第7回は、英伸三、桑原史成による写真展『ドキュメント二人展』である。二人は共に1936年10月と、生まれた月まで同じ同期生であり同じ写真専門学校で学び、世代を共有しながら真摯な姿勢で社会の現実を直視するフォトジャーナリストとして軌を一つにした歩みを続けている。英伸三は農業問題や環境問題など、国内の産業化社会の歪みに焦点を合わせた写真報道を行っている。また桑原史成は、水俣、ベトナム、韓国と国境を越えた広範囲な活動で、今日の人間としての道を追求し続けている。
1936年千葉県生まれ。東京綜合写真専門学校卒。フリーカメラマンとして、障害者、農村、環境破壊、教育などをテーマに撮影を続ける。日本写真批評家協会新人賞(65年)、日本ジャーナリスト会議奨励賞(71年)受賞。
写真集=「農村からの証言」「町工場・鋼彩」「一所懸命の時代」
1936年島根県生まれ。60年東京農業大学卒業。同年、東京綜合写真専門学校卒業。1960年より発病間もない水俣病の取材を開始。1964年からは、平凡社「太陽」の特派員として韓国を取材、その後ベトナム戦争など、海外にテーマを求め、ドキュメンタリーの分野を歩む。日本写真批評家協会新人賞、講談社写真賞受賞。
写真集=「病める大国・ロシヤ」(ニコンサロンブックス・22)「韓国原影」「生活者群像」「水俣病」他。