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新正 卓展 [ARAMASA SAKURA]
1/23 (水)~2/5 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
2/2 (土)、2/3 (日)休館 |
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<写真展内容>
新正 卓 による、これら一連の美しい桜の写真は、じつに新鮮で創意に富んだものである。日本文化を敬愛しながらも欧米に住んでいる私たちのような人間にとって、これらの写真は、私たちが「日本」であると認識しているものを象徴している。これらの写真の中の桜は華麗で生命の息吹にあふれているが、もろくまたどことなくもの哀しい。主題が桜の花である、ということはたいへん重要なことである。それというのも桜の花を大切にすることは、自然を愛で、尊ぶ日本人特有の死生観にも通底するからだ。
新正 卓 は才能に恵まれた著名な表現者である。彼の写真における興味は主に、国として文化としての現代日本を理解しようとする事に重きがおかれている。以前の作品では中国、南米、ロシア、アメリカ合衆国へと渡った日本の移民たちを撮影した。先の大戦中日系アメリカ人が収容されていた、今は寂れた居留地の写真は、誠実さや人間性を現している。進行中の近作では日本の海岸線(境界)を撮影した写真を制作している。これらの写真群は、毎年繰り広げられる自然の恩恵を、じっと見詰め、敬意を祓うと云う日本古来からの儀式にのっとった写真なのであり、同時に、日本文化に対して、過去と現代に対して、別の形で質問を呈しようと試みている。
<サンドラ S フィリップス(日本語訳・青木香織)> モノクロ42~50点。
※本文は、米国サンフランシスコSTEPHEN WIRTZ GALLERYで企画開催された「ARAMASA SAKURA展」(2005年4月20日~5月28日)に対してサンドラ・S・フィリップ氏(サンフランシスコ近代美術館チーフキュレーター)より、展覧会タイトル命名と、開会の祝辞ならびにパンフレットに寄せられた一文から抜粋したものです。 |
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<作者のプロフィール>
新正 卓(アラマサ タク)
1936年東京生まれ。40年旧満州に渡る。47年酒田市八幡町に引き揚げる。60年武蔵野美術学校商業デザイン科卒業。60年代、アートディレクターとして広告にたずさわる。70年代、ファッション写真家としてパリと東京で活動。80年代から海外で移民として生きる日系人の取材を始める。90年中国残留日本人孤児(身元未判明者)1092名の肖像写真集を有志と共に制作し、日本国内すべての行政窓口に無料配布。93年武蔵野美術大学造形学部映像学科教授に就任。2004年同主任教授に就任。07年退任。
受賞歴:78年日本写真協会新人賞。86年土門拳賞。94年東川国際写真フェスティバル・東川賞。96年第46回日本写真協会年度賞。
コレクション:土門拳記念館。大阪人権歴史資料館。サンパウロ日系移民資料館。サンパウロ美術館。アリゾナ大学美術館。東京都写真美術館。東川文化ギャラリー。サンフランシスコ近代美術館。International Center of Photography/ニューヨーク。Stephen Wirtz gallery/サンフランシスコ。07年、武蔵野美術大学美術資料図書館「新正卓制作全作品」永久保存。 |
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