2018年11月21日(水) 〜 2018年12月 3日(月) 日曜休館
2018年12月17日(月) 〜 2018年12月29日(土) 日曜休館
東京に住んで18年になろうとしている。
革職人として仕事をしていた。
つくることは好きで楽しくもあったが、物があり溢れた現実につくる気持ちは少しずつなくなり、写真に出会い、みるみるはまっていった。
特に東京が好きなわけではないが、特に行きたい場所はなかった。
次の目的地も見つけられず、着地点も定まらないまま、時間だけが過ぎていった。
撮るのが好きになり、いろいろな所に行っては写真を撮り歩いていた。
目的もなく、なにか表現したいという気持ちもなく、衝動に任せてシャッターをきっていた。そのうち東京にいるのだからこの場所を撮ってみようという思いがでてきた。
昼間は仕事をしているので、必然的に夜に写真を撮ることが多くなっていった。
暗くなってからの撮影は人も音も色彩も少なく、どこか心地よく、時に高い場所に上り、遠くを見てはただぼんやりと眺めていた。
ふいに不思議な光景にでくわすことがある。そこはなにか現実感を欠いて、どこか美しく自分の奥に響いてくる。
なんとか言葉で伝えようと頭の中で言葉を探したが、うまく言葉は見つからなかった。
それを写真でなら捉える事ができた。
撮りつづけることで、自分自身を知ろうとしているのかもしれない。
それから、自分だけの印しのような場所を探し求めている。
(藤﨑 陽一)
1980年 鹿児島県生まれ
2002年 WAYWARD・高橋真也氏の元で革職人として勤務
2016年 瀬戸正人氏・大野伸彦氏 ワークショップに参加
2018年 個展「LIGHT」(Place M)