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第1回(1999年) 三木淳賞
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選考理由:
現代人が陥りがちな仮想現実の現実と非現実のあいまいな感触を、異なる要素を電気的に合わせることで具体的かつ訴求力のある作品に表出させた。都市の場に、人間の化身でもあるマネキンを重ねるといった、テーマに対するモチーフ選択も的確だ。さらに光るのは、素材をコンピューターで巧みに組み立てた高度な技術である。現実にはあり得ない仮想空間が未来社会の暗喩として読めるリアリティは、場と物体を合成するための正確なライティングやフレーミング、形にまで注がれた細かい計算により成り立っている。デジタルが写真概念を大きく変えようとしているいま、第1回の授賞に相応しい作品である。 |
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作者略歴:
1975年、熊本県生まれ。熊本工業大学付属情報技術専門学校メディアデザイン科(旧・映像処理学科)卒業。在学時、漆原一宣氏にデジタルフォトグラフィーを、百瀬俊哉氏に撮影技法の指導を受ける。現在、同校銅学科の技術スタッフとして勤務。 |
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