東南アジアへの旅を始めてからかれこれ8年になる。ナムプラーの味もすっかりなじんできた。その間、バンコクを拠点にして、タイの地方やラオス、カンボジア、ミャンマーなど周辺国へと足をのばしてきた。
アジアの都市部は、訪れるたびに街の表情を変えていて、人々の生活も消費社会へ急いでいる。とくにタイではインフラの整備が進み、今やバスひとつで全国どこへでも快適に行くことができる。一方、地方へ行くと、どこの国でも日本人が遠い昔に置いてきた生活がそのまま残っていて、人々の心も豊かそのものに驚く。そこには、何度足を踏み入れてもわかりきらない自分を駆り立てる何かがあり、それが作者を再び国境へと向かう深夜バスへ乗せてしまう。
なお本展は、2000年9月に開催した「ASIAN PEOPLE」の続編である。モノクロ33点。
1975年東京に生まれる。
98年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。
99年同大学研究科修了。
写真展に、00年「アジアン・ピープル<ASIAN PEOPLE>」、02年「とこ夏ナムプラー <ASIAN PEOPLE2>」(共に新宿ニコンサロン・Juna21)などがある。