Nikon Imaging
Japan
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新宿ニコンサロン


山本 眞弓写真展
[風の中へ]

7/26(火)~8/1(月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
大和郡山市は全国第2位の生産量を占める金魚の生産地である。中でも金魚すくい用の和金がその8割を占め、毎年「全国金魚すくい大会」が催される。
その地に点々と存在する大小の金魚池が、作者の撮影の対象である。金魚池で、四季を通じて繰り返される、小さな生き物たちの生と死のドラマは、小さな宇宙の中での命の輪廻の物語でもある。金魚を食べに飛来する白鷺に対し、人間は蚕糸を張って防戦する。天蚕糸にかかった白鷺が死ぬと、池の金魚たちが真っ赤な雲のようになり、白鷺の死出の旅路を見送る様は、まさにドラマのクライマックスとなる。
1年に1度、金魚池の水を抜いて、底の土を乾燥させ、消毒薬をまく。取り残された金魚はわずかに残った水溜まりを求め、池の主のような亀は新天地を求めて、泥田に足跡を描いて去っていく。そして再び、新しい命の準備が静かに始まる。春、水草の陰にかわいい稚魚が誕生する。アメンボーの赤ちゃんやオタマジャクシも同居して、命の賛歌が春風に乗って流れる。夏になると、白い雲が水面に映え、金魚たちと遊ぶ。秋には、彼岸花やトンボがお客さまになる。
金魚池という小さな宇宙の中の、金魚も花も鳥も虫も、そして池の周りの蓮池も田畑も、諸行無常を逃れることはできない。それらの生き物たちに魂があるなら、空に向かって風の中を飛んでいき、再び幸せな「生」を受けて蘇ってほしいという願いを、作者は作品に込めている。カラー59点。



<作者のプロフィール>
山本 眞弓(ヤマモト マユミ)
1940年京都府生まれ。
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