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上本 ひとし写真展
[「峠越え」2003.8.23~2005.2.28 空景]
10/31(月)~11/12(土)
10:00~19:00
11/3(木)、6(日) 休館 |
<写真展内容>
統計上、1981年以来ガンは日本人の死亡原因の第一位となり、現在3.5人に1人、毎年46万人もの人がガンを告知されている。疾病対策上、最重要課題として対策が進められてきたガンは、今人類を悩ます最強の敵といえる。現代免疫学では、社会的ストレスが原因であるともいわれている。
作者の母も、一昨年からこの数値の仲間入りをした。肺を原発巣とする腫瘍はすでに頭に転移し、明日を生きるための摘出手術のあと、余命を言い渡される。医師から見放され、東洋医学、西洋医学のどちらに望みをつなげるかを迫られる。末期ガンでは必ずこの迷いと決断に直面する。作者はそのような終末医療のあり方に疑問を感じた。
藁をもつかむ思いで免疫治療へ。少し良くなりかけると、その治療を拒む症状が現れ、確実に増殖、母を追い詰めていく。作者には、ガン細胞が悪魔の思考力を持っているように思えた。闘病生活は、頂上の見えない峠を、休むことを許されず、荒く息を切らしながら越えていく旅に見えた。そんな母の横顔を見ながら、発病から旅立ちまで、無意識の中で見ていた空景が作者のフィルムに焼きついていた。モノクロ40点。 |
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<作者のプロフィール>
上本 ひとし(ウエモト ヒトシ)
1953年山口県生まれ。75年頃より写真を始める。76年「‘76富士フォトコンテスト」入選、コンテスト中心に活動。81年「第29回二科展」入賞を最後に10年間写真活動を中断する。92年「ニッコールフォトコンテスト」を中心に活動を再開、「第40回ニッコールフォトコンテスト」入選。93年「第41回ニッコールフォトコンテスト」ニッコール大賞、以後10年連続入選入賞。2000年「第51回山口県芸術文化振興奨励賞」。01年「第49回ニッコールフォトコンテスト」ニッコール大賞、長岡賞。
個展:02年「恐迷夢」(銀座ニコンサロン)、03年「恐迷夢、(大阪ニコンサロン)、」、04年「恐迷夢」(新南陽市美術資料館企画展)、「都私夢―カプセルホテルから見た東京」(銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロン)。 |
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