アフリカの熱帯雨林に居住するアカピグミーの人たちの間に、巨大な8x10インチ判のカメラを持ち込み、彼らの肖像を多層的に捉えたポートレイト作品である。その画面には自然と共生するおおらかな生が詳細に写しとれていて、自然界を犠牲にしてまで発展と発達を遂げてきた近代の文明社会に対する問題提起とも受け取れる問いかけが内包されている。文化人類学や民俗学といった分野にとっても、優れた証言性を持つ作品として高く評価され受賞に至った。
1959年福島県生まれ。日本大学商学部、日本写真芸術専門学校卒。武蔵野美術大学、日本写真芸術専門学校講師。フリーカメラマンとして活躍。