Nikon Imaging
Japan
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新宿ニコンサロン


平良 正己写真展
[沖縄(ウチナー)ガーデン ―光が育てた暮らし―]

10/4(火)~10/10(月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
上品できれいに整理された今風のスマートな庭とは違い、疎っぽくて雑然として暮らしのにおいが漂ってくる家の周りの空間。作者は、そんな「庭」に惹かれて沖縄の村々を歩き回った。
あまり裕福な家の庭には見えない。「台風が来たらどうなるのだろう? 子どもたちはどんな生活をしているのだろう?」などと余計なことを考えてしまう。ところが、そんな心配などおかまいなく、深刻さや暗さの翳りのない、妙に明るい暮らしが見えてくるのだ。「何とかなるさ、明日は明日でどうにかなるさ」といった、物事にこだわらないあっけらかんとした住人の明るさが、「庭」の表情から伝わってくる。他人の視線を気にせず、どこも飾られていない庭は、「見られている、見てもらう」といった意気込みなどのない解放感を放っている。
周囲を海に囲まれ、変化・発展・向上といった意識の希薄な小さな島々に生き、中国・日本・アメリカによる他律的で厳しい歴史に翻弄されながら、人々は現状を受け入れ、与えられた環境の中で明るく生きる知恵を、みずから気づくことなく血の中に蓄え、伝えてきたのだろう。
これらの「庭」は、どこか温もりのある生命力を発しながら、遠く忘れてしまった生活の肌理、人間本来の生き方のようなものを呼び起こさせてくれる。しかし、そんなことを考えながら「庭」を見ている作者の耳には、「物事を難しく考えることもないさ、この明るい太陽があるかぎり何とかなるさ」という声が聞こえてくる。カラー50点。



<作者のプロフィール>
平良 正己(タイラ マサミ)
1958年沖縄県生まれ。早稲田大学教育学部(生物学専修)卒業。現在、沖縄県立沖縄工業高等学校教諭。
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