Nikon Imaging
Japan
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新宿ニコンサロン



村上 誠展
[産土―Ubusuna]

6/20 (火)~6/26 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
遠州灘の砂防林を撮影したものである。
遠州灘の砂防林は、西は浜名湖の南岸から東は御前崎まで100kmほど連なっているが、奥行きは最大でも200mしかない。そのわずか200mの林を作者は行きつ戻りつしながら2年間撮影してきた。
産土という言葉がある。もともとは<産土>ではなく<産砂>だったのではないかといわれている。ヒトの誕生が浜と関わっていることは、神話の中にも浜辺に建てられた産屋の話として登場する。明治の頃まで日本各地に残っていた産屋には、必ず白いきれいな砂が敷かれていた。浜名湖の北岸にも美しい産屋が、一つだけ残っている。
砂防林はヒトが植林して造ったものだが、下草が生い茂ったところはヒトの侵入を拒む密林のようになっている。しかしそのようなところでも、ほんの少し枯れ葉や落ち葉を退ければ、すぐに白砂が顔を出す。
はるか以前にヒトは、進化の過程で海から浜を通って陸に上がってきた。浜は、ヒトの誕生と深くかかわる“場”だが、同時に死の“場”でもある。ヒトは、このかりそめの森に自らの意思で迷い込んでゆく。海と陸のあいだで、ヒトの生と死が静かにくり返されている。カラー18点。



<作者のプロフィール>
村上 誠(ムラカミ マコト)
1954年静岡県生まれ。74年から写真を発表。77年立命館大学卒業。85年より美術家として活動を始める。88年より美術制作プロジェクト『あまつち天地耕作』を組織し、国内外で大掛かりなインスタレーションを発表。2003年より『天地耕作』を解散し、写真による制作を再開。現在浜松学院大学短期大学部教員(専門は幼児造形学)。
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