天王寺ミオ11階ライトガーデン/大阪)などがある。





[草の上の昼食]

<若林 勇人展>
彼の家から一時間ほどのところに植物園があった。五月の陽気のいい日に彼は、両親と祖父母で植物園に出かけた。彼はその時のことをはっきりとは思いだせない。おそらくは一面にバラが咲きほこり、温室の中は熱帯の植物たちが覆いつくしむせかえるように暑かっただろうと思う。彼は彼と祖父母と一緒に花壇を背にして写真を撮った。彼は遊びつかれて帰りの車のなかですっかり眠ってしまい、近所のファミリーレストランに着いたところでめざめた。
カラー作品。



<作者のプロフィール>
若林 勇人(ワカバヤシ ハヤト)
1980年東京生まれ。99年都立工芸高校デザイン科卒業。2003年日本大学芸術学部写真学科卒業。
写真展:2001年「appliquè」(ギャラリー ニエプス)、06年「湖のほとり」(ギャラリーpunctum)以上個展、02年「east meets west」(目黒区民ギャラリー)、03年「0号展」(トーキョーワンダーサイト)、04年「APA賞展」(東京都写真美術館)、「epson color imaging contest」(スパイラルホール)、06年「Lhooq production session 1」(ギャラリー ルデコ)以上グループ展。
受賞歴:「0号展」入選。「APA賞」経済産業大臣賞。「epson color imaging contest」特選。
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