新宿ニコンサロン

後藤大次郎展
[man who is bumming around]
5/9 (火)～5/15 (月)
10：00～19：00（最終日は16：00まで）
会期中無休

＜写真展内容＞
作者は漠然と過ごしていた20代に海外に渡った。仕事をしながらお金を貯め、500ドルで1973年式のチベットというハッチバックの車を購入した。後部ドアを含め３枚のドアのうち２枚は使用不能だが、この車で北米大陸を野宿しながら横断した。
旅をしていると、「なぜ横断するのか？」と何人かの人に尋ねられた。
何故？　何のための旅？　何のためにここにいる？　何のため…？
結局作者は、この旅で妥当な答えを見つけることができなかった。
旅も終わり、出発点に戻って友人たちとバーで飲んでいると、隣から赤ら顔のもうひとりが「Bumming around」と笑いながら口を挟んできた。
「Bumming around」辞書を引くと「のらりくらり暮す。浮浪する。飲んだくれる。」等、あまりいい意味ではないスラングだ。しかし作者にとってこの優柔不断な語意をもつ「Bumming around」は、いまだに最もふさわしく、ぴったりの言葉となっている。
作者は回り道をたくさんしながらずっと歩いている。時には立ち止まり、地べたに座りこみながらだが、とりあえず歩いている。しかしまだ「何故？」の答えは見つけ出せていない。いつかどこかの小さな村で、ふと気づくのではないかと笑いながら歩いている。カラー約10点・モノクロ約44点。

＜作者のプロフィール＞
後藤大次郎（ゴトウ　ダイジロウ）
1968年東京都生まれ。91年カナダに移住。93年帰国。96年大阪にDEN photo studio設立。2000年東京に後藤事務所設立。02年『バミングアラウンド』出版。