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鈴木 賢士写真展
[父母の国よ]
7/19(火)~7/25(月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休 |
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<写真展内容>
作者は、帰国を果たした中国残留孤児たちの現在の姿を4年がかりで撮影、自らもルーツを求めて中国北東部を訪れている。
1932年、日本は「満洲帝国」をつくり、国策で満洲に大量の開拓移民を送り込んだ。そして敗戦。ソ連侵攻を察知した関東軍はいち早く逃走、後に残された開拓団員は、逃避行の中で多くが自決、病死、凍死した。その過程で置き去りにされ、捨てられ、拾われて、中国人養父母に育てられた人たちが「残留孤児」と呼ばれる。
彼らの本格的な永住帰国が始まったのは、戦後37年経った82年。日本に帰っても、日本語ができないまま社会に出された孤児たちは、まともな職に就けず、職場で差別され、地域にも溶け込まないままでいる。帰国孤児2,500人の約7割が生活保護を受けており、「働いていないか、他に収入はないか」と常に監視される生活を余儀なくされ、人間の尊厳すら脅かされている。加えて、60歳を超える孤児たちは今、老後に大きな不安を抱えている。厚生年金は、多い人で月5~6万円、国民年金は特例措置でも月2万2千円、とうてい暮らしていける金額ではない。
苦労を重ねた孤児たちが「帰ってきてよかった、日本人でよかった」と思える、暖かい「父母の国」になることを願っての写真展。カラー1点、モノクロ50点。 |
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<作者のプロフィール>
鈴木 賢士(スズキ ケンジ)
1932年東京生まれ。戦争で千葉県に疎開し、県立成東高校卒業後、家業(靴店)を継ぐ。戦後店を東京に移し、30歳で東京経済大学に入学、卒業。雑誌記者生活30年。50代の終わりから現代写真研究所に通い、写真を研究。日本リアリズム写真集団(JRP)会員。
写真展:1996年「フィリピン残留孤児の訴え」(マニラ市トレーダーズホテル)、97年「フィリピン残留日系人」(銀座ニコンサロン)、同名の著書(写真と文)を出版(草の根出版会)、2000年「韓国のヒロシマ」(銀座ニコンサロン)、同名の著書(写真と文)を出版(高文研)、「韓国のヒロシマ・ナガサキ」(長崎新聞文化ホール)、03年「中国人強制連行の生き証人たち」(フォトスペース光陽)、同名の著書(写真と文)を出版(高文研)。
受賞歴:99年公募写真展「視点」新人賞受賞、2000年度「週刊現代ドキュメント写真大賞」海外フォト・ルポ部門賞受賞。01年「視点」奨励賞受賞。
2003年韓国放送公社KBSが一時間番組「鈴木賢士『韓国のヒロシマ』」を放映。 |
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