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2004年度 三木淳賞奨励賞
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内容:
偶然写した一枚の写真から祖母「みね」の撮影が始まった。
成人した作者が実家を離れて7年。痴呆が進み、遠い記憶の中に生きる祖母。
同じ時間を共有することで彼女の目線から見えるもの、感じるものを作者は体験し、作者にとって楽しい時間であった。
しかし深く、厳しい現実に直面することでもあった。撮影のために帰郷しても、彼女の機嫌が悪い時は撮影できないこともしばしばあった。また、最初はよくても途中で機嫌が悪くなると撮影できない。
本展のテーマは、痴呆と共に生きる祖母「みね」。そして「みね」と共に生きる作者とその家族たちである。モノクロ約30点。
授賞理由:
過去の全ての記憶を失った作者の祖母のルポルタージュだが、作品の基層に流れるテーマは、空(くう)をみつめる祖母「みね」の純な瞳には何が映っているのか、何を眺めようとしているのかを、カメラで追うことで発見したいとする意志である。そのテーマに対する的確な表現が高く評価された。 |
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作者略歴:
1974年埼玉県に生まれる。95年3月日本写真芸術専門学校芸術科卒業。同年4月編集プロダクションへ入社。96年5月、同社写真部独立に伴い、写真事務所へ入社。98年7月に主に商業写真等を撮影するフリーランスとなる。
写真展に、97年コニカプラザ「新しい写真家登場」にて「Chu(キュー)」個展。東京写真月間’98「カレイドスコープ90年代の女性写真家たち」に出展。99年コニカプラザグループ展「OBSERVER」で「棄(き)」出展。
98年シリーズ「新しい写真家登場」で第7回コニカ特別賞受賞。
99年ヤング・ポートフォリオ・清里フォト・アートミュージアムに「Chu」収蔵。 |
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