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三木淳賞奨励賞展
カモ マサユキ写真展 [civilized society]
中嶋 仁司写真展 [Among the Usual]
12/13(火)~12/19(月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休 |
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[civilized society]
<カモ マサユキ展>
タイトルの「civilized society」は、日本語で「文明社会」を意味する言葉である。
現在の日本は物にあふれ、世界の中においても豊かな暮らしをしている。しかし現代の日本人は、日々の忙しさや自分自身の様々な事柄に毎日追われていて、他のことに目を向けることができないでいる。
あなたは自分のこと以外に無関心になってはいないだろうか。――
作者は今まで電気がどこから来るのか、また自分の出したゴミがどこへ運ばれるのかなど、考えたこともなかった。しかしそのために犠牲になっているものがあるならば、それを知っておくべきではないだろうかと思う。
私たちは豊かになるために様々な物を造り、世界有数の文明国になることができた。しかし本当にそれでよかったのだろうか。今さら過去をうらやんでも昔に戻ることはできないが、このまま進みつづけた先にはいったい何があるのだろうか。
展示する作品に写し出されている風景は、自然に囲まれ、一見綺麗な雰囲気である。しかしその半面で多くの物たちが犠牲となっている。そして今現在もどこかでこのような風景が生まれ続けている。カラー27点。
<授賞理由>
80年代に日本の写真表現にも強い影響力を持つに至った「NEWCOLOR」。JOHN PFAHLやJOEL STERNFELDなどのアメリカン・ランドスケープを彷彿とさせるものがあり、ある意味で現代の若い写真家の正統的な風景観にもなっている。見方を変えれば、日本の状況そのものが、まさにアメリカ的な風景に近づいてきてしまったことをも意味する。タイトルにこめられた批評性も対象に備わっている情緒性も抑制させつつ、極めて正確なフレームのうちに撮影された力作であり、私たちのすぐ隣にあるところの「環境」への素朴な問いかけとして評価したい。
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<作者のプロフィール>
1981年福岡県生まれ。2000年九州産業大学芸術学部写真学科入学。04年同校卒業。卒業後、六本木スタジオへ入社。 |
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[Among the Usual]
<中嶋 仁司写真展>
作者には、スポットライトを当てられたかのように、その被写体が風景の中で浮かび上がって見えた。日常、それらは人間によってある特定の理由からある特定の名前で呼ばれているが、もしその理由や名前が除かれたならば、いったい何であるのかという疑問にたどりつく。
夜昼問わず、何度も同じ道をドライブしていて、あるふとした瞬間にそれらと巡り会ったというよりは、普段何度も目にしていたけれども、ある時突然、それらの放つ微細なエナジーや、独自の美しさ、奇妙さに気付かされ、作者はシャッターを押した。
それらは、ある特定の場所や特別の人間しか立ち入ることのできない場所にあるのではなく、我々が生活している日常の風景の中にあった。
8×10インチ大型カメラにより3年間アメリカで撮影した作品。今回は、一部の作品をスキャニングし、コンピュータによって処理したプリント制作を試みた。モノクロ30点。
<授賞理由>
典型としての風景を切り取っていく場合、大型カメラで達成される細やかな描写力は、写真群をより等質なものへと、あるいは意味を剥奪させて、私たちの眼前に差し出されていく。中嶋氏の作品はそれを単純な方法論として継承していくものでなく、案外アプリオリな「好奇心」に委ねられ、撮影行為からフィニッシュワークまで、一貫した独自の美学に基づき慎重な作業として進められている。三木淳賞の土屋育子氏と同じように、日本を飛び出し、海外でさらに写真を学び、幾重にも感性や表現試行に磨きをかけていったその成果が見てとれる。オーソドックスながらも完成度の高い作品である。
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<作者のプロフィール>
1977年神奈川県生まれ。99年東京綜合写真専門学校卒業。2003年Ohio Institute of Photography & Technology卒業。
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