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松村 明写真展
[眺めの行方]
3/8(火)~3/14(月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休 |
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<写真展内容>
作者は、めまぐるしく移り変わる都会の街も、その核となるイメージは古くからの建造物にあるのでは、という思いで東京の街を捉えている。
東京などの都市ではついこの前まで見かけていた建物が、あっという間に高層ビルをはじめとする新しい建築物に建て替わり、跡形もなくなっていることがあちこちで起こっている。
都市を何気なく見渡せば新しい建造物に目を奪われる。しかし、路地を歩きながら街を眺めると、いろいろな街の表情が見えてくる。その街のイメージというものは、新たに建てられて目立つ建造物よりも、古くから見知った馴染み深いものの方がより強く印象に残っていると思えるのは、作者の年齢からくるものなのかもしれない。
例えば数年前に、神田神保町に29階建ての高層オフィスビルとマンションが出来上がったが、神田神保町を思い描く時、古書店街の店先や雑踏をイメージし、新しいビルは浮かんでこない。このように街をイメージすることは、街に対して時代を重ねた既視感からくるのではないか。
普段は何気なく街を見ているが、イメージの基となるのは潜在的にその街の気になる“核”ともいえる情景を捉えているのではないか。その核ともいえるものは、時代の流れの中で営みが行われてきた家や建物、また橋など具体的なものから街並みに至る空間なのではないか。
作品は、現在の都市の中で息づいている様を、作者のそんな街のイメージで捉えようとしている。モノクロ45点。 |
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<作者のプロフィール>
松村 明(マツムラ アキラ)
1946年生まれ。69年日本大学芸術学部写真学科卒業。在学中に写真家長野重一氏に師事。同年毎日新聞社東京本社(写真部)入社。77年カメラ毎日編集部(本誌及び別冊「ニュー・ヌード」などを編集)。83年文化庁在外派遣研修員でニューヨーク州ロチェスターのジョージイーストマンハウス国際写真美術館で写真美術館学を研修。85年日本最古の銀板風景写真の発見と場所の特定。87年「EMPATHY」=日本現代写真10人展(森山大道、須田一政、土田ヒロミ、秋山亮二、藤原新也、中川政昭、林隆喜、三好耕三、小林のりお、高木由利子が参加)のキューレイターを務める(本展はロチェスターのビジュアル・スタディーズワークショップから全米3ヵ所を巡回)。95年国内撮影唯一の鉄片写真の発見。同年毎日新聞に「戦後50年暦の断層」を連載(東京写真記者協会企画部門賞受賞)。
写真展に、92年「眼貌」=硬派紙面の顔(銀座及び大阪ニコンサロン)、2000年「関門の街」(銀座及び福岡キヤノンサロン、岡林ギャラリー/北九州)、01年「路地のむこう」(銀座ニコンサロン)などがあり、写真集に『路地を抜けると』(蒼穹舎、03年)がある。 |
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