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2006年度 三木淳賞奨励賞
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内容:
現実と将来への想いが交錯し、「社会」を意識し始める世代、それが高校生だと作者は思う。
街で見かける高校生たちは底抜けに明るく輝いて見える。しかし、彼らが一人になったときに見せるふとした表情からは、複雑な感情が伝わってくる。
作者はそんな彼ら一人一人と対話しながらレンズを向けた。そこで感じた彼らの誠実さや純粋な心は、かけがいのないものであった。
この感受性豊かな年代は、社会や周囲の状況を敏感に受け止めることを強く認識した。カラー40点。
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授賞理由:
受賞作品は、大人にも子供にもなれない奇妙な時間を生きる現代の高校生たちの浮遊感や鬱屈した感情、そして純粋な精神を、集団や社会から切り離し、まるで真空のなかのフィギュアのように削りだしている。何気ないポートレイトのなかに21世紀の日本という、よるべなき特別な時代を繊細に、多感に生きるティーンエイジャーたちの不思議な位相がこのシリーズにはピュアな形で描きだされている。 |
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作者略歴:
田代 一倫(タシロ カズトモ)
1980年福岡生まれ。2005年3月九州産業大学芸術学部写真学科卒業。4月同大学大学院芸術研究科写真専攻入学。06年第7回上野彦馬賞入賞。 |
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