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juna21
シマダカヅヒロ展
[空 観]

2/26 (火)~3/3 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
何ものも真に実在するものではない。
あらゆる事物は、見せかけだけの現象に過ぎない。
その真相については空虚である。
その本質を欠いているのである。
無も実在ではない。
あらゆる事物は、他のあらゆる事物に条件づけられて起こるのである。
「空」というものは無や断滅ではなく、肯定と否定、有と無、常住と断滅というような、二つのものの対立を離れたものである。したがって「空」とは、あらゆる事物の依存関係にほかならない。
(中村元著『龍樹』「空の思想」より)

撮影地の野付半島は、100年後には消滅してしまうと懸念される日本最大の砂嘴である。温暖化という文字を目にしない日はない今日、フォーマットの変遷はあるものの、記録を兼ねてここ5年ほど作者は野付半島に通っている。
普遍的リズム。波に乗り、打ち上げられ、たまたま出来てしまった海草の残骸。それ以上でもそれ以下でもない事実に作者は心を奪われた。
かつて柳宗悦が仏教の基本思想を伝えるのに「“as it is”―只、そこにあるだけ。」という言葉を用いた。信と疑、美と醜のように二元的に分別し、“as I like”になりがちな普段の生活の中で、ますます事物の本質から離れて行ってしまう。本当の自然(空)と対峙した時、如何にすれば一元的に捉えることができるのだろうか。
カメラは8×10を使用し、大伸ばしのカラープリント9~12点を展示する。



<作者のプロフィール>
シマダカヅヒロ
1971年生まれ。93年東京綜合写真専門学校写真芸術第一学科卒業。95年同校研究科卒業。現在足利市にて古美術店を経営。
写真展に、93年「HALL OF MIRRORS」(永谷ギャラリー/東京・銀座)、94年「BURIED ALIVE IN THE BLUES」(mole/東京・四谷)、96年「トランプ」(アートグラフ/東京・銀座)、97年「I wonder who's boss and who he's leavin' behind」(アートグラフ/東京・銀座)、2003年「意識/記憶」(かねこ・あーとギャラリー/東京・京橋)、06年「中有」(PLACE M/東京・新宿)―以上個展、94年「地の愛」(平永町橋ギャラリー/東京・神田)、96年「Sync」(ギャラリー ル・デコ/東京・渋谷)―以上グループ展、などがある。また著作に『地の愛』(私家版・94年、共著)がある。
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