2019年12月11日(水) 〜 2019年12月24日(火) 日曜休館
2020年1月 9日(木) 〜 2020年1月22日(水) 日曜休館
ここ6年ほどのあいだに日本全国に40ほどの祭事、祭祀などを巡った。
古くから伝承されているそれらの多くは闇のなかで行われることが多く、夜通し行われるものも珍しくない。その場に身を置いていると必ず不思議な感覚に襲われていく。目の前の人や風景、光景が裏返ってゆくのだ。現世と異界が激しく反転を繰り返す。時間と空間がねじれ、裏返ってゆくかのようだ。1000年前の隣にいまが、あるいは100年後の未来の隣に100年前の光景が接している。やがて参加している人たちがマレビトへと姿をかえる瞬間、闇に亀裂が生じ、私たちは異界へと吸い込まれる。
そして、ぷっくりと生まれ出でたものを目撃する。
(小林紀晴)
1968年長野県生まれ。1988年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。
新聞社にカメラマンとして入社後、1991年に独立。アジアを多く旅し作品を制作。2000-2002年渡米(N.Y.)。近年は自らの故郷・諏訪地域でも作品制作を行っている。
著書に『ASIAN JAPANESE』『days new york』『kemonomichi』『Silence of India』『ニッポンの奇祭』『見知らぬ記憶』『写真で愉しむ 東京「水流」地形散歩』など多数。2019年秋には『孵化する夜の啼き声』『愛のかたち』『まばゆい残像』などを刊行予定。
1997年『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞、2013年『遠くから来た舟』で第22回林忠彦賞を受賞。
東京工芸大学芸術学部写真学科教授。ニッコールクラブ顧問。