2019年8月21日(水) 〜 2019年9月 3日(火) 日曜休館
2019年9月12日(木) 〜 2019年9月25日(水) 日曜休館
福島第一原発の水素爆発によって福島の大地に放射性物質がまき散らされた。事故直後から撮影を続けた作者は、3年後には福島に移り住み、見えない放射能の被害を感じ取っていった。そこでは物理的な分断と精神的な分断が起こっていた。地方では土地と人、また人と人は密接に生活に関係しているが、その関係が破壊された。当たり前に存在していた人と人との繋がりが簡単に断たれた。普通の生活を送っているように見える人たちの心にも、常に不安が付きまとっていた。それこそが最大の被害だったのだ。壊された関係はもう元通りにはならないし、心の中の不安が消え去ることもない。福島では何が正しいかはこれまでも今後もわからないと作者は感じている。それでも、この大地で人々が生き続けていることを表現している。
1977年 長野県生まれ。
日本の全国紙の写真部を経てフリーのフォトグラファー。東日本大震災後に福島県に移り、震災や福島第一原発事故の取材や撮影を続ける。コニカフォトプレミオ、Critical Mass Top 50、Tokyo International Photography Competition 2017、 DAYS国際フォトジャーナリズム大賞2017 審査員特別賞、2017 NPPAベストオブフォトジャーナリズム3位など受賞。これまでにコニカミノルタプラザ(東京)、ニコンサロン(銀座、大阪)などで写真展を開催。福島をテーマにした作品はニューヨークなど世界の都市で展示され、Focus Photo Festival 2017, Head On Photo Festival 2017 に作品が参加した。International Center of Photography(ICP、ニューヨーク)に福島の野馬追シリーズ作品が収蔵されている。